🔴【第1話から読む】「赤ちゃんの名前の候補、考えてきたから!」マタハラ先輩の凶行
後藤さんへのペナルティにより、職場に平穏が戻る。彼女は監視下に置かれ、歩美との接触も断たれた。無事に産休へ入る日、歩美は夫と二人で決めた名前を胸に、光に満ちた未来へと一歩を踏み出す。
付きまとわれることが一切なくなった
後藤さんに厳重注意が行われてから、一週間が経ちました。 あの日以来、彼女は私に対して一切話しかけてこなくなりました。業務上の連絡も、最低限のメールのみ。
寂しいというより、ようやく自分の人生、自分の妊娠を取り戻したような、深い安堵感に包まれています。
「歩美、顔色が良くなったね」
夕食時、道義がうれしそうに言いました。
「うん。会社に行くのが怖くないって、こんなに幸せなことだったんだね。部長が言ってくれたの。『君の仕事は無事に赤ちゃんを産むこと。あとの調整は会社がやるから』って」
会社では、後藤さんと私の席が離されることになりました。さらに、彼女にはコンプライアンス研修への参加が義務付けられ、現在は人事部の監視下にあるそうです。
名づけは夫と二人で…
部長が後でこっそり教えてくれたのですが、後藤さんは最初「歩美ちゃんは私がいなきゃダメになる」と思い込んでいたそうです。でも、他の同僚たちからも「後藤さんの干渉は異常だった」という証言が次々と出たことで、ようやく自分の状況を理解し始めたとのことでした。
彼女が保育士の資格を持ち、子どもを愛しているのは本当でしょう。でも、その愛が「支配」や「執着」に変わってしまった時、それは刃物と同じように相手を傷つける。それを学ぶための、厳しいペナルティだったのだと思います。
「あ、動いた!」 私がおなかに手を当てると、元気なキックが返ってきました。
「本当だ。元気な子だね。……ねえ歩美、名前、そろそろ決めようか。二人だけでさ」
「うん、そうだね。後藤さんのリストじゃなくて、私たちの願いを込めた名前を」
晴々とした気持ちで迎えた産休
数か月後。
私は無事に産休に入りました。 最後の出勤日、後藤さんは遠くから私をじっと見ていましたが、近づいてくることはありませんでした。ただ一度だけ、小さく会釈をしたような気がします。それが彼女なりの、反省の印だったのか、それとも決別の合図だったのかは分かりません。
でも、今の私には関係のないことです。私は、私と道義の子どもを、私たちの手で育てていく。
「お疲れ様でした!」
花束を受け取り、オフィスを後にする時、心は驚くほど軽やかでした。 駅のホームで待っていた道義の笑顔を見て、私はようやく確信しました。 誰かに振り回される時間はもう終わり。これからは、この温かい日常を守っていくんだ、と。
おなかを優しく撫でながら、私は春の風の中を歩き出しました。 これから始まる新しい生活には、もう、不気味なLINE通知も、冷たい視線の監視もありません。
そこにあるのは、私たちが選んだ、光に満ちた未来だけです。
🔴【第1話から読む】「赤ちゃんの名前の候補、考えてきたから!」マタハラ先輩の凶行
あとがき:誰にも邪魔されない、私だけの物語へ
物語の最後、春の風の中を歩く歩美さんの姿に、読者である私たちも深く安堵します。後藤さんの呪縛から解き放たれ、ようやく「自分たちの家族」として新しい命を迎えられる喜び。誰かに正解を押し付けられるのではなく、迷いながらも夫婦二人で答えを出していくことこそが、子育ての醍醐味ですよね。不気味な通知音に怯える日々はもう終わり。これから始まるのは、温かな愛だけが溢れる、自由で輝かしい日々です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










