🔴【第1話から読む】不倫相手に「独り身だから…」ウソをついて不貞をしていた夫|独身偽装不倫夫の末路
不倫決行前日、長男・和人が38.9度の高熱を出す。和人の苦しみを無視し、不倫に心を奪われてニヤつく夫の「父親失格」な態度で、さくらの離婚決意は決定的なものに…。
高熱のわが子に不安を抱く
翌朝(金曜日)、和人が熱を出した。
いつもなら朝から元気に「あーうー」と声を出すのに、今朝はぐったりとして、熱っぽい。体温計を脇に挟むと、ピピピという音と共に表示されたのは「38.9度」。かなりの高熱だ。
母乳を飲ませようとしても、すぐに口を離してしまう。私は抱きしめ、背中をさすり、ただただ早く熱が下がってくれることを祈った。
夫の態度が許せない
こんな状況なのに、何が許せないって、夫の実の態度だ。リビングで和人を抱きながら座っている私を横目に、夕方に帰宅した夫はスマホをいじり続けている。和人が泣くと一瞬だけこちらを見るものの、すぐに視線をスマホに戻す。
「今日は病院に行ってきたんだけど、まだ熱が高いみたい」
私が不安を口にしても、スマホから目を離さず
「まあそのうち下がるでしょ?俺明日はいないし、早く下がるといいな~」
そう言う夫の顔に目をやると、スマホを見てニヤニヤと笑っていた。その顔は、私の知っている夫の顔ではない。それは、独身のフリをして女と遊ぶことに胸を躍らせている、気味の悪い男の顔だった。
父親としても、ありえない
怒り、怒り、怒り―――。沸騰したような怒りが、私の血管を駆け巡る。
和人がこんな状態なのに、父親としての心配や責任感なんて微塵もない。彼の頭の中にあるのは、明日会うマイとの夜の想像だけ。和人の苦しみを無視して、そんなことでニヤニヤできる神経が信じられない。私にとって、不貞よりもこのことが離婚の決意を固くした。
「浮気したら別れる」は、私と実の約束だけど「子どもの病気を無視して不倫する」だなんて、そもそも父親と子の間の絶対的な裏切りだ。
夜、和人をなんとか寝かせて夫も寝入ったのを確認すると、私はクローゼットに隠しておいた小さな箱に手をかける。中にあるのはボイスレコーダーだ。昨日のメールを見てすぐに、翌日配送で注文しておき、昼間に受け取っておいた。
(これもう逃げられないね)
声に出さず、レコーダーに語りかける。それは私と夫、そしてレコーダーという「沈黙の証人」だけの秘密だ。私はレコーダーを、夫のデイバックの中に仕掛けた。最後に電池式のレコーダーがきちんと作動しているか確認し、そっとチャックを閉めた。
これで準備は整った。 明日、私は裏切りの証拠を手に入れるだろう―――。
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あとがき:「父親失格」が招く不可逆な決断
「浮気」は夫婦間の約束破りですが、「子どもの病気を無視して不倫にうつつを抜かす」行為は、さくらにとって許しがたい「父親と子の間の裏切り」でした。
これにより、さくらの離婚は感情論ではなく、和人を守るための正当な判断となります。用意されたボイスレコーダーは、さくらの復讐心を象徴する冷たい道具です。彼女は感情を排し、この機械に「裏切りの証拠」を記録させ、逃げ場のない状況を自ら作り出しました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










