🔴【第1話から読む】借金残して蒸発した「悪魔」のような母→幸せな私に忍び寄る【最悪の再会】|別れた父と母の板挟みになった話
再会した母は、かつての派手さは消え、穏やかなおばあさんとなっていた。育児に限界を感じていたサツキは、謝罪し寄り添う母を拒みきれず、父に内緒で交流を始める。母の助けに救われる一方、背徳感に苛まれていく。
偶然、母と遭遇してしまった
母との再会は、偶然でした。スーパーのレジで並んでいる時、少し枯れた声が耳に飛び込んできたのです。
「サツキ……?」
そこにいたのは、派手だった面影は消え、どこにでもいる「おばあちゃん」のような姿の母でした。
母は、私の人生を一度めちゃくちゃにした人です。 離婚した後も、「会いに来た」と言っては家に入り込み、私がコツコツ貯めていた30万円の貯金箱を盗んでいきました。父が生活費として置いていた封筒も、いつの間にかなくなっていました。「お金を貸して」という電話。返ってくることのない嘘。それが母のイメージでした。
母親の涙に情が動いてしまった
「サツキ、あの時は本当に……」
俯く母の姿を見ても、私は冷ややかな気持ちでした。
「今さら何?お父さんがどれだけ苦労したか、わかってるの?」
そう言い捨てて立ち去るつもりでした。でも、その時、和人が母のスカートの裾を掴んだのです。
「だれ~?」
和人の無垢な瞳を見て、母の目から涙が溢れました。
「……一度だけでいいから、謝らせてほしいの」
そう言われて、つい連絡先を交換してしまったのが運命の分かれ道でした。
穏やかになった母につい頼ってしまう
母は今、子どものいない男性と再婚し、慎ましく暮らしているようでした。年齢を重ねたせいか、かつてのギャンブル狂の面影はなく、驚くほど穏やかになっていました。ちょうどそのころ、私は初めての育児に疲れ果て、軽度の育児ノイローゼ気味でした。夫のオサムは優しいけれど、仕事が忙しく、孤独な時間が長かったのです。
「サツキ、今日は私が和人を預かるから、少し寝なさい。夕飯も作っておくわ」
週に一度、母が家に来てくれるようになりました。母の手料理は、記憶の中にある味よりもずっと優しくて。和人も「ばあば、大好き!」と懐いています。
でも、母を頼れば頼るほど、私の心は黒い罪悪感に塗りつぶされていきました。
もし、あの父がこの事実を知ったら「裏切り者」と言うでしょう。父の怒鳴り声が脳裏に響き、私は夜、1人で震えることしかできませんでした―――。
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あとがき:許しと裏切りの間で揺れる孤独
かつて自分の貯金箱を盗んだ母を、育児の辛さから頼ってしまう。この矛盾は、決してサツキが弱いからではありません。誰にも頼れない「孤育て」の極限状態が、彼女を禁断の再会へと向かわせたのです。
手料理の温かさに涙する一方で、脳裏をよぎる父の怒鳴り声。救いであるはずの母の存在が、新たな罪悪感という猛毒を生んでいく過程に、同じ母親として胸が痛むエピソードです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










