🔴【第1話から読む】「娘とは遊ばせないで」ママ友から、突然の絶縁宣言!明かされた”衝撃の理由”に絶句
沙良との関係に悩んだ末、咲希は結衣・ひより姉妹と「もう遊ばせない」と決断し、真帆に直接、その意思を伝えた。突然の拒絶に動揺しながらも、真帆は事実確認を行い、親として、娘たちと向き合い、謝罪する道を選ぶ。
謝るしかなかった夜
Ⓒママリ/画像の生成にAIを活用しています
玄関を閉めた後、私はしばらく動けなかった。
咲希さんの言葉が、何度も頭の中でくり返される。
「もう、うちの子と遊ばせたくないんですけど」
動揺する気持ちを何とか落ち着けながら、結衣とひよりを呼び、私はゆっくりと話を聞いた。勝手に遊びに加わったこと。靴のこと。そして、おかしのこと。
「……やっちゃった?」
そう聞くと、結衣は視線をふせ、小さくうなずいた。事実だったことに、胸がずしんと重くなる。
ただ、どこか腑に落ちない気持ちもあった。
子ども同士の、じゃれ合いの延長線のできごと。大人が線を引けば、済む話だったのではないか…と。
それでも、娘たちのしたことで、咲希さんや沙良ちゃんに、不快な思いをさせてしまったことは事実。親として、相手にも子どもにも、しっかりと向き合う責任がある。
私は娘たちを連れ、早苗さんと沙良ちゃんの家へと向かった。
「この度は、本当に申し訳ありませんでした」
深く頭を下げる。
結衣とひよりも、小さな声で「ごめんなさい」と言った。
異様な雰囲気に顔をこわばらせつつも「いいよ」と答えてくれた、沙良ちゃん。一方で、咲希さんは、静かにうなずくだけで、それ以上の言葉はなかった。
その反応に、咲希さんとの間に、埋められないミゾができてしまったことを、私は確信せざるを得なかった。
見えなかった傷──長女・結衣の心が閉じた理由
帰宅後、ひよりはあっさりと切り替えてケロッとしていたが、結衣はほとんど言葉を発することはなかった。
私自身、結衣は長女として、しっかり者のイメージがあったし、きっと、本人もそう思っていた。その中での今回のトラブルで、本人も相当ショックだったんだろうと思い、その夜はそっとすることにした。
しかし、数日経っても、結衣は同じような様子だった。心配して声をかけても「大丈夫」と答えるだけだった。
ある日の朝。普段なら自分で起きてリビングに来るはずの結衣が、起きて来ない。部屋に行くと、布団の中に入ったままだった。
「学校、行きたくない……」
布団の中から聞こえる結衣の声はかすれていた。
「どうしたの?」
「……もう、みんなと遊べない。みんな、私のこときらいになっちゃった」
結衣の泣きそうな声で告げられた弱音に、私は胸が締めつけられた。
あの謝罪が、結衣の中で「みんなからの拒絶」になってしまったことに、ようやく気づいた。
守るべき居場所─母として選んだ向き合い方
その夜、夫に打ち明けると、感情があふれた。
「謝ったけど……なんか違う気がする」
「子ども同士のことなのに、全部うちが悪いみたいで」
夫はだまって聞いてくれた。
「でも……」
少し考えてから、静かに言う。
「迷惑をかけて、不安にさせてしまったことは分かってる」
「謝罪はした。今できることは、結衣に寄り添うこと。本人も悪いと思った上でショックを受けてるから」
話していく内に見えてきた、今やらなければいけないこと。
それは、ショックを受けた結衣へのフォローだ。
私は、仕事の合間をぬって、結衣と2人で過ごす時間を増やした。一緒におかしを作り、他愛もない話をした。
「ママ、私、悪い子?」
「ちがうよ」
私は目を真っ直ぐに見て、答えた。
「まちがえることはあっても、悪い子じゃない」
くり返される自己否定的な問いかけに、私は何度も「ちがうよ」と答え続けた。
それから数日後。
「今度は、ママと一緒の時に公園に行こうか」
そう伝えると、結衣は少しだけ笑った──。
そして、ゆっくりと学校へ通うようになった。完全に元通りではない。でも、確かに前を向いている。
私は、心に誓った。
この子の居場所は、私が守る。たとえ、大人同士がすれちがっても──。
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「正しさ」が子どもを守るとは限らない
大人同士の問題は、大人の理屈で片づけられる。けれど、その余波を真正面から受けてしまうのは、いつも子どもだ。
謝罪は必要だった。それでも、そのできごとが、結衣の心に「拒絶された」という傷を残してしまった。
第4話では、母親としての正しさと、子どもの心を守ることの間でゆれる真帆の姿が描かれた。答えは一つではない。けれど、“寄り添うこと”だけは、まちがいなく、子どもを前に進ませる力になる。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










