©ママリ
ななかちゃんは、リナちゃんと目が合った瞬間、顔が引きつりました。
「……だって、リナちゃんが!"かわいいから、もらっちゃおうよ"って言ったんだもん。だから私が持って帰って、リナちゃんにシールをあげたんだもん!」
ななかちゃんの口から出たのは、リナちゃんへの責任転嫁でした。
「はあ?ななか! あんた何を……」
ななかちゃんのママの声がうら返ります。
「シール帳はどこ?」
私のしずかな問いに、ななかちゃんは泣きじゃくりながら、子ども部屋から一冊のノートを持ってきました。
……それは、見るも無残な姿でした。
かわいかった表紙ははがされ、中のシール台紙はほとんど引きちぎられています。
みちるが大切にしていたシールたちは、雑にはがされたあとが残り、粘着力がなくなったものは、ゴミのようにまるまっていました。
「……ひどい」
ななかちゃんのママも、その光景に言葉をうしなっていました。
単なる「借りた」とか「拾った」というレベルではありません。それは、みちるの宝物を徹底的に破壊する行為でした。 ※1
6歳女子のひどすぎるウソと行為
リナちゃんもななかちゃんも、みちるの大切なシール帳を勝手に持ち去り、さらにシールをはがしてボロボロにしたことが発覚。これは、本当にショックでツラいできごとですね。もしも、みちるがこれを見たらと思うと、胸が張り裂けそうです。
千里は親として、厳しい決断を下すことに…。
友だちだと思っていた親子に…
その夜、三家庭が集まって、話し合いの場を持ちました。
みちるは雅也にあずけ、大人と当事者の子ども2人での対話です。
「2人とも…よく聞いてね」
私は冷静に2人を見つめました。
「お店のものを盗むのがいけないことだって、知ってるよね? それと同じで、お友だちのもの、みちるの宝物を勝手に持っていくことも、絶対にいけないことなの。みちるがどれだけ泣いたか…これを見てどう思うか、考えたことはある?」
バラバラになったシール帳を前に、リナとななかは顔をふせ、声を上げて泣き始めました。
「ごめんなさい……」
「みちるちゃんに…ごめんなさい……」
彼女たちの親からも、しぼり出すような謝罪がありました。
法的手段? 警察? 一瞬、そんな言葉が頭をよぎりましたが、目の前でふるえる6歳児と、ショックでうなだれる親たちを見て、私は深呼吸をしました。
「……みちるは、今でも2人のことが大好きです。だから、私はこのことを学校に言いふらしたり、大ごとにするつもりはありません」
2人のママがハッと顔を上げました。
「その代わり…中に入っていたシールの時価、そして、このシール帳の代金は、きっちり弁償していただきます。そして、二度とこんなことをしないと、お子さんと約束してください」
それは、親としての…そして、かつての友人としての、私が提示できる精一杯の解決策でした。 ※2
仲良くしていた友だち親子に、こんなことを言うのはツラいですね。ですが、子どもがしてしまった罪を親が償うのは当然です。そして子ども自身も、しっかりと反省しなければいけません。
その後、子ども同士の関係は…。
娘から教えられたこと
事件から一週間がたちました。
2人の親からは、後日、詳細なシールのリスト(みちると私と雅也が記憶をたよりに作成したもの)に基づいた弁償金が、現金で支払われました。
かなりの金額になりましたが、彼女たちは「当然の報いです」と潔く受け入れてくれました。
「ママ〜!見て! あたらしいシール帳!」
みちるは、あたらしく買い直したシール帳に、のこったシールやあたらしく買ってもらったシールを、丁寧に貼っています。
「リナちゃんとななかちゃん、すごくおこられたんだって。今日、学校で2人とも泣きながらあやまってくれたよ。だから、みちるゆるしてあげたの」
娘の強さと純粋さに、私の方が教えられる思いでした。 ※3
「許した」という、娘の純粋さと寛大さに、親も救われる思いですね。
子どもは、善悪の境界線があいまいで、ときには「欲しい」という欲求が勝ってしまうことも。未熟なため、過ちをおかしてしまうこともあります。だらこそ、周囲の大人が正しい道へ導くことが必要ですね。
単なる子ども同士のトラブルとして片づけず、問題の本質と向き合うことの大切さが描かれています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










