©ママリ
夫は、エロサイトで女性とやり取りをしていた、と告白しました。見ず知らずの女性と、お互いの裸を見せ合っていた、と。
「なんで…?」
私は、言葉を失いました。夫は、私を裏切っていた。その事実に、怒りよりも、ショックで頭の中が真っ白になりました。
「ネット上の女に褒められて、調子に乗ってしまって…」
夫は、そう言って、情けない声で謝罪しました。そして、その女性から、突然、何十万も払えと要求されたこと。もし払わなければ、裸の動画をばら撒くと脅されたそうです。
「ヒカリ、本当に馬鹿なことをしたと思ってる。まさか、こんなことになるとは…」
夫の言葉は、まるで他人事のように聞こえました。私は、怒りというよりも、夫の馬鹿さ加減に呆れてしまいました。生後10ヶ月の可愛い娘がいるのに、なぜそんな馬鹿なことができるのだろう。 ※1
信じられない…夫の軽率すぎる行為
ある日突然、夫から信じられないことを告げられた主人公。まさか、自分の夫がこんな馬鹿なことをするとは、夢にも思いません…。事態は深刻です。動画を人質に、金銭を要求されてしまったのです。
妻から見ると、夫が招いた自業自得の結果のように思えます。ですが、夫の家族である主人公と娘も、他人ごとではありません。
夫の告白から数日後、主人公のスマホに「グループ招待」の通知が届きます。何気なく開いてみると、グループ名のタイトルは夫のフルネーム。イヤな予感がします…。
妻が感じた、ショック・恥ずかしさ・怒り…
そこには、夫の親、夫の仕事関係の人、そして夫の友達が招待されていました。そして、グループには、たった一つの動画が送られていました。私は、恐る恐るその動画を再生しました。
そこに映し出されていたのは、夫の裸でした。夫が、エロサイトで女性と見せ合っていた、その裸の動画でした。その瞬間、私の頭の中は真っ白になり、全身から血の気が引いていくのが分かりました。
グループに参加している人たちから、次々とメッセージが届きます。
「ユウキ、これ、どういうこ?」
「おい、ユウキ。大丈夫?」
「奥さんも子どももいるのに…」
親、友達、仕事関係の人。夫の人生に関わる、ほとんど全ての人に、この動画が見られてしまった。夫のプライバシーは、完全に踏みにじられてしまいました。私は、ショックと恥ずかしさ、そして怒りで、もうなにがなんだかよく分からなくなりました。
夫は、何十万ものお金を要求され「払わなければ裸を晒す」と言われ、さすがに悪戯だろうとすぐにブロックしたらしいのですが、相手は、さらなる手段を使ってきたのです。夫のメッセージアプリに登録された友人たちを勝手に招待し、夫の裸をさらす―――こんなひどい仕打ちが、この世にあるなんて。
私は、ただただ、震えることしかできませんでした。でも、エロサイトに登録しただけでいったいなぜ?帰宅した夫は、私の顔を見るなり、全てを察したようでした。
「ヒカリ…ごめん…」
夫は、もう、私に謝ることしかできません。
なぜ彼の個人的なメッセージアカウントが知られているのか聞くと、有料でやり取りするエロサイトで裸を見せ合った後、無料でもっと話したいと言われ、普段使っているメッセージアプリのIDを教えてしまったというのです。そのIDや夫が伝えた誕生日などの情報から、アカウントに侵入されて友人の情報を奪われたのでしょうか。自業自得としか言えませんが、恐ろしい話です…。 ※2
相手からおどされていたことが、現実に起きてしまいました…。しかも、夫の人生に関わりが深い人たちへ向け、動画がさらされてしまったのです。これでは、夫の社会的地位は地の底に落ちたも同然です…。
夫の軽率な行為が招いた結果とはいえ、本当におそろしいですね…。
ついに切り出した「離婚」の二文字
「エロサイトを見ている感覚だった」
夫は今回の行為に及んだ理由をそう説明しましたが、私からしたら、そんなことは関係ありません。今回、こうやって騙されてたまたまバレただけで、これから先チャンスがあったら、絶対欲に負けて浮気するはず。私は、そう確信しました。
「今まで女性関係でもめたことはなかった」
「最近は子供の面倒もよく見てくれて、いいパパだった」
でももう、見知らぬ女に裸を送るような夫を信じることはできないと思いました。ある夜、私は夫に冷たい視線を向け、静かに、しかしはっきりと、こう言いました。
「もう離婚する」
夫は私の顔を、真っ青な顔で見つめました。
「ヒカリ…」
夫は、もう、何も言えませんでした。私がこんなことを言ってしまうなんて、思ってもいなかったのでしょう。でも、私の中では、もう夫との関係は、終わっていたのです。 ※3
夫としては、軽い気持ちでやったことだったのでしょう。ですが、妻からすれば、立派なうらぎり行為です。主人公は夫のことは信用できず、夫婦関係の終わりを感じます…。
本作では、夫の軽率な行為のせいで、すべてをうしなってしまった様子が描かれています。
ですが、物語は思わぬ方向へと進みます。夫は心から反省し、自分のした罪に向き合うため、はりのむしろであろう会社へと通い続けます。憔悴しながらも、家族のためにけん命に償おうとする夫の姿を見て、妻は再び夫を支えることを決意。夫婦として、再構築の道を選びました。
ネット上での軽率な行動は、本当におそろしいですね。軽く考えずに、しっかり自衛することは、自分も家族も守ることにつながります。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:きさらぎ










