1. トップ
  2. トレンド・イベント
  3. エンターテイメント
  4. 【残業代目当てでダラダラ作業】ヤバいパートが働き者に?→店長考案の驚くべき改革|残業代がほしい同僚

【残業代目当てでダラダラ作業】ヤバいパートが働き者に?→店長考案の驚くべき改革|残業代がほしい同僚

カフェのオープニングスタッフとして仕事を始めたはるこは、同じシフトで働く年上のおばさま方の働き方に不満を感じていました。というのも、残業代を欲しがってわざとダラダラ作業をするのです。すべてを知った店長は、なんとおばさん達対策である施策を発表します。『残業代がほしい同僚』最終話をごらんください。

🔴【第1話から読む】半年で本性が見え隠れする「パートさん」→いつも同じシフトにいる“厄介な2人”|残業代がほしい同僚

残業代のためにわざと作業時間を引き延ばしていた田中さん・山田さんの2人。2人の本性を知り怒った店長は、はるこ達との作戦会議の結果ある施策を打ち出すことにしたのでした。果たしてその効果は…?

店長が打ち出した施策に、みんなびっくり!

カフェ PIXTA

翌日。 朝の朝礼で、店長は1枚のプリントを全員に配りました。 そこには「業務改善及び昇給規定の変更について」と書かれていました。田中さんと山田さんは、また面倒なことが始まったわね、といった顔でプリントを眺めていました。 しかし、店長がその内容を読み上げ始めると、2人の表情は一変しました。

「えー、これからの閑散期に向けて、人件費の見直しを行います。つきましては、次回の昇給審査の基準を変更します」

店長は一呼吸置いて、はっきりと言いました。

「決められた時間内に、いかに効率よく業務を完了できたかを最重要評価項目とします。具体的には、残業時間が少ないスタッフから順に、昇給の対象とします。逆に、不必要な残業が多いと判断された場合は、能力不足とみなし、シフトの削減、あるいは契約更新の見直しも検討します」

シン、と店内が静まり返りました。 田中さんと山田さんの顔色が、見る見るうちに青ざめていくのがわかりました。

「残業すればするほどお金がもらえる」というシステムが、一夜にして「残業すればするほど評価が下がり、最悪クビになる」というシステムに逆転したのです。

「また」

店長は続けます。

「3人1組のシフトの場合も、連帯責任とはしません。個人の作業スピードを評価します。自分の担当が終わった人は、上長の許可を得て即時退勤してください。無意味に店舗に残ることは禁止します」

これは、私に対する救済措置でした。 もう2人の「偽りの親切」に付き合う必要はないのです。

その日から別人のように変わったおばさん達

パート 女性 カフェ PIXTA

「……て、店長。それはあまりに急では……」

山田さんがおずおずと声を上げました。

「急ではありませんよ」

店長はにっこりと、しかし目は全く笑わずに答えました。

「プロとして、時間内に仕事をするのは当たり前のことです。ベテランのお2人なら、当然できますよね?」

その言葉は、二人の逃げ道を完全に塞ぎました。

「仕事が大変だから時間がかかる」と言えば「能力不足」の烙印を押される。 かといって早く終わらせれば、今までのダラダラが嘘だったとバレる。 しかし、背に腹は代えられません。彼女たちにとって一番大事なのは、今の職を失わないことと、少しでも時給を上げることなのですから。

その日からの2人の豹変ぶりと言ったら、見ていて笑いがこみ上げてくるほどでした。あれほど丁寧に拭いていたテーブルは、ササッと手早く拭き上げられ、 あれほど時間をかけていた事務作業は、驚くべき集中力で片付けられていきました。

発注の電話も、「はい、お願いします。失礼します」と、わずか数十秒で終了。 私語なんて一言もありません。結果、その日の閉店作業は、定時より15分も早く完了してしまいました。

「はるこさん、お疲れ様でした! お先に失礼します!」

田中さんと山田さんは、逃げるようにタイムカードを切り、風のように去っていきました。残された私は、あまりの静けさに呆気にとられてしまいました。 今までの半年間は、一体なんだったのでしょうか。

「……ふふっ」

思わず笑いが漏れました。 時計を見るとまだ17時です。 窓の外は明るく、夕焼けが空を茜色に染め始めていました。

頑張る者は見られてるし、報われる

カフェ PIXTA

「お疲れ様です、はるこさん」

事務所から店長が出てきました。その顔には、安堵の色が浮かんでいます。

「すごい効果でしたね」
「はい、まるで魔法みたいです」
「いやあ、もっと早くこうすべきでした。はるこさんには、本当に長い間、辛い思いをさせてしまって申し訳なかったです」

店長は深々と頭を下げました。

「お2人の分まで、気を使ってフォローしてくれていたこと、ちゃんと分かっていますからね。昇給期待してくださいね」

その言葉を聞いた時、胸の奥につかえていた黒い塊が、スーッと溶けていくのを感じました。 お金のためではなく、自分の頑張りを誰かが見ていてくれた。認めてくれた。 その事実が、何よりの報酬でした。

帰り道、私はスーパーに寄りました。 いつもなら割引シールの貼られた惣菜しか残っていない時間ですが、今日はまだ新鮮な野菜や魚がたくさん並んでいます。

「今日は、手の込んだ料理でも作ろうかな」

カゴを片手に、私は自然と鼻歌を口ずさんでいました。

楽をして得をしようとしても、結局は自分の首を絞めることになる。真面目に、誠実に仕事に向き合うことが、一番の近道であり、一番心安らかなのだと。 夕焼けに染まる街並みを眺めながら、私は改めてそう実感しました。

明日もまた、コーヒーのいい香りに包まれて、忙しくも充実した一日が始まります。 でももう、あのどんよりとした曇り空はありません。 私の心は今、この夕空のように、晴れやかに澄み渡っています。

🔴【第1話から読む】半年で本性が見え隠れする「パートさん」→いつも同じシフトにいる“厄介な2人”|残業代がほしい同僚

あとがき:店長の機転でスカッと解決

店長の見事な采配で、店内の不平等感が一気に解消されましたね。おばさん達もちゃんと働くようになって、めでたしめでたしです。

このお話を通じて、自分たちだけで解決できないことは上司に相談する大切さが伝わってきます。職場の問題は自分だけで抱え込まず、周囲の人と対話しながら解決できるといいですね。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

🔴【全話読む】残業代がほしい同僚

🔴【今読まれています】尊敬する義母を助けたい思いが裏目に?“月数万円の援助”が招く家族の崩壊|お金をだまし取る義母

おすすめ記事

「小説」 についてもっと詳しく知る

本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

カテゴリー一覧