ごく一般的な家庭で、夫・子ども達と一緒に幸せに暮らしていた露里朝(つゆりあさ)。とある日、警察が通報を受けたと露里家を訪れた。通報内容は「この家庭で虐待が行われている」というもの。全く持って身に覚えのない朝は、その状況にいら立ちを覚えて―――。
突如として訪れた警察官
それは、あまりにも突然に起きた恐怖でした。
警察「すみません。露里さんのご自宅でお間違いないですか」
朝「はい…」
警察「では貴方が、母親の露里朝さんでお間違いないですね?」
朝「はい、な、何でしょうか」
警察「児童相談所の方から通報がありました、匿名で連絡があったと」
「あなたがお子さんに虐待をしているということで」ー。
もし貴方が、身に覚えのない内容で通報されたら、どうしますかー?
私は露里朝と申します。夫と7歳になる娘・5歳の息子の4人家族で、ごく普通な家庭として幸せに暮らしていました。突然起きたその出来事は、そんな私にとって恐怖となり、消えない心の傷となりました。
身に覚えのない、私が子ども達に虐待しているという通報内容。どこかのご家庭と間違えているのではないかと疑うものでした。
そんな事実は一切ないことを伝えましたが、警察は調べなければいけないとの一点張り。3人の警察と一緒に来た児童相談所の方が、4人揃って私に圧をかけてくるのです。夫の居ない時間、その状況に抵抗することもできず4人の方達を自宅に通し、子ども達を呼んできました。長女のゆずは、突然来た大人達に驚きを隠せず強張った顔をしていました。
警察「まず、お子さんの体に異常がないか診させてもらいますね」
朝「え…」
問答無用。私の拒否の言葉などは聞かない様子でゆずの体をチェックする警察官。
警察「ごめんね」
顔、首、腕、足をチェックし終わった後、女性である児童相談所の方に上半身と下半身もチェックしていただくよう伝え、女性はゆずのワンピースをめくり、背中とお腹を確認していました。
女性「…特に痣などはないです」
チェックが終わると、ゆずは一目散に私のところに走ってきて抱きついてきました。私もゆずを強く抱きかかえ、思わず4人に鋭い視線を送ってしまいました。
息子のいつきは私から離れようとしなかったので、手をつないだまま、同じように警察の方と女性の方で身体チェックが行われました。
何故通報があったのか、その正体は?
ほぼ何の事情説明もなく、「問題はなさそうですね」とだけ言われ、そのあとは「旦那さんは何をされていらっしゃいますか?」や「保育園は行かせないんですか?」など、かなり個人的な質問を投げかけてこられました。淡々と答えたものの、内心は違和感と怒りとでいっぱいです。
「失礼しました」と、ほぼ何もなく帰ろうとされたので、何故、誰から通報があったのか聞くと「それはお伝えできません」とだけ言われました。
何の根拠もなく、一体誰が何の目的でそんないたずらじみたようなことをしたのか、考えたくはありませんでしたが、近所の方々を疑うほかありませんでした。
この日を境に、私は周囲の視線をより気にするようになり、子どもを叱るときは外ではせず家に帰ってから。そして大きな声を避けて諭すように…と、窮屈に感じる生活をおくるようになったのです…。
一体誰が、どうして?疑問は深まるばかりでした。
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あとがき:警察も児童相談所も仕事だと理解していても
朝に突然訪れた「虐待親」という通報とレッテル。本作では、朝を陥れた匿名人物との冷戦的闘いが描かれます。
警察や児童相談所の方はプロなので、話をしたり身体チェックをすれば虐待がないことは伝わると思いますがそのような立場の人達からいわれなく疑われるというのは、大変なストレスですよね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










