🔴【第1話から読む】「彼を私にゆずって」届いた差出人不明の封筒。地獄の不倫劇の再燃
修羅場と化したリビング。由奈は手紙と証拠を突きつけ、「ゴミの処分に困っていたから差し上げる」と、美咲を一蹴。義両親にも絶縁された大和は、自業自得の末路を辿り…。
ついに、直接対決のとき
沈黙が流れるリビングで、私はカバンから一通の封筒を取り出しました。
それは、美咲が私に送ってきたあの手紙です。
「高橋美咲さん。ごていねいなお手紙、ありがとうございました」
私は努めて冷ややかに、ほほえんで見せました。
「"大和さんをゆずってほしい"とのことでしたね。ちょうど、私もゴミの処分に困っていたところなんです。どうぞ、差し上げます。熨斗(のし)をつけて差し上げたいくらいです」
「な、なに、なんなのよ……」
美咲が顔を真っ赤にして反論しようとしましたが、私は間髪入れずにタブレットを突きつけました。
「決定的証拠」を突きつけ…
そこには、2人が家に出入りするカメラの映像と、昨夜の生々しい会話の録音データが並んでいます。
「不貞行為の証拠です。大和の会社にも、この事実を報告します。もちろん、美咲さんには、慰謝料を請求しますし、大和には離婚と養育費、そして、この家からの即刻退去を求めます」
「由奈! 待ってくれ、これはちがうんだ! 彼女が勝手に……!」
「はあ?」
美咲は顔をしかめ、大和の顔を凝視しました。大和は、美咲の視線を押し除けるように義父の前にヒザをつき、泣きながら謝罪を始めました。
「父さん、ごめ…おれ…ちがう、本気じゃない」
しかし、義父はその肩を強く突き放しました。
「大和、お前、一度ならず、二度も…!由奈さんとミナをうら切って、あろうことか自宅に連れ込むとは……!親子の縁を切る覚悟はできているんだろうな!」
義母も冷たい視線を向けます。
「大和、もういいわ。あなたの言い訳は。由奈さん、あとの手続きは弁護士さんに任せましょう」
美咲は自分の立場がわるくなったことを悟ったのか、急によわよわしく泣きマネを始めましたが、千絵がそれを一喝しました。
「手紙まで送って挑発しておいて、今さら被害者ヅラ? 厚かましいにも程があるわよ!」
新しい人生の始まり
その後、話し合いはスムーズに進みました。
証拠が完璧だったため、2人は非を認めざるを得ませんでした。
大和は会社を辞めざるを得なくなり、多額の慰謝料と養育費を支払う公正証書にサインしました。美咲もまた、貯金をすべて吐き出すほどの慰謝料を支払い、逃げるように去っていきました。
千絵には、本当に感謝しています。千絵との友情は生涯続くでしょう。
数か月後…いま、私はミナと新しい街で暮らしています。
「ミナ、おさんぽに行こうか」
青空の下、ベビーカーを押しながら歩く私の心は、おどろくほど晴れやかです。
あの時、手紙を受け取った時は絶望しましたが、今は感謝すらしています。あの手紙がなければ、私はまだ偽りのしあわせに縋っていたかもしれないから…。
私は自分の足で、この子としあわせになる。
「さよなら、過去の私。こんにちは、新しい人生」
ミナのかがやくような笑顔を、胸いっぱいに受けながら、私にとって、本当にしあわせな人生が、これからスタートする予感がしました。
🔴【第1話から読む】「彼を私にゆずって」届いた差出人不明の封筒。地獄の不倫劇の再燃
あとがき:本当の幸せは、自分でつかみ取るもの
「熨斗(のし)をつけて差し上げます」という由奈のセリフは、最高のカタルシスです。
手紙で挑発してきた相手に、同じ「言葉」で、しかし、圧倒的な立場のちがいを見せつけて勝つ…。不倫相手への慰謝料だけでなく、夫を社会・家庭の両面から制裁する幕引きは、スカッとする結末となりました。
過去を清算し、娘とともに新しい空気を吸う由奈の姿は、困難に立ち向かうすべての女性へのエールとなっています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










