🔴【第1話から読む】隣人の異変。9歳の息子と若いシングルマザーの「危うい日常」
「ママ(瑠美)とは会っていない」とライから聞いた、サチ。彼の話をくわしく聞いてみると、ここ2週間は姿を見ていないという。それは、サチが瑠美と例の彼氏が夜中に一緒にいるところを見かけはじめた期間と同じであった。心配になったサチは、ライにごはんをつくってあげることにし…。
母親が居ない2週間
ライくんから話を聞いた私は、「もっとはやく気づいてあげられていたら」と後悔した。
「ぼくが寝てる間に帰ってきて、起きる前にお仕事行ってる」
彼の持つ袋の中身に目を配ると、カップラーメンとおにぎり、おかしが何個か入っているのが見えた。
「じゃあ…ここ最近はずっと、こういうラーメンとかしか食べてないの?」
「いろいろ食べたけど…これがいちばんおいしいから、ずっとこれ」
「そっか…でも…」
ここから先の言葉は、すんなり出てこなかった。瑠美さんのことをこれ以上聞くのは、大きなお世話かもしれない。ライくんは、むしろ「自由に過ごせてラッキー」と思っているかもしれない。
「お母さん、いつ帰ってくるの?」
「え?分かんないよ」
「そうだよね…」
「がんばっておそくまで起きてるけど…やっぱり寝ちゃうから」
その言葉を聞いて、彼がおそくまでゲームをやっていたのは、「母親の顔を見るため」だったのかなと、少し胸がいたんだ。
普通にあそびたくて夜更かししていただけかもしれないが、この言葉が自然に出てくるということは…それが本心だからだと思う。
おせっかいだと思われても
(お母さんが帰ってくるのを、彼は待っていたんだ)
「そっか…でも、夜ふかしはダメだよ。ゲームのしすぎもダメ!」
「え、なんで分かったの!」
「ライくんの声、ちょっとだけ聞こえるの」
「ええー!ごめんなさい…」
「いいよ。でも、本当にちゃんと寝なきゃダメだよ?大きくなれないよ?」
「分かった…」
「あと、明日もお母さんおそくなるようだったら、うちに食べにおいで。お昼も夜もライくんのごはん用意しておくから」
「え、でも」
「お母さんには、ちゃんと連絡しておくから」
私はライくんが家に入るのを見どとけてから、自分の家にもどった。
勢いでライくんに言ってしまったけれど、瑠美さんにショートメッセージをおくった。
「瑠美さん、こんにちは。サチです。ごはんつくりすぎちゃった時、お裾分けさせていただいてもいいですか?瑠美さんがいらっしゃらなかったら、ライくんにわたしておきます」
それから3時間ほどすぎたころに「すみません…!感謝です!」と返事があった。
とりあえず拒絶されなかったことに安堵し、明日のお昼ごはんのメニューを考えることにした。
久しぶりの手作りごはん
次の日…ライくんはお昼に来なかったので、おせっかいかなと思いながらも、食事を持って氷川家のインターフォンを鳴らした。
インターフォンに出たライくんは、私が来たと知ると、急いでとびらを開けてくれた。
「ライくん!これ、よかったら食べて」
「いいにおい」
「味付けとか好みじゃないかもしれないけど…」
「ううん!本当にいいの?」
てれくさそうにわらうライくんに手をふり、そのまま玄関をあとにした。
不安だったが、ライくんのうれしそうな顔を見て、「持ってきて良かった」と安心した。
(やっぱり…手づくりごはんは、うれしかったんだろうな)
心がはずんでいると、すぐ近くにあるエレベーターの開く音がした。
ふり返ると、エレベーターからおりてきたのは、フラフラとヨタつきながら歩く女の人だった。頭がうなだれているので、顔は見えなかったが、私には一人の人物しか思い当たらなかった。
(瑠美さん…?)
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あとがき:大人としてどうふるまうべきか
ライくんから、話を聞いたサチは「もっとはやく気づいてあげられたら」と後悔の念をあらわにします。まだ、小学生の子どもが、一人ぐらし同然で過ごしている事実に、胸をいためる読者も多いのではないでしょうか。
おせっかい…とは思いながらも、介入せずにはいられない状況に、大人としてどうすべきか考えさせられますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










