🔴【第1話から読む】仕送り2万円は当たり前?夫の口座から毎月消えるお金
将来への不安を抱える紗枝は、ついに夫・衛に仕送り停止を直談判する。親孝行を盾にする夫に対し、実家との格差や自分の精神的限界を涙ながらに告白。妻の切実な訴えに、ようやく夫も事の重大さに気づき始める。
夫に仕送りについて改めて相談
「衛さん、ちょっと真面目な話があるの。座ってくれる?」
ある日の夜、空を寝かしつけた後、私はリビングで衛を待ち構えていました。テレビを消し、スマホを置かせ、向き合います。
「なんだよ、改まって。怖いなあ」
おどける衛ですが、私の真剣な表情に少しずつ顔を引き締めました。
「お義母さんへの仕送りのこと。……やっぱり、もう続けられないと思う」
衛の顔から表情が消えました。
「……またその話? 前に納得したじゃん。お袋、一人なんだよ? 息子として少しでも楽にさせてやりたいって思うの、そんなにいけないことか?」
「いけないことじゃないよ。親孝行したい気持ちは立派だと思う。でもね、それは『自分たちに余裕があるとき』にやるべきことじゃないの?」
仕送りを辞めるのは、義母と仲良くしたいから
私は一気に言葉を続けました。
「私たちの今の貯金額、知ってる? 空の教育資金、このペースじゃ目標に届かないよ。私の両親はね、定年後も自分たちのことは自分たちでやって、空のためにお金を貯めておきなさいって言ってくれる。お祝いもたくさんくれた。でもお義母さんは? 結婚式の費用も、着付け代も、全部私たち持ち。祝儀もなし。出産祝いもなし。それでいて毎月の仕送りはお礼もなしに受け取って、趣味に明け暮れてる。これ、おかしいと思わない?」
「それは……お袋、そういうの疎いっていうか、悪気はないんだよ。甘えてるだけだって」
「その『甘え』のせいで、私がどれだけストレスを感じてるか、考えたことある? 抱っこひもをもらった時も、素直に喜べなかった。だって、私たちが送ったお金で買ったんだなって思っちゃったから。そんな風に思う自分が嫌なの。お義母さんのことを嫌いになりたくないの」
私の声が少し震えました。ただ不満をぶつけたいわけじゃない。このままでは、義家族との関係が修復不能なほど壊れてしまうという恐怖があるのです。
わが子の将来を一番に。夫の心をようやく動かすことができた
「空の将来を一番に考えたいの。あの2万円を貯金に回せば、将来の選択肢が広がる。お義母さんはまだ若くて働けてる。本当に助けが必要になった時はもちろん助ける。でも、今はその時じゃないはずだよ」
衛は黙り込みました。彼は優しい人です。だからこそ、母親の苦労も、そして妻である私の切実な訴えも、無視はできないはずでした。
「……紗枝がそこまで追い詰められてるって、気づかなかった。ごめん」
衛がようやく口を開きました。
「お袋と、ちゃんと話してみるよ。仕送りのこと、今後のこと。このままじゃ紗枝が壊れちゃうもんな」
その言葉に、私はようやく深く息を吐き出すことができました。でも、本当の戦いはここからでした。義母がすんなりと「はい、そうですか」と言うはずがないことは、これまでの付き合いで分かっていたからです。
あとがき:話し合いは、決別の儀式ではなく再生への一歩
波風を立てたくなくて飲み込んできた本音を、爆発させるのではなく「理論と感情」の両面から伝えた紗枝の勇気に拍手を送りたくなります。夫の「悪気はない」という言葉がいかに妻を追い詰めるか、そして「今の自分たちの家族」を最優先にする責任がどこにあるのか。夫婦が本当の意味で向き合い、共闘体制を築き始める重要な転換点となりました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










