33歳の冴香は、活発な3歳の息子・壮一を育てる穏やかな日々を送っていた。しかし、仲良しのママ友・由美子から「そうちゃん、私には無理だわ」と衝撃の告白をされる。無遠慮な言葉が、冴香の胸に深く突き刺さる。
「無理だわ」ママ友から言われた耳を疑う言葉
「ねえ、冴香さん。私、やっぱりそうちゃん無理だわー」
昼下がりの公園、ベンチでカフェラテを飲んでいた私の耳に、そんな言葉が飛び込んできました。声の主は、ここ半年ほど家族ぐるみで仲良くしているママ友の由美子ちゃんです。
私は一瞬、自分の耳を疑いました。
「えっ……? 無理って、何が?」
「いや、言葉の通り。もし私がそうちゃんの親だったら、絶対育てられないなって思っちゃって。悪い意味じゃないんだけど、本当に無理なの」
由美子ちゃんは悪びれる様子もなく、ストローをくわえながら笑っています。
わが子は体力オバケの元気な男の子
私は33歳の冴香。夫のハジメと、3歳になる息子の壮一の3人暮らしです。私はもともと、誰に対しても波風を立てたくない平和主義な性格。壮一は典型的な男の子で、とにかく活発。乱暴なことはしませんが、じっとしているのが苦手で、公園に行けば縦横無尽に駆け回る、体力の塊のような子です。
対する由美子ちゃんの娘、望ちゃんも3歳。彼女は体が大きく、普段は大人しく一人遊びをするタイプ。でも、私から見れば、自分の思い通りにいかないとすぐにひっくり返って泣き叫ぶ、かなりのかんしゃく持ちという印象でした。
「そうかな。男の子だから、元気が一番だと思ってるんだけど」
精一杯の苦笑いで返しましたが、心臓がチクリと痛みました。
私の宝物を簡単に否定したママ友
実は、この「無理」という言葉を投げかけられるようになったのは、ここ1か月半ほどのこと。最初は冗談だと思って受け流していましたが、会うたびに、しかもだんだんとトーンが強まってきているのです。
「だって、あんなに走り回って……。見てるだけで疲れちゃう。望は手がかからないから助かってるけど、あんなに動く子が自分の子だったら、私、ノイローゼになっちゃうかも!」
由美子ちゃんは「私って正直でしょ?」と言わんばかりの顔でこちらを見ています。人には相性がある。それは分かります。私も、もし望ちゃんが自分の子だったら、あの激しいかんしゃくに毎日付き合うのは正直しんどいな、と思うことはあります。でも、それを親である彼女の前で口に出したことなんて、ただの一度もありません。
それがマナーだし、何より相手の宝物を否定するようなことは、絶対にしてはいけない。そう思っていた私にとって、彼女の言葉はあまりにも無遠慮で、鋭いトゲのように胸に刺さったのでした。
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あとがき:沈黙はマナーか、それとも弱さか
育児スタイルや子どもの特性は家庭それぞれ。だからこそ、親同士の会話には「踏み込んではいけない境界線」があるはずです。由美子ちゃんの放った「無理」という言葉は、その境界線を土足で踏み荒らすものでした。波風を立てたくない冴香の葛藤は、多くのママが経験する「友人関係の歪み」の始まりを描いています。相手の宝物を否定されたとき、私たちはどう振る舞うべきなのか。静かな怒りが募る幕開けです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










