妊娠5か月で実家療養中のアンリは、献身的な夫・博也の携帯を盗み見る習慣がついていた。その夜、彼女はついに、彼が見知らぬ女性と「次のデートどうする?」とやり取りしている、決定的な予兆を発見する。
良い夫だと信じていた
私はアンリ、32歳。4歳の長男・みなと、同い年の夫、博也と暮らしているの。今は2人目を妊娠中で、つわりがひどくて大変です。夫は一見するとどこにでもいる、ごく普通のサラリーマン。優しいし、みなとの面倒もよく見てくれる、いわゆる「良き夫」「良き父」のカテゴリーに入ると思っていました。
私は今妊娠5か月。つわりがピークで、自宅から車で20分ほどのところにある実家で、母に甘えさせてもらっています。博也は平日、仕事が終わってから毎日顔を見に来てくれるし、週末は泊まり込んでくれます。
実家の両親にも気を遣ってくれるし、周囲から見たら、これ以上ないほど献身的な夫、そのものに見えたと思います。私もそう信じたかった…いや、信じようと努力していました。
夫が怪しい行動してから、消えない不安
でもね、実は一度だけ、博也が怪しい行動をとったことがあって。深夜に帰宅したときに赤い口紅がYシャツの内側についていたのです。問い詰めたら「会社の飲み会で酔った女性がいた」とかなんとか、苦し紛れの言いわけをしていましたが、私の心には小さな、無視できないトゲが刺さったままになりました。
それ以来、私は夫の携帯をちょくちょくチェックする癖がついてしまいました。もちろん、彼が寝静まった後に、こっそりと。
私だって、こんなことをするのは嫌です。夫を信頼していないみたいで自己嫌悪に陥るし、何より見たくないものを見てしまう恐怖があるから。でも、妊娠中の不安定な精神状態は厄介なもので、不安は巨大なモンスターみたいに心を蝕んでいくのです。
祈るようにスマホを確認する日々
ある休日の夜もそう。みなとを挟んで博也が寝息を立てている。スマホは枕元。手に取るまでの数秒間、心臓がバクバクとうるさくて、まるで窃盗犯にでもなった気分です。この行為は、私たちの信頼関係を壊す最後の行為かもしれない。そう思いながらも、私は冷たい画面に指を滑らせた。
「何もありませんように」
そんな淡い願いは、いつも一番最初に裏切られるもの。だって、もし何もなければ、私がこんなに不安になるはずがないのですから。この日、画面をアンロックした瞬間、小さな、決定的なメッセージのやり取りが目に入ってしまいました。
「次のデートはどうする?」
このメッセージこそ、穏やかな夫婦関係を崩壊させる、重いきっかけになってしまうのでした。
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あとがき:「良き夫」の仮面と妻の直感
妊娠中の不安定な精神は、時に鋭い直感を生みます。アンリが抱える「何かおかしい」という漠然とした不安は、博也が必死に繕う「良き夫」の仮面の下にある真実を見抜いていたのでしょう。自分を信じたい気持ちと、真実を見たくない恐怖が交錯する中、彼女が携帯に手を伸ばした瞬間、夫婦の信頼関係はすでに終わりを迎えていたのかもしれません。
この行為は、安心を求める試みではなく、不安の「裏付け」を探す、悲しい自衛行為だったと言えます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










