1. トップ
  2. トレンド・イベント
  3. ブログ・SNS
  4. 「先生失格って思われる」届いた悲痛なLINE。尊敬の言葉さえ届かない心の壁|職業を隠す友人

「先生失格って思われる」届いた悲痛なLINE。尊敬の言葉さえ届かない心の壁|職業を隠す友人

15年ぶりに再会した中学時代の親友・美紀。充実した育児を語り合う二人でしたが、仕事の話題になると美紀はなぜか言葉を濁します。後日、偶然明かされた彼女の職業は「幼稚園教諭」。プロゆえのプレッシャーと「完璧な母」を求める周囲の視線に、彼女は悲鳴を上げていたのです。良かれと思った励ましさえ親友を追い詰め、生じた深い溝。職業という鎧を脱ぎ捨て、二人が本当の絆を取り戻すまでの葛藤を描く再生の物語。「職業を隠す友人」第三話をごらんください。

🔴【第1話から読む】再会の違和感。「仕事は…まあ、適当に」15年ぶりの親友。笑顔の裏で濁された"不自然な空白"

美紀から届いた悲痛な告白。それは「プロの先生」という世間の目に怯え、母親としての自分を否定される恐怖だった。励まそうと送った「立派な仕事」という秋穂の称賛は、皮肉にも美紀をさらに追い詰めてしまう。

親友から送られてきた本音

スマホ 女性 PIXTA

メッセージを送ってから、丸一日。スマートフォンの通知が鳴るたびに心臓が跳ね上がりましたが、美紀からの返信は一向に届きませんでした。

「言い過ぎたかな」「もう絶交かもしれない」

そんな不安がピークに達した翌日の深夜、画面に長い文章が表示されました。

『秋穂、昨日はごめん。嘘ついてて本当にごめん。
幼稚園教諭だなんて、どうしても言いたくなかったの。
だってさ、今日みたいに陸が店で走り回ってたり、わがまま言ったりする時、周りから「あそこのお母さん、幼稚園の先生なのに自分の子も躾けられないの?」って思われるのが怖いの。
「プロの先生なんだから、子どもの扱いなんてお手の物でしょ?」っていう視線が、どこへ行ってもついて回る気がして。特に地元だと、どこで保護者に会うか分からないし。
誠もあんな風にバカにするし……。「プロの先生より、子だくさんのママの方がよっぽど育児に慣れててちゃんとしてる」なんて比較されるのも嫌。だから、職種を隠して事務だってことにしたかった。誰からも期待されたくなかった。期待されるのが、怖かったんだよ』

スマートフォンの画面越しに、美紀の震える声と涙が伝わってくるようでした。

親友に伝えたかったこと

スマホ 女性 PIXTA

私は胸が締め付けられる思いで、すぐに返信の文字を打ちました。彼女の孤独を救いたい、その一心でした。
『そんなこと、絶対に思わないよ!
幼稚園教諭なんて、本当に立派な仕事だと思う。毎日あんなにたくさんの子どもたちの命を預かって、成長を支えて……私には絶対に真似できない。実際、ゆりのが幼稚園にお世話になってるから、先生たちには感謝しかないし、毎日ニコニコ接してくれる先生たちは超人だと思ってるよ。
美紀も本当によく頑張ってる。仕事で全力を出し切ってるんだから、自分の子の前で疲れるのは当たり前だよ。美紀は立派な先生だし、立派なお母さんだよ! 自信を持って!』

私は、精一杯の「正論」と「称賛」を詰め込みました。自分の子と仕事は別物であること、彼女の職業がいかに尊いかということ。それを伝えれば、彼女の心は晴れると信じて疑わなかったのです。

心から褒めたつもりだったのに…

スマホ 後悔 PIXTA

けれど、数分後に届いた美紀からの返信は、私の予想を裏切るほど冷え切ったものでした。

『ありがとう。でも、私にはその「立派」っていう言葉すら、今の私にはプレッシャーなんだ。
「先生なんだから立派でいなきゃいけない」って、また首を絞められてるみたい。ごめん、今は誰とも話したくない。少し休むね』

それきり、連絡は途絶えてしまいました。

良かれと思ってかけた言葉が、かえって彼女を追い詰めてしまった。私の放った「称賛」という名の矢が、彼女の傷口を深く抉ってしまったことに、私は暗い部屋で一人、激しい後悔に襲われていました。

🔴【続きを読む】「先生は神様じゃない」元幼稚園教諭の母に相談。見えてきた"隠されたプレッシャー"

あとがき:善意という名の「刃」

良かれと思ってかけた言葉が、相手の心を深く抉ってしまう……そんなコミュニケーションの難しさを描いています。「立派だ」という言葉は、受け取る側の余裕がない時には、さらなる高みを強いるプレッシャーにしかなりません。秋穂の正論が、美紀にとっては脱ぎ捨てたい「鎧」をさらに重く固定する釘になってしまった悲劇。相手を救いたいという純粋な善意が、かえって孤独を深めてしまうもどかしさが痛切に響きます

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

🔴【全話読む】職業を隠す友人

🔴【今読まれています】【手土産格差】私はデパ地下、ママ友は手ぶら。これって普通?|お金にルーズなママ友

おすすめ記事

「小説」 についてもっと詳しく知る

本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

カテゴリー一覧

ブログ・SNSの人気記事