©ママリ/画像の生成にAIを活用しています
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『今夜、20時ごろからおすすめの女性はいますか?』
『はい!清楚系女性のAYAKAなどいかがでしょうか?』
そのメッセージと一緒に、添付されていたのは、若い女性が下着姿で映っている画像だった。
さらに、メッセージはこう続いていた。
『いいですね。AYAKAちゃん、自宅にも来られますか?』
『もちろんです!ご自宅にうかがいます。ご住所、電話番号などお伝えください。お時間は20時でよろしいでしょうか』
『はい。コースは90分でお願いします』
目の前が真っ白になった…。信じられない。正行が…まさか、デリヘル?しかも、自宅に呼んでいた?どうして?ホテルに行くならまだしも…私たち家族が暮らす、この家に?
心臓が耳元でドクドクと不規則な音を立てている。ソファーで無防備に眠っている正行の顔が、まるで別人のように見えた。 ※1
妻のいやな予感が的中した夜
1泊2日の温泉旅行から帰ってきた日。違和感を拭いきれず、夫のスマホを確認したところ、信じられないやり取りが残されていました…。
夫のうらぎり行為が発覚した日、佳奈子は眠れぬ夜を過ごします…。
された側の苦悩と葛藤
「本当は、私とするのがイヤだったのかな…」
どうしようもない不安と自己否定の波に、のみ込まれていく…。自分に魅力がないから?私が妻として、母親として至らない点があったから?頭の中を、自分を責める言葉がぐるぐるとかけめぐる。
翌朝、正行が起きてくる前に、私はスマホを元の場所に戻した。何事もなかったかのように振る舞おうとしたが、目は真っ赤だった。
「佳奈子…どうしたの?もしかして、体調悪い?」
朝食の準備をしながら、心配そうにたずねる正行…。私は言葉を詰まらせた。
「…昨日、あなたのスマホ、見ちゃった…」
その言葉に、正行は一瞬で顔色を変えた。私の中の最後の希望が打ち砕かれる。やはり、間違いではなかったのだ。
「え…それは…」
「もういい。全部、わかってる。どうして…どうして自宅に呼んだの?」
私の問いに、正行は言葉をうしない、その場に崩れ落ちるようにして座り込んだ。そして、堰を切ったように泣き始めた。
「ごめん…本当に、ごめん…!」
肩をふるわせ、子どものように泣き続ける正行…。私の怒りや悲しみも、彼のその姿を見たら、行き場をなくしてしまった。 ※2
翌朝、夫に「全部知ってる」と告げると、あっさりと白状。しかも、傷ついた妻ではなく、夫のほうが泣き崩れてしまいました…。
夫を責めることができない、佳奈子。ですが、佳奈子は冷静に、夫に質問をします。「お風呂も一緒に入ったの?」と聞いた途端、夫は真っ青になってうなだれたのです。夫の態度が、すべてを物語っていました…。
信じられない…もう、この家で過ごせない
「どういう神経してるの…?私とマオが、毎日入ってるお風呂だよ?」
ようやくしぼり出した私の言葉に、正行はただただ泣くばかりで、何も答えることができなかった。
その日、私はマオを連れて実家に帰ることにした。この家にはいられない。このままこの家にいたら、私自身が壊れてしまう。
「ごめん、正行。少し、一人になりたい…」
「佳奈子…!」
すがりつく正行を振り切って、私は家を飛び出した。
実家に帰っても、何も手につかない。母は心配してくれたが、私は何も話すことができなかった。ただただ、マオを抱きしめ、この先のことを考えていた。
「離婚」
その二文字が、何度も何度も頭をよぎった。でも、実際に正行と離れることを想像すると、胸がしめつけられた。
「今、何してるかな…。ご飯、ちゃんと食べてるかな…」
泣きじゃくり、私にすがりつく正行の顔が頭をよぎる…。そんな自分がいて、正直、おどろいた。あんなことをされたのに、正行のことを心配している。
優しかった正行を、きらいになれない…。それに、マオを抱えてシングルになることもこわかった。 ※3
いつも過ごしているわが家で、夫のうらぎり行為が行われたかと思うと、がまんできませんね…。自分自身を守るため、佳奈子は娘を連れて、実家へと避難。ですが、一方で、すぐに離婚には踏み切れない、複雑な気持ちも抱えています。
本作では、夫の裏切り行為に、どのように向き合うべきか葛藤する妻の様子が描かれています。子どものために、再構築の道を選びますが、夫には誓約書を書かせます。
そして、佳奈子自身も自立するために、仕事を再開。母として、女性として、強くなろうとする姿に、勇気をもらえる作品です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










