🔴【第1話から読む】"かけおち不倫"をした夫に、妊娠中の妻がもてなす「地獄のバースデー」
責任のなすりつけ合いを始めた2人を捨て置き、春香は絶縁を告げて去った。智也はすべてをうしない、借金返済に追われる日々へ…。春香はぶじに娘を出産し、心強い家族に囲まれながら、希望に満ちた新生活を歩み出す。
請求額にうろたえる2人
「な、何これ……90万!? ウソでしょ、智也くん、どうにかしてよ!」
女は、智也のウデにすがりつきますが、智也も自分の封筒の中身を見て、こおりついています。
そこには、離婚届と、莫大な慰謝料や養育費の請求額が記されていました。
「春香、待ってくれ!」
現実を突きつけられ、目がさめたのでしょうか…。智也は女のウデをふりほどき、私にすがりついてきました。
「離婚なんて……そんなの認めない! 俺はただ、魔が差しただけだ…!」
「魔が差して、2か月で9回も会うの? かけおちまでして? 笑わせないで」
私は、追い討ちをかけるように、不倫の証拠写真を2人の頭上にばらまきました。
自分勝手な主張ばかりで呆れてしまう
智也は、もう「逃げられない」と悟ったのか…突然、子どものように泣き出しました。
「そうだよ…出産だって、立ち会いが必要だろ?子どもの名前だって…父親である俺に決める権利が……」
その情けない姿を見て、不倫相手の女の顔が怒りに変わります。
「…はあ?立ち会い? 子ども? 私と結婚するって言ったじゃない! 全部、ウソだったの!?」
「…うるさい! 今は春香と話してるんだ! お前はだまってろ!」
「なんですって!? あんたが誘ったんじゃない! お金だって、あんたが払うって!」
2人の間で責任のなすりつけ合いが始まりました。
高級レストランの静寂は消え去り、周囲の客は、冷ややかな視線を送っています。
「……行きましょうか。もう私たちの役目は終わったわ」
私たちは、自分勝手な主張をくり返す2人を見限り、背を向けました。
「春香! 春香…そうだ…やり直そう!俺がわるかった!な?」
追いかけようとする智也を、義母がするどい一喝で止めました。
「恥を知りなさい!智也…あなたは今日、すべてをうしなったのよ。もう二度と私たちの前に顔を見せないで」
生まれたわが子にしあわせを誓う
外に出ると、夜風がとても心地よく感じられました。
「春香、大丈夫? おなか、張ってない?」
母が私の肩を抱き寄せ、心配そうに顔をのぞきこみました。
「うん。なんだか、すごくスッキリした気分。あんなに執着してたのがウソみたい」
「春香さん…春香さんは、強い"母"の顔をしていたわ。きっとこれからも、子どもを守っていける。私たちにとっても、春香さんは娘のようなものだよ。私たちのことも、いつでもたよっていいからね」
「お義母さん…ありがとうございます」
その後、智也は、義実家から勘当され、多額の慰謝料と養育費を支払うため、馬車馬のように働く日々を送っています。女とは、金銭トラブルですぐに破局したそうです。
私はぶじ、元気な女の子を出産しました。
「パパはいなくても、あなたには最強の味方がたくさんいるからね」
私は、おだやかに眠る娘の顔を見ながら、幸福な人生がスタートする予感に、胸が満ちていました。
🔴【第1話から読む】"かけおち不倫"をした夫に、妊娠中の妻がもてなす「地獄のバースデー」
あとがき:泥沼の先に見つけた、本当の光
「愛」や「運命」などと語っていても、金や責任がからめば、もろく崩れる「不倫」という実態。最後は、智也と女が、互いのみにくさを露呈させて自滅していくという、スカッとする結末でした。
あたらしい命と共に歩み出した、春香。過去のキズは簡単には癒えませんが、それを乗り越えた彼女は、一人の女性として、また、「母」としても、さらなる強さを手に入れました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










