🔴【第1話から読む】「自宅焼肉で3000円請求した結果」→ママ友と「泥沼絶交トラブル」に
凛子の豹変にきずつく佳子を、夫の宏大は「それは彼女自身の問題だ」とやさしく諭す。うしなった思い出のおおさに涙する佳子だったが、次第に「だれの顔色もうかがわなくていい自由」に気づき、前を向くための心の整理を始める。
それでも晴れない心
その日の朝食は、砂をかむような味だった。
「佳子? どうした、まっさおだぞ」
宏大が私の顔をのぞき込む。私はだまって、凛子から来たLINEの画面を見せた。(ブロックする前にスクリーンショットを撮っていた)。
一通り目をとおした宏大は、あきれたようにため息をついた。
「これはひどいな。言いがかりもいいところだ」
「私、そんなに無神経だったかな。しらずしらずのうちに、彼女をきずつけてたのかな…」
「お前はたしかにおっとりしてるし、時々空気がよめないところもあるかもしれない。でも、お前なりに凛子さんのことを大事にしてたのは、俺がよくしってる」
宏大は私の肩に手をおいた。
夫の言葉でようやく心がかるくなる
「凛子さんは、お前を攻撃することで、自分の現状の不満を解消しようとしてるだけだ。お前の生活がまぶしくて、勝手に嫉妬して…それを"マウント"だと決めつけた。これはお前の問題じゃなくて、彼女自身の心の問題だよ」
「でも……」
「言いたいことがあるなら、言い返せばいい。お前だって、凛子さんのわがままに付き合って、気をつかってきただろ? 焼肉の準備だって大変だったんだ。感謝されることはあっても、罵倒される筋合いはない」
宏大の言葉は、私の心を少しずつ溶かしていった。
「…同じことはしたくない。言い返したら、私も彼女と同じ土俵に立っちゃう気がする。もう、おわらせたいの」
「お前がそう決めたなら、それが正解だ。佳子…よくがんばったな」
大事だった…友人とのおわりに涙があふれる
宏大を送り出したあと、しずかになった家の中で、私は一人で泣いた。
うしなったのは友人だけじゃない。彼女と一緒に過ごしたたのしい思い出や、おたがいの子どもの成長をよろこび合った時間。
それらすべてが、彼女の「きらいだった」という言葉でぬりつぶされてしまったことが、何より悲しかった。
「大事にしてたのにな…」
ポツリと独り言がもれた。 彼女の誕生日に、なやんでえらんだプレゼント。 彼女が体調をくずした時、お見舞いに行こうかと心配した夜。 それらは全部、私の独りよがりだったのだろうか。
だけど、まどから差し込む日を浴びながら、ふと思った。
私の善意をうけ取れなくなるほど、彼女は今、何かに追い詰められ、余裕がなかったのかもしれない。それは、彼女の人生の課題であり、私が背負うものではない。
私は深呼吸をして、涙をぬぐった。 もう、私の連絡先リストに彼女の名前はない。
それはとても寂しいことだけど、同時に、だれかの顔色をうかがいながら投稿をする必要も、会費の請求でおびえる必要もなくなったのだ。
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あとがき:涙のあとに見えた「自由」という光
長年の友人をうしなうのは、自分の過去の一部をうしなうような喪失感があります。佳子さんが「私の善意は独りよがりだったのか」と自問自答するシーンは胸がいたみますね。
しかし、宏大さんの言うとおり、相手の心の余裕のなさまでは責任を持てません。大切にしていた関係だからこそ、悲しむだけ悲しんだら、あとは手放す勇気も必要です。窓から差し込む日が、佳子さんのあたらしい門出を祝福しているように感じられますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










