🔴【第1話から読む】隣人の異変。9歳の息子と若いシングルマザーの「危うい日常」
ライくんにお昼ごはんをとどけた、サチ。帰る時、酔っ払ってフラフラと帰宅してきた瑠美に遭遇する。ライを放って、一体、何をしているのかと問い詰めるが、酔っている彼女から、まともな答えは返ってこない。ひとまず瑠美を介抱するが…。
酔っ払って帰宅してきた母親
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彼女は不規則なヒール音をならしながら、フラフラとこちらに向かってきた。
「瑠美さん!!」
すると、彼女は立ち止まり、目を閉じたままゆっくりと顔をあげて、じわっと目を開いた。
「あ〜、かのめさ…へへ〜、あ、酔っあられ…」
呂律も回らず、ねむそうにしている彼女に駆け寄り、背中をさすった。
「…ライくんに聞きましたよ、ずっといないって」
「そう〜、いそがしくてぇ」
「ライくんのこと放り過ぎです。ずっと彼氏さんと一緒にいるの知ってますよ」
「彼氏〜?あぁ…」
とりあえず自宅に入って寝かせようと、彼女のウデを自分の首に回した。すると、彼女の頭がガクンとうしろに傾き、その影響で、首元が露わになった。
首には、目立つ赤いアトが数個ついており、なんとなく状況が理解できた。
ひとまず、今この状態の瑠美さんに何を言っても覚えていないと思うので、彼女を自宅前まではこんだ。再びインターフォンを押すと、またライくんが出てきた。
「おばちゃん?…どうしたの?」
「今、たまたまライくんのお母さんと会ったの」
「え!ほんと!?」
「お母さんねむそうで…お布団、連れて行ってあげようと思うから、開けてもらってもいい?」
ライくんはとびらを開けてくれ、瑠美さんの部屋に案内してくれた。私は瑠美さんを担いでベッドに寝かせ、布団をかけた。
「あなたには関係ない」
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「ママ、どうしたの?」
「…お仕事でつかれちゃってたのかもね。また、様子見にくるから…その時にお母さんとちょっと話してみるね」
心配そうに見つめるライくんに笑顔を向け、私は一度、自宅へともどった。
それから数時間後。私は一旦、家事を済ませ、再び氷川家をたずねた。インターフォンをならすと、スピーカーから聞こえたのは、ライくんの声ではなく、瑠美さんのかすれた声だった。
「…瑠美さん?さっき帰ってきたの覚えてます?」
「いや、まったく…」
その言葉の直後…「うぅっ」と言う、瑠美さんの嘔吐しそうな声がしたので、「おちついてから玄関を開けてもらえないか」と伝えた。少ししてからとびらが開き、顔面蒼白な瑠美さんが私を迎えた。
「だいじょうぶ?かなり飲んでたみたいですけど。ライくんも心配してましたよ。ずっと会ってなかったんですって?」
「鹿目さんには、関係ないですよ…」
彼氏…ではなく、「愛人」
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「…今日は?お休みですか?」
「夜また出ます」
「せめて一緒に…ごはんだけでも、ライくんと食べませんか?」
「…これからつくるのしんどいです」
「瑠美さんがたいへんなのは分かりますけど…そんなことがつづいていたら、ライくん寂しいじゃないですか?」
「仕方ないでしょ…稼がないと、ライだって生きていけませんし」
「そうかもしれないですけど…」
「鹿目さんは…こうやって他人にかまけるくらい、余裕なのかもしれませんけど…私たちは、生きていくのもギリギリなんです。あの人の保護がなかったら、かなりきびしいんです!」
「…あの人って、彼氏さんのこと?」
「彼氏?あー、そう伝えてましたね。…ただの愛人ですよ」
(愛人と会うため、子どもを放っておくなんて)
怒りがわき、彼女の目を見て忠告しようとした時、私は一気にちがう感情にのまれてしまった。
🔴【続きを読む】「あいつなんかいなくても…」シングルマザーが明かした覚悟
あとがき:真意を知る時
酔い潰れるほど飲み、まともに子どものお世話もできない…。「彼氏」と言っていた人は「愛人」で、瑠美には何か事情がありそうですね。
ライくんのことを考えると、大人として、母親として、怒りがわいてくるこの状況…。ですが、他人の家庭事情をすべて把握しているわけではなく、私たちにとっても、大部分が「想像でしかおぎなえない」というもどかしさがありますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










