🔴【第1話から読む】「俺にも非はあったけど、辞表叩きつけた」育休中に仕事辞めた夫|1400万円借金夫と離婚した話
壮太からの金の無心は続き、里美は子どもたちの学費や生活防衛のために貯めた450万円を吸い取られます。限界を迎えた里美に、壮太は、公庫の借金に加え、会社名義で秘密裏に400万円を追加で借りていたことを告白。計1400万円の借金を知り、里美は離婚を決意して―――。
度々お金の催促をされる
12月の30万円を皮切りに、壮太からの「お金の催促」は、まるで冬の嵐のようにわが家に吹き荒れました。彼はもはや「貸して」ではなく、「くれ」と言っているに等しかったのです。
最初は「入金遅れ」という言葉でしたが、すぐにその本性を現しました。
「友達への給料が払えない」
「次の仕事引き受けるのに、機材や材料代が足りない」
「クレジットの残高不足で、支払いが落ちなくて…」
そして極めつけは、「家のローンが払えない」という、私たちの生活基盤を揺るがす要求でした。もうこの問題は彼の事業だけではなく、私たち家族の生きる道に関わる問題になっていたのです。
大事な貯金も底を尽きる…
呆れて、怒る気力さえ失いました。彼が口を開くたびに、私の貯金が減っていく。その恐怖は、日々の育児の疲れを遥かに凌駕しました。
「壮太、これは私と子どもたちの将来のために貯めたお金だよ。あなたの会社に吸い取られてしまったら、子どもの未来はどうなるの?」
里帰り出産でいただいたご祝儀や、長年のパート代、子どもたちの学資保険のためにと、私が必死に貯めてきたお金。通算450万円。私の全財産と言ってもいい金額が、壮太の、底なし沼のような事業失敗によって、みるみるうちに吸い取られていったのです。
彼はいつも「すぐ返す」「今回は本当に大丈夫」と、根拠のない言葉を繰り返すばかり。まったく信用なりません。
年が明け、1月も半ば。私はついに限界を迎えました。りゅうとけんの寝顔を見ながら、このままでは、この子たちを守れない。そう強く感じたからです。
「壮太、もうこれ以上は無理。包み隠さず、全部状況を教えて」
私は壮太をリビングのテーブルに座らせ、私が彼に貸した金額を書き出したメモを叩きつけました。壮太は、まるで自分のことではないかのように、そのメモを見つめていました。
知らぬ間に膨れていた借金
「……分かったよ。話す」
彼は重い口を開きました。その内容は、私が想像していた最悪を遥かに超えていました。
「実は、10月には、もう運転資金が底をついてた」
「10月に?じゃあ、なんで私にトントンなんて言ったのよ」
「言えるわけないだろ!里美はもともと事業に反対してたんだから」
彼は一瞬逆上しましたが、すぐに私の剣幕に押し戻されました。
「だから、会社名義で、銀行から追加で400万、借り入れた」
「……は?」
言葉が出ませんでした。1000万円を使い果たした上に、会社名義でさらに400万円。しかも、それを私には一切報告せず、資金が底をついた10月には、すでに借り入れていたというのです。
「その400万ももうない。入金が遅いお客さんが多くて、その間のつなぎ資金として使ってたら、あっという間に……」
計1400万円の借金。そして、私個人の貯蓄450万円の喪失。
「もう……会社は畳む。もう無理だ」
壮太は、力なくそう言いました。彼の会社は、たったの半年で幕を閉じました。残ったのは、巨額の借金だけ。この男と一緒にいたら、私たち家族は、いつか本当に路頭に迷う。私は、この瞬間、離婚以外の選択肢はないと確信しました。
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あとがき:全財産の喪失と、最後の秘密
壮太の借金は、里美さんの貯金450万円という「生活防衛ライン」を食い破る、極めて卑劣な行為です。「家のローンが払えない」という要求は、もはや夫婦の基盤そのものを揺るがしています。
そして、最大の裏切りは、私的な借金に加えて、会社名義での400万円の追加借り入れを隠していたこと。この計1400万円の借金と、一切の反省がない夫の姿が、里美さんに「この子たちを守るには離婚しかない」という強い決意をもたらした瞬間でした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










