🔴【1話から読む】不倫?純愛?子連れ再会で見せつけられた友人たちの“狂った距離感”
奈緒は、里奈と拓也に本気で向き合い、「筋を通して」と強く訴えた。2人は「軽率だった」と認め、きちんと考えることを約束する。
友人たちからの「呼び出し」
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あれから、しばらく連絡はなかった。里奈からも、拓也からも。静かすぎて、逆にこわかった。
──私が余計なことをしたせいで、全部、こわれたかもしれない。
そんな考えがよぎるたび、胸がおもくなった。
ある日、里奈からメッセージが届いた。
「奈緒、今度ご飯行ける?」
短い一文。絵文字もない。私は少しまよってから、「いいよ」とだけ返した。
当日、指定された店に入ると、そこにいたのは里奈と拓也だった。
おもい空気の中、どこか覚悟を決めたような静けさがあった。まず口を開いたのは、拓也だった。
「奈緒…この前はありがとう。俺たち、ちゃんと話したんだ」
すると、里奈が続けて話し出した。
「中途半端なまま続けるのはちがうって…だから──」
緊張が高まり、私はゴクリとつばを飲んだ。
「お互い、離婚してから向き合うことにした」
「順番だけは、まちがえない」
言葉が、ゆっくりと落ちてくる。
私はすぐには反応できなかった。落ちてきた言葉を咀嚼(そしゃく)して、少しずつ飲み込む。そして、2人の表情を見ながら、ゆっくりと言葉を選んだ。
「……本気なんだね」
自分でもおどろくほど、静かな声だった。里奈はうなずく。
「逃げ道にしない。ちゃんと一人になってからにするって決めた」
続けて、拓也も言う。
「順番だけは、まちがえない」
その言葉に、私は少しだけ肩の力を抜いた。肯定も否定も、私にはできない。でも──
「分かった。ただ、子どもたちのことを最優先で考えてほしい。感情だけで突っ走らないで。大人として責任はちゃんと取って」
私の言葉に、2人は同時にうなずいた。2人の間に、以前のような高揚感はなかった。むしろ、おもたい覚悟。それがテーブル越しに伝わってきた。
うしなったものと、それでも残るもの
それから数か月。里奈は夫と離婚した。修羅場もあったらしい。でも、最終的には話し合いで決着がついたという。
拓也はいま離婚調停中だ。子どもの親権や養育費。簡単ではない現実と向き合っている。2人は、以前のように頻繁(ひんぱん)には会っていないらしい。
「今は、それぞれのことをちゃんとおわらせる時期だから」
里奈はそう言った。あのころの、うわついた声ではない。
最近では、公園で会うこともほとんどなくなってしまった。子ども同士の距離も、自然と変わったのだ。
うしなったものは、きっと小さくない。それでも──
「後悔はしてない」
里奈はそう言った。私は、うなずくだけだった。
正しかったのかどうかは、きっとだれにもわからない。でも、あのままかくれて続けるよりは、ずっと誠実だと思った。
肯定もしない。否定もしない。友人として、できるのはそれだけ。大きな決断をした2人を、私はただ静かに見守る。
人を好きになることは時として、簡単には止められない。でも、どう向き合うかは選べる。
その選択のおもさを、きっと2人はこれから何度もかみしめるのだろう。
私は夜の窓の外を見ながら、静かに思った。だれかの人生を裁くほど、私は強くもなければえらくもない。でもせめて、道だけは見うしなわない人でありたい。
道を逸れそうになった親友たちとの関わりを通じて、私はそう思った。
そして、今はただ、2人の親友の選択が、あかるい将来につながることを祈るばかりだ。
🔴【1話から読む】不倫?純愛?子連れ再会で見せつけられた友人たちの“狂った距離感”
あとがき:答えのない選択、それでも選ぶということ
「不倫」という関係に、明確な正解はありません。傷つく人がいる現実も止められない感情も、どちらも本物です。
この物語では、「かくれ続ける」ことをやめ、「順番を守る」という選択が描かれました。それは決してかるい道ではなく、多くをうしなう決断でもあります。
それでも、自分の選択に責任を持つこと。そして、友人として筋を通そうとすること。
だれかの人生を裁くことはできなくても、自分の立ち位置を選ぶことはできるのかもしれません。それぞれの未来が、少しでも誠実なものであることを願って──。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。










