義母にアパートの更新料として10万円を送金してから、数ヶ月が経った頃でした。ある日、義姉から夫に連絡がありました。夫と義姉は、義母のことで、これまでも何度か相談し合っていました。夫が、義姉との電話を切った後、私は夫のただならぬ雰囲気に気づきました。
「ねぇ、どうしたの?義姉さんから、何かあった?」
私の問いかけに、夫は、震える声でこう言いました。
「ハルカ(義姉の名前)から、聞いたんだ。母さん、姉ちゃんからも更新料として10万もらってたって…」
私は、自分の耳を疑いました。え、10万?義姉からも?
「更新料って、10万あれば余裕で足りるんだろ?なんで、姉ちゃんにも同じことを…」
しかも、義母は、そのことを夫にも義姉にも内緒にしていたのです。私たちは、義母に騙されていた。その事実に、私は、嘘でしょ?そんなことある?と、頭が真っ白になりました。信じていた義母に、裏切られた。しかも、お金で。
夫と義姉は、当然激怒しました。すぐに義母に連絡をしましたが、義母は、バレていることを知っているだろうに特に謝ろうとしませんでした。 ※1
義母の裏切りに気づいた瞬間
義姉からの連絡がきっかけで、義母にお金をだまし取られたことが発覚。義母は、自分の子どもたちからそれぞれ10万円ずつ、計20万円のお金を手に入れたのでした。
しかも、発覚後、義母の態度は信じられないものでした…。
絶句…義母の言い分
お金について夫が問い詰めたら、義母はこう言いました。
「家族なんだし、ちょっとの援助くらい迷惑じゃないでしょう?ちゃんと更新料は払ったし、これからもあなたたちの子育てはちゃんと手伝うしね」
そんな言い訳に、夫も義姉も、呆れて言葉を失いました。そして、義姉から、さらに衝撃的な事実が告げられました。
「母さん、余分に取った10万円で、推し活に全額つぎ込んだらしいよ」
推し活?その言葉を聞いた時、私は、怒りを通り越して、もう笑うしかありませんでした。嘘でしょ?そんなことある?と、爆笑してしまいました。本当に生活が苦しいわけではなく、趣味のためにお金を騙し取った。自分の子どもや孫に何か買ってあげるどころか、騙してお金を取るとは。 ※2
20万円という大金を手にし、義母は人が変わってしまったのでしょうか?謝罪の言葉はなく、開き直ったような態度に、あ然としてしまいます。
さらに、「推し活」にお金をつぎ込んだと聞かされます。あまりにも衝撃的な事実に、主人公は笑うしかありませんでした…。
お金のトラブルがきっかけで、主人公夫婦は義母への生活援助を打ち切ると宣言。義母の信用は、地の底に落ちてしまったのです。
その後の家族関係は?
その後、義母は、本当に反省しているようでした。
高額なブランド品をねだることもなくなり、推し活もやめ、新しいパートの仕事に一生懸命励んでいる、と義姉から聞きました。ある日、義母から荷物が届きました。開けてみると、手編みのマフラーが入っていました。
「本当にごめんなさい。あれから自分がしたことに向き合っています。家族が私に優しくしてくれることに対して、つい甘えてしまいました。こんな歳になって恥ずかしい思いです。迷惑をかけた償いにはならないけど、心を込めて編みました。いつか、また孫たちと会える日を楽しみにしています」
同封された手紙を読んで、私は少しだけ泣いてしまいました。義母は、本当に反省し、つつましい暮らしをしているようでした。
この一件を通して、私たちは、義母との関係を見つめ直しました。そして、お金で繋がる関係ではなく、本当の信頼関係を築くことの大切さを学びました。これからは義母の状況を見ながら、家族としての交流を静かに続けていきたいと思います。 ※3
義母との関係は、壊れてしまったかのように見えましたが、義母の心からの反省で修復へと向かいます。大切な家族だからこそ、きっとやり直すこともできるはずです。
本作では、義母への金銭援助がきっかけで、家族が崩壊寸前まで追い込まれてしまった様子が描かれています。離れて暮らす家族への援助、とても難しい問題ですね。
今回のケースのように、要求がエスカレートしたときは、注意が必要です。家族とはいえ、ほどよい距離感でつきあうことも、ときには必要なのかもしれません。










