🔴【第1話から読む】「警察に通報がありました」家に警官と児相がやってきて混乱|ご近所さんに虐待通告されました
郷田宅に児童相談所の人が入っていくのを見てしまった朝は、再びモヤモヤした感情を抱えたまま過ごしていましたが、偶然にも朝のゴミ捨てをする際に郷田と鉢合わせしてしまいます。そして郷田から語られた真実に、朝は言葉を失って―――。
悪意による虐待通告をしたご近所さん
郷田「…あら、見られちゃってたの」
あっさりとそう言う郷田さんからの言葉が、一瞬理解できませんでした。その焦点の合っていない視線がより不気味さを掻き立て、いつもの穏やかで暖かい郷田さんの笑顔からは想像もできないような、淀んだ表情をされていたのです。
朝「え…?」
郷田「だから訪ねられたら困るって言ってたんだけどねぇ」
視線が合うことのなかった状態から、郷田さんはようやく私に焦点を合わせました。そして、唖然と立ち尽くし次の言葉を待つ私を少し嘲笑うかの表情を浮かべ、言ったのです。
郷田「私よ、あなたを通告したの」
聞きたくなかった言葉。全身から血の気が引いていくようでした。
朝「どうして、どうしてそんなことしたんですか…」
郷田「心配だったもの。ゆずちゃん達が」
朝「わたし、虐待なんてしてないですよね?」
郷田「人前や外でも平気で怒鳴りつけて。子どもには恥だと思う。よく泣き声も聞こえてくるし」
それはあながち、間違っていないのかもしれませんが、決してむやみやたらに叱っていたつもりはありません。外で怒鳴ることなどめったにないですし、叱る理由はていねいに説明していて、他人様にどうこういわれるような教育はしていません。
子ども同士の争いごとで外で大泣きすることはありますが、それを虐待と言われてしまったら、どのご家庭もそうだと思います。
私はあまりのことに言葉を失って反論できないまま、郷田さんの言葉をひたすら聞いていました。
どうしてそんな無理のある理由で?
なんとしてでも郷田さんの誤解を晴らしたかった私は、今日の昼に改めてお話しましょうということでお互い一度自宅に帰りました。ゴミ出しの途中でしたし、旦那も見送っていないし、子ども達の支度もまだ終わっていなかったからです。
そして朝の大仕事を終え、私は郷田さん宅を訪れました。インターホンを押し、そのスピーカーから郷田さんの迎えの言葉があった後、ドアがゆっくりと開きました。
郷田「どうぞ」
いつもよりも落ち着きすぎているそのトーン。初めて知る郷田さんの一面でした。リビングに案内され、ダイニングテーブルの席へ座るように言われました。郷田さんはお茶を出してくださったあと、私の正面に座りました。
郷田「朝の続きの話だけど。あの時は動揺して、最初に言わなければいけないことを言っていなかったわ。…まずは、ごめんなさい」
第一声がそれだったことに、私の心の糸は少し緩みました。改めて説教が始まるのかと思うと、私自身もいよいよ我慢が効かなくなりそうだったからです。
郷田「ゆずちゃんといつきくんのことは、本当に孫みたいに思っていて、単純にかわいそうだと思うことがあって」
朝「でもどうして、通告なんてしたんですか?私に直接言ってくれたらいいのに」
しばしの沈黙後、郷田さんは小さな声で言いました。
郷田「…私、あなたの家庭に嫉妬してたのよ」
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あとがき:ご近所さんから語られる「通告の理由」
通告者が一番信用していたご近所さんだったことにショックを受ける朝。郷田の述べる理由は正論な部分はありつつも、朝としては受け入れがたいものがありました。
話し合いの機会を作った2人は、通告の真実について話し合います。お互いの誤解が解け、関係性が保たれるとよいのですが…。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










