画面には、「今週末、良かったら実際に会えませんか?おいしいイタリアンのお店を知ってるんです」という、達也からの誘いがありました。
「いいよ、乗ろう!場所はどこ?」
「駅前の、あたらしくできた商業ビルのカフェテラスだって。あそこ、見通しがいいから逃げ場ないね」
実家の両親には、「ちょっと真奈美とランチしてくる」と伝え、当日の準備を進めました。
「パパにお灸を据えに行ってくるからね」
私は、おなかをなでながら話しかけました。
この時点でも、私は離婚までは考えていませんでした。
でも、このまま見過ごせば…彼は、いつか本当に取り返しのつかない一線を越える。今のうちに、私のおそろしさと「浮気」の代償を、骨の髄までたたき込む必要があるのです。
「真奈美、当日は予定どおり、あなたが先に待ち合わせ場所に行って。私は少しはなれたところで待機してる」
「了解!マイク、オンにしておいてね。全部、録音するから」 ※1
妻とその親友とは知らずに…
優香の里帰り出産中、夫はマッチングアプリで「恋人募集」をしていることが発覚。たまたま、同じアプリに登録していた親友・真奈美が発見したのです。
その後、優香は「絶対に許さない」と心に決め、真奈美とともに夫を徹底的に追い詰めます。すると、妻の親友とは気づかず、食事の誘いをしてきたのです。しかも、優香には「休日出勤」と偽り…。
夫が指定した店は、見晴らしのいいところ。優香も同じ店に向かい、少し離れた席にスタンバイします。すると、意気揚々とした夫があらわれます。
一目で「妻の親友」とわかった夫は…
「あら、達也さん!どうしたの?今日は"休日出勤"なんだって?」
真奈美が冷ややかな笑みをうかべて問い詰めます。
「い、いや、これは、その……仕事のうち合わせで……」
「仕事のうち合わせを、マッチングアプリでマッチした"ミキさん"とするの?すごい会社だねー」
達也は金魚のように口をパクパクさせて、かたまっています。
「え、ちょ…ミキさんて…え、まさか…」
そこへ、私はゆっくりと背後から近づきました。
「お仕事、おつかれさま。達〜也〜さ〜ん」
私が声をかけると、達也は「ひっ!」と短い悲鳴を上げてふり返りました。
目を見開き、アゴが外れんばかりにおどろき、絶望に染まったその表情を、私は一生忘れないでしょう。 ※2
夫は、妻の親友・真奈美であることに瞬時に気づきます。はじめは言い訳を試みますが、そんなウソは通用しませんね。背後から妻が登場し、動揺を隠し切れません。
このあと、優香と真奈美、そして達也の3人で個室へ移動。そこで、きっちりと話し合いをします。
サレ妻未遂からの大逆転
私は条件を提示しました。
「今回は、離婚は保留しておく。おなかの子に父親は必要だから。でも、次はないと思って。もし、今後、一度でもあやしい動きがあったら…この全記録をあなたの両親と会社に送るから。いいわね?」
「……はい。誓います」
「あと、スマホの暗証番号を勝手に変えるのは禁止。GPS共有アプリも入れてもらうわ。それと……」
私は真奈美を見ました。
「今回の件で、真奈美には多大な協力をしてもらったわ。彼女への謝礼と、私の精神的苦痛への慰謝料として、今日の"打ち上げ"と、今後のマタニティ用品…全部、あなたのポケットマネーから出してもらうから」
数日後…私は真奈美と、都内でも指折りの高級ホテルのランチビュッフェにいました。
もちろん、支払いは達也のカードです。
「優香、本当にかっこよかったよ。あの時の達也さんの顔!動画に撮っておけばよかったね」
真奈美がわらいながらローストビーフを口に運びます。
「本当にありがとう、真奈美。あなたが気づいてくれなかったら、私、ずっとだまされてたかもしれない」
「いいよ、親友なんだから。でも、本当にゆるしていいの?」
私は窓の外をながめながら、静かに答えました。
「ゆるしたわけじゃない。ただ、"責任"を取らせることにしたの。彼が自分で言ったとおり、連絡を取る時点で"浮気"なんだから、相応の罰を受けてもらわないとね」 ※3
今回の騒動で、優香は離婚は選びませんでした。ですがそれは、決して許したからではありません。おなかの子どものため、そして夫としての責任を取らせることにしたのです。達也に「次」は、ありません。
本作では、妻の妊娠中にマッチングアプリに登録した、夫の裏切り行為と、それを徹底的に追い詰めた妻の様子が描かれています。夫の末路は、自業自得と言わざるを得ません。今回のことをしっかりと反省し、これからは家族のために一生をかけて償ってほしいものです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










