©︎ママリ
🔴【第1話から読む】逃げられない30分の説教。自治会長の「育児論」が、平穏な主婦の日常を壊す
信也は「警察」「コンプライアンス」という言葉を交え、美代子の行為が「侵害」であることを、理路整然と告げる。ぐうの音も出ない美代子はついに…。
夫が毅然とした態度で向き合う
Ⓒママリ/画像の生成にAIを活用しています
「美代子さん。先日からのお申し出ですが、娘をあずけるつもりはありません」
信也は、はっきりと言い切りました。
「…あらあ? でも、聡子さんは一人で大変そうだし……」
「大変かどうかを決めるのは、私たち家族です。それに、人見知りがはげしい時期の子どもを、同意もなく、他人がムリやり母親から引きはなすのは、教育でも親切でもありません。ただ、恐怖をうえつける行為です」
美代子さんは絶句しました。
「恐怖」という、つよい言葉を使われるとは、思っていなかったのでしょう。
すべてをきちんと伝えてくれた夫
Ⓒママリ/画像の生成にAIを活用しています
「いやあ…そんな大げさな…。私はよかれと思って」
「その、よかれと思ってが、妻を追い詰めています。お風呂の外から声をかけるのも、プライバシーの侵害です。警察に相談するレベルのことですよ? 自治会長をされている美代子さんなら、そのあたりのコンプライアンスは、よく、ご存知ですよね?」
「警察」という言葉に、美代子さんの顔がサッと青ざめました。
地域の顔である彼女にとって、世間体は何よりも大事なはずです。
「それに」と、信也は続けました。
「車にエンジンをかけて冷やしているのは、娘の命を守るためです。それなのに、"虐待" 呼ばわりされるのは、親として、到底、受け入れられません。今後、同意なく娘にふれたり、ムリなあずかりの提案をしたりするのは、控えていただけますか。私たちは、私たちの責任で娘を育てていますから」
美代子さんはパクパクと口を動かしましたが、信也のあまりの正論に、
「そうね……ええ?……そこまで言われるとは……」
と、力なくつぶやくしかありませんでした。
「では、失礼します。いつも地域のために動いてくださっていることには、感謝しています。これからも、程よい距離でお付き合いいただければさいわいです」
信也は頭を下げると、運転席に乗り込みました。
わが子の寝顔に安堵する
それから数か月。 美代子さんが玄関に出てくることは激減しました。
たまに会っても「こんにちは」と、あいさつを交わすだけ。寂しそうな顔をすることもありますが、彼女は彼女で、自分の生活を見つめ直しているようです。
(ごめんね、美代子さん。でも、これで良かったんだ)
私は心の中でつぶやきました。
今、私のウデの中で、りんは安心して眠っています。
誰にもじゃまされない、静かな家族の時間…。私たちは、自分たちの手で、この平穏を取り戻したのです。
「ありがとう、信也くん」
トナリで、一緒にりんの寝顔を見ていた夫にほほえむと、彼は「当然だよ」と、たのもしく笑い返してくれました。
🔴【第1話から読む】逃げられない30分の説教。自治会長の「育児論」が、平穏な主婦の日常を壊す
あとがき:自分たちの手で守った「聖域」
これまでのモヤモヤを一掃する、見事な結末でした!
「警察」や「世間体」という、自治会長である美代子の急所を突いた信也の戦略は、痛快なものでした。
また、相手を完全に排除するのではなく「程よい距離」を提示したことで、この先も住み続けるための、現実的な着地点を見出しています。
他人の干渉をはねのけ、自分たちの育児に自信を取り戻した聡子…。おだやかな生活が戻って、本当によかったですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










