🔴【第1話から読む】中3娘の"友人トラブル"で「志望校変更」はあり?母の葛藤
見事、合格を勝ち取り、笑顔で高校生活を送る湊。かつての親友とも、適切な距離を保てるようになり、たくましく成長した。麻美は、あの時、「逃げの選択」をさせなかった自分を誇り、かつての自分のような、悩めるママ友を支え始める。
「自分のためにがんばる」娘の力強い発言
受験当日。湊は、第一志望の公立高校の門をくぐりました。
美奈子ちゃんも同じ会場にいたはずですが、湊は一度もふり返りませんでした。
「お母さん、行ってくるね。私、私のためにがんばるよ」
そう言って笑った娘の背中は、数か月前より、ずっと大きく見えました。
結果は…私立も公立も見事、合格。
湊の努力は、最高の結果として実を結びました。最後までなやんではいましたが、最後は、自分の意思で公立を選びました。
高校生活がスタート!
そして迎えた入学式。
里佳子が言っていたことは本当でした。広い講堂に集まった新入生たちは、だれもが期待と不安を胸にした、あたらしい顔ばかり。
美奈子ちゃんも同じ高校に入学していましたが、別のクラスになり、部活動もちがう道を選んだため、顔を合わせる機会すら、ほとんどなくなったそうです。
「お母さん、あたらしい友だちができたよ! 吹奏楽部の先輩もすごくやさしくて……」
毎日、楽しそうに高校生活を語る湊。
あんなにおびえていた美奈子ちゃんとの関係も、「あぁ、そんなこともあったね」と笑えるくらい、今の湊には、自分の世界が広がっています。
もし、あの時、湊の「志望校を下げたい」という言葉をうのみにして、「逃げの選択」をさせていたら…。今のような湊の笑顔は見られなかったかもしれません。
私は、里佳子にお礼のメールを送りました。
「里佳子、本当にありがとう。あの時、背中を押してくれたおかげで、湊は自分の足で立ち上がることができたよ」
里佳子からは、すぐに返信が来ました。
「よかったね。親ができるのは、選択肢を広げてあげることだけだから。最後に歩くのは、子ども自身だもの。お互い、これからも見守っていきましょう!」
将来は自分のために選ぶもの
後日、湊が教えてくれました。
「今日ね、美奈子ちゃんに声かけらたの。"湊ちゃん、たのしそうだね"って。美奈子ちゃん、高校に入ってから、"中学の時より楽しくない"って言ってたよ」
私は、湊の話を聞きながら、美奈子ちゃんの両親にも心をはせました。子どもが学校生活を満喫できていないというのは、親としてつらいものです。
「そっか…あたらしい環境になじむのに苦労してるのかな…」
「うん…美奈子ちゃんなりに、たのしみ方が見つかるといいね」
人間関係のトラブルは、時に人を成長させる糧になる。それにのみ込まれて、自分の未来をすてる必要はない。
今、私は、子どもの受験を控えたママ友に、里佳子がしてくれたように寄り添っています。
「高校は通過点だよ。他人のために選ぶんじゃなくて、自分のためにえらんでほしい。困ったら、先生に納得いくまで相談してみて」
湊が教えてくれた勇気と、里佳子がくれた知恵。
「受験」という大きなカベを乗りこえて、私たち親子は、少しだけ強くなれた気がします。
「いってきます!」
「いってらっしゃい、湊」
その背中には、もう迷いはありません。
広い世界へ、自分の意志でふみ出していく娘…。私はこれからもずっと応援しつづけようと思います。
🔴【第1話から読む】中3娘の"友人トラブル"で「志望校変更」はあり?母の葛藤
あとがき:桜の季節、母娘が手に入れた「強さ」
ぶじに幕を閉じた湊の受験物語。あの時、親子で悩み抜いた日々があったからこそ、今、湊が見ている景色は、より輝いて見えるはずです。
かつてのトラブル相手である美奈子ちゃんへの「たのしみ方が見つかるといいね」という言葉には、湊の精神的な自立が表れています。受験は学力だけでなく、心の強さを育む試練でもありました。一歩、引いて見守る覚悟を決めた麻美の成長もまた、一つの「合格」と言えるのではないでしょうか。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










