Ⓒママリ/画像の生成にAIを使用しています
🔴【第1話から読む】「ウチは結納金払わない」義父VS実母、波乱の予感…両家顔合わせ|実母と義父のバトルに巻き込まれた話
妊娠は順調に進み、夫婦で出産準備を進める彩花。母からは祝いの提案があったが、義父は「自分たちで買え」と一蹴。期待が裏切られ、彩花の胸に静かな憤りが募っていく。
母の支えと義父の不器用さ
あの日の夕食以降も、もちろん義父からの出産祝いの話はありません。むしろ「準備は進んでるのか?」など、あくまで出産に関することは私たち夫婦に全部任せて、煽るだけ煽る様子でした。
妊娠後期になり産休に入ると、実家が義両親の家と近いこともあり、度々母が様子や世話を見にやってきました。一応、義母にも色々支援してもらってはいたものの、やはり気心知れた母の方が頼りやすく、気を張らずに済みました。
「予定日までもう少しね。元気に産まれてくるといいわね」
母は私のお腹をさすりながら、赤ちゃんに語りかけるように優しい表情と口調でそう言いました。嫁いでからというもの、義父の粗暴な態度に意識が向きがちでしたが、私やお腹の子を優しく愛してくれる夫や両親の存在を、この時は噛み締めました。
休みを挟みつつ進めていた家事がひと段落すると、私は母と二人でお茶をしながら結婚生活の話をする流れになりました。ただやはり、顔合わせや結婚式での義父の態度が忘れられないのか、母はしきりに義父に何かされていないかばかり聞いてきました。
「こっちのお義父さんはどうなの?意地悪とかされてない?」
「意地悪はされてないよ。ただ、まぁ……頑固で不器用な人だよね」
私は笑いながら話しましたが、ただ現に、義父に抱く印象はまさしくそれでした。大酒飲みで意地っ張りな印象こそ強いものの、孫の誕生は誰にも負けないくらい楽しみにしているようには思えるのです。
ある日の夕飯、日に日に大きくなる私のお腹を見ては「楽しみだなぁ」と義父はしみじみ口にして、笑みを浮かべました。そんな義父の姿を見てからは「あぁ、不器用な人なんだな……」と思うようになったのです。
祝いの言葉をめぐる落差
「それで、こっちのご両親からも、出産祝いは準備してもらえるんでしょ?」
「やっぱり聞かれるよね……」と思いながらも、私は白状しました。
「いや、特にはないみたい。同居してるんだから住む場所を確保してもらってるし、きっと赤ちゃんのお世話も少しは一緒にしてもらえると思うし?……」
気まずさを感じつつ上手に話をまとめようとしましたが、母の顔はあっという間に険しく真っ赤に紅潮していきました。
母の怒りと板挟みの苦悩
「なに?……なんでこっちのご両親はいつもそうなの!?彩花を下にでも見てるの!?」
母は今までに溜め込んだ義家族への不満を爆発させました。眉を顰め、語気を荒げて捲し立てました。
「顔合わせの時からそうじゃない!なんの相談もなしに『結納金はなし』とか勝手に言い始めるわ、披露宴で二人に恥をかかせるわ冗談じゃない!」
ここまで激しく怒る母は初めてで、私も手の付けように困ってしまいました。
「ちょっとお母さん、落ち着いてよ。別に直樹くんとも話したし、そもそもお祝いに期待してなかったし……」
「そういうことじゃないでしょ!ウチの娘嫁がせた上に孫には何も買わないなら、ウチに入ってもらいたいわよ!」
なんとか宥めようとするも母はああ言えばこう言う状態に。怒りが収まらない様子でした。
「全く……今度会う機会があってもし嫌味とか自分勝手なことでも言い出したら、私言い返してやるわ!」
「えぇ……そこはお母さん抑えてよ。半同居してるのは私たちなんだから」
「なんでよ!それで文句言われるなら直樹くんとウチに入ればいじゃない?」
私たち夫婦を思えばこその母の怒りですが、これから生まれる子のことも考えると、何より「両家が仲良く」あって欲しいのが私の願いでした。「どうにかうまくいく方法はないだろうか……」いつしか両家の板挟みになっていた私は、知らず知らずのうちに不満を溜め込んでいったのです。
🔴【続きを読む】陣痛の最中に噴き出した、実母と義父への不満|実母と義父のバトルに巻き込まれた話
あとがき:母の愛と義父の不器用さ、その狭間で
母は心から孫の誕生を喜び、支えようとする一方で、義父は祝いも差し伸べず義務ばかりを課す。両者の態度の落差は彩花を深く揺さぶり、心の中に「母の怒りも分かる、でも義父を完全に否定したくはない」という矛盾を生みました。両家を結びたいと願うほど、溝は広がっていく──そんな板挟みの苦悩が、これからの彩花の結婚生活をより複雑にしていくのを感じざるを得ませんでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










