🔴【第1話から読む】餌食になった新入社員!付き合った相手は既婚の上司
由美子から事実を知った森永によって不倫を糾弾された男性社員・田中と不倫相手・春奈。二人は会社に傷跡を残しそれぞれ去ることになったようで…。
不倫カップルへの当然の仕打ち
森永さんの決断は、感情に流されることのない、冷徹かつ完璧なプロフェッショナルのそれでした。
彼女の会社は、我が社との契約を即座に打ち切りました。「公私混同が甚だしく、不実な社員を『エース』と呼び放置している企業とは、長期的な信頼関係を築くことは不可能である」という通告は、業界内にも瞬く間に広まり、我が社の評判は地に落ちました。
営業部のエースという肩書きで守られていた田中さんは、一転して会社に甚大な損失を与えた「戦犯」となりました。さらに、社内で不倫を自慢していたという事実が、森永さんの周到な調査によってすべて明確に証拠化され、言い逃れの余地はありませんでした。部長がなあなあにしていても、彼よりさらに上層部は許しはしなかったようです。
田中さんは即座に地方の閑散とした支所への配属が決まり、事実上の解雇に近い降格と、大幅な減給処分を受けました。もちろん、森永さんからは離婚を突きつけられ、多額の慰謝料と資産の大部分を失ったそうです。
一方、春奈さんもまた、地獄を見ることになりました。
彼女は森永さんから正式な手順で不貞行為による慰謝料を請求されました。二十代の若手社員に、そんな大金を支払う能力はありません。
さらに、田中さんが裏で彼女を「迷惑な後輩」として妻に報告していた事実を知った彼女は、精神的に完全に崩壊してしまいました。結局、彼女は責任を取る形で退職を余儀なくされ、慰謝料の支払いのために夜の世界へ転職したと風の噂で聞きました。
退職の日、春奈さんはオフィスの全社員のデスクを一つ一つ回り、深く頭を下げていました。
「皆様、本当に申し訳ありませんでした。私の軽率な行動が、皆様のこれまで築き上げてきた信頼を壊してしまいました。心からお詫び申し上げます」
その瞳からはかつての輝きが消え、まるで魂が抜けたような、痛々しいほど虚ろな表情でした。彼女は確かに道を踏み外しましたが、不倫という過ちを除けば、本当に明るく、人に好かれる才能のある子だったのです。
田中さんのような軽薄な男に「アクセサリー」として消費され、最後にはすべてを失う。その結末が自業自得だとしても、私には、やりきれない空しさが残りました。
逆恨みにも屈しない
田中さんが段ボール一箱の荷物をまとめて部署を去る際、彼は私の方をじろりと睨みつけてきました。
その目には「お前があの日、森永に余計なことを言わなければ……」という逆恨みの色が濃厚に浮かんでいましたが、今の彼には、私を罵倒する気力さえ残っていないようでした。彼は自分が社内で吹聴していた「自慢話」が、まさか本妻の耳に届く最短の導火線になるとは、最後まで想像もしていなかったのでしょう。
静かになったオフィスで、私は自分の仕事に戻りました。
道理に反することは、いつか必ず自分に返ってくる。そして、他人を自分の欲求を満たすための「道具」のように扱う者は、最後には誰からも相手にされなくなる。その冷酷なまでの因果応報を、私は一生忘れることはないでしょう。
窓の外には、あの日と同じ穏やかな日差しが降り注いでいました。
しかし、私の心の中には、激しい嵐が吹き抜けた後のような、静かで、しかしどこか虚しい、奇妙に澄み渡った静寂が広がっていました。もう二度と、あの春奈さんの明るい笑い声がこのオフィスに響くことはないのだと思うと、ペンを持つ手が、わずかに震えました。
「……さて、仕事に戻ろう」
私は独り言をつぶやき、新しく担当することになった顧客の資料を広げました。今度は、誰かの犠牲の上に成り立つ成果ではなく、私自身の誠実な仕事で、信頼を築いていくつもりです。
あとがき:結局悪いのは不倫という行い
最後の最後で振る舞いに差の出てしまった田中と春奈でしたが、そもそも不倫で場を引っ掻き回したこと自体が罪ですからね。このままいい空気に戻っていくことを祈るばかりです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










