算数力とは
算数力とは、計算の早さやいわゆる「テストができる」というような断片的なものではありません。算数力とは、合理的に、総合的に物事を見ることができる思考のことで、それが子供の人生において大いに役に立ちます。
算数力と聞くと、どうしても「テストで良い点が取れる子に育つってこと?」と、すぐに勉強と結びつけてしまうものですが、そうではなく、生きていくうえで多角的に物事を見られるなど、生きるために必要な思考力を鍛えられます。
算数力がいい理由
算数力は、子供にどんないい影響を与えるのでしょうか。見ていきましょう。
算数力は挑戦する力を育む
子供の中には、挑戦する前から諦めてしまうという子も少なくありません。「どうせ自分にはできない」という子供は、自分に自身がなかったり、成功体験が無かったり、挫折から立ち直った経験がないなどの特徴があります。
算数力を鍛える工程では、「とりあえずやってみよう」という心が育つと言われています。小さな子供にとって、算数はとてもむずかしいものです。「わからない」と言う子供がほとんどでしょう。
でも、そこで、「分からなくてもいいからやってみよう」と声をかけ、実際に計算問題などをクリアすると、子供は挑戦からの成功体験を経験でき、分からないことに立ち向かうのがおっくうでなくなります。
自ら学ぶ力を育む
挑戦することがおっくうでなくなり、挑戦からの成功体験を得ることで、「分からない」「不思議だな」と感じたら、自分で自ら「調べてみよう」「とりあえずやってみよう」という良い循環が生まれます。
すると、自分から学ぶことに対して抵抗がなくなり、だれかが手取り足取り教えなくても、進んで学ぶようになります。学校での教育以外にも、人生には学ぶことがたくさんありますよね。
算数力は算数だけでなく、色んな分野において、学力を身につけさせるのです。
算数力で学びが楽しくなる
算数力で自ら学ぶ姿勢が身につくと、学ぶことが楽しくなり、どんどんと学びが加速します。学校教育でも、進級するごとに内容は難しくなりますが、小さな頃に身につけた「学び=楽しい」というイメージがあるので、難問題に挑むのも楽しみに変わるのです。
親にもできる「算数力」の教え方
算数力を身につけさせるにはどうしたらいいのか?と思っているパパやママは多いことでしょう。ここでは、親が教えることができる、算数力の身につけさせ方をご紹介します。
その1☆ 1から教える
大人たちは、ものを数えるときに、効率よく数えていますよね。お札を数える時には10枚目で区切りの目印をつけたり、コインは種類に分けて、10の山を作りながら数えたりします。
でも、小さな子供は、そんなことは知りませんよね。ここで、大人は効率のいい方法を教えたくなりますが、はじめから教えてはいけません。
まずは1つずつ数えさせ、「あれ、どこまで数えたっけ?」というような問題を体験させます。その後で、「こうやってやると簡単だよ」と教えれば、子どもは「本当だ!すごい!」と感動を覚えながら学んでいくことができるのです。
その2☆ 自分にまつわる数字を学ぶ
人にとって、数字はとても身近なものです。たとえば、身長や体重などは、子供も小さな頃から測ることが多いので、とても身近な数字だと言っていいでしょう。
「大きくなったから服のサイズを120センチにしよう」「体重が1キロ増えたね」と、子供と数字を共有することが大切です。
お料理を一緒に作るときに、材料を計量カップで測ったり、数字に多く触れることが大切です。
その3☆ 単位が算数力を刺激する
人は多くの単位を使っています。でも、子供の前では「ひとつ、ふたつ・・・」と数えている人も多いのでは?できれば、親は単位を正しく使うのがおすすめです。
クッキーなら1枚、ニンジンなら1本、絵本なら1冊など、単位は物によって変わります。これが将来発展し、「1kgは1000g」などの換算などにも抵抗がなくなり、自分でも自然と使い分けられるようになっていきます。
算数力は親の影響を受けやすい?
パパやママの中には、子供の頃に「算数が苦手だった」という人もいるでしょう。すると、大人の側のコンプレックスが子どもに伝わってしまい、算数への苦手意識を持ってしまうことがあります。
「ママは算数が苦手だったらか文系に進学した」という人はしばしば見かけますが、本当はそういう物の言い方は控えたほうがいいでしょう。「読書が好きだったから文系に進んだ」という言い方をすれば、子供の算数への苦手意識は植え付けられずに済みます。
理系ママも要注意?
最近では、理系女子(=リケジョ)なんて言葉があるほど、女性でも理数系に強いママが増えています。
中には、親が理数系でも子供は数字が苦手というケースもあると思いますが、そんなとき「そんなことも分からないの?」と思わず言ってしまった・・・なんてママもいるようです。
苦手意識やコンプレックスは、一番の学びの障害になります。子供に自信をつけさせるため、できない子どもを見ても、「一緒にやってみよう」という姿勢で、余裕を持って接するようにしましょう。
算数力はまずは日常から!
算数力は日々の生活の中で身につけられるものです。特別な英才教育をしないと・・・と考える人も少なくありませんが、生活する中で身につけるのが一番!
とくに、子供は親に教えてもらうと、先生などに教わるよりも、飲み込みが早いようです。そのため、パパやママも、最低限の基本の算数を学んでおき、スマートに教えられるようにしておくといいでしょう。