🔴【第1話から読む】夫が出社せず「行方不明」→警察からの電話で【地獄】に突き落とされた日|夫が痴漢で捕まりました
夫の逮捕後、佳奈さんは働きながら彼を支え続けますが、届いた“無心の手紙”で全てが崩れます。自己中心的な夫の本性を悟った佳奈さんは離婚を決意し、息子と二人で生きる覚悟を固めます。
支え続けた日々と、募る後悔
それから私は死に物狂いで働きました。結婚まで、コンビニやファミレスでのバイト経験しかない私には、パソコンを使った仕事はとても大変でした。仕事の合間にはせっせと文也の面会に行き、差し入れをする日々でした。
考えることは、いつも同じ。痴漢をしたのは、私のせいなのではないかということ。でき婚で、結婚と同時に出産。そのあとは育児に追われて、夫婦としての時間は持てなかったことは事実です。悔しいですが、あの刑事の言うように、不満を抱えさせたかもしれません。私もそこは懸念していました。
ですが、私は赤ちゃんをおなかの中で守り育て、出産し、昼夜なく世話に明け暮れていて、なかなか夫の思いに応えられるような心身の状態ではありませんでした。後悔の気持ちでいっぱいになりながら、いろいろなことに耐えました。これ見よがしのひそひそ話、義母の嫌味と離婚コール…。
文也からは「母さんの言ってることは無視して。俺が戻ったら、佳奈を守る」と言われていました。その言葉を信じて、私は厳しい毎日を過ごしました。
夫から届いた衝撃の手紙
ある日、玄関ポストに手紙が入っていることに気が付きました。見ると、文也からです。うれしくなり、急いで読むと、それはお金を無心する手紙でした。お金がないから届けてほしい、好きなものも買えず、みじめに暮らしていると。
「は?」
私や息子への謝罪もなく、自分の要求ばかり。なんだか私の心の中で、何かがプツッと切れる感じがしました。
私は死に物狂いで働きながらこの人を待っていて、幸せになんてなれるのだろうか?
完全に目を覚ました私の決断
正直「痴漢の常習犯」と聞いた時、離婚を考えなかったわけではなく、本当は引いていました。でも、佳文から父親を取り上げていいのか、引っ越してやり直せばいいのではないかと、ずっと堂々めぐりでした。
でも、この手紙を読んだ結果、それは間違った考えだとわかりました。こんな男を佳文の父親にしておく意味はない。こんな男と夫婦でいたくない。私は、佳文と2人で生きる覚悟を決めました。
私は彼に手紙を書きました。
「離婚しましょう。慰謝料はいりません」
文也は私の変わりっぷりに動揺していましたが、私の意志が変わらないことがわかるとあきらめたのか。離婚が決まりました。離婚成立までは少し時間がかかったのですが、それからは気持ちが楽になりました。
こんな悪夢のような日々から20年あまりが経った今、小さかった息子も立派に巣立ち、私はのんびり生きています。
今、夫のことで悩んでいる方には、ぜひ自分だけで抱え込まないでほしいです。話を聞いてもらうだけでも、きっと楽になるはず。あなたには幸せになる権利があるのだから、じっくり考えてくださいね。
【第1話から読む】夫が出社せず「行方不明」→警察からの電話で【地獄】に突き落とされた日|夫が痴漢で捕まりました
あとがき:離婚して取り戻した、自分の人生
佳奈さんは、夫の不祥事と義母の攻撃、世間の偏見に耐えながらも、息子を守るために立ち続けました。夫から届いた手紙は残酷でしたが、それは佳奈さんが“自分と子の人生”を取り戻すきっかけにもなりました。
20年を経て、彼女はようやく過去を語れる場所に立ちました。同じ境遇の方に寄り添える言葉を、ここに残してくれています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










