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姉妹関係がこじれた原因は【子育て観の違い】→姉と妹が程よい距離感を見つけるまで

主人公・結衣は、夫と3歳の息子・蒼と穏やかに暮らしています。ですが現在、姉との関係に悩んでいます。姉・香織には5歳の息子・蓮くんがいます。蒼と蓮くんはいとこ同士ですが、タイプが違うふたりは仲良く遊ぶのが難しい様子。ある日、新築に姉親子を招いたときのこと。蓮くんは縦横無尽に家の中を走り回り、結衣の注意を聞きません。ほんの一瞬、目を離したすきにキッチンマットを破かれてしまいました。さらに、蒼くんを突き飛ばし、泣かせたのです。しかし、母親である姉・香織は軽く注意しただけ。子育ての価値観が違い過ぎて、結衣は疲弊します…。『姉の子育てがおかしい』をダイジェスト版でごらんください。

【全話読む】姉の子育てがおかしい

その日の夜。私はスマホを手に取った。
少し迷ってから、香織に電話をかける。
数回のコールのあと、香織が出た。

「なに?」

少し不機嫌そうな声だった。

「突然ごめん」

私は言った。

「この前のこと、ちょっと話したくて」

「この前?」

「うちに来たときのこと」

少し沈黙が流れる。
私はゆっくり話し始めた。

「私も、蓮くんにいきなり注意しちゃって」

「……」

「香織に配慮が足りなかったかもしれない」

正直な気持ちだった。

「そこは、ごめん」

そう言ったあと、続ける。

「でも」

「……なに?」

「蒼を突き飛ばしたこととか」

私は言葉を選びながら言った。

「マットを壊したこととか」

「……」

「そのあと、ちゃんと謝ってほしかったなって思って」

電話の向こうが、静かになる。
そして、香織が言った。

「は?」

その声は、明らかに怒っていた。

「なにそれ」

「え?」

「結局、私の育て方が悪いって言いたいわけ?」

「違う、そうじゃなくて──」

「結衣さ」

香織の声が鋭くなる。

「いつもそうだよね」

「……?」

「正しいこと言ってるつもりなんだろうけど」

私は言葉を失った。

「蒼はいい子」

香織が続ける。

「結衣はいいお母さん」

皮肉っぽい声だった。

「そう思ってるんでしょ?」

「そんなこと──」

「もういい」

香織は言い切った。

「そうやって人の子どもに口出しするくらいなら」

「……」

「もう会わなくていいよ」

プツッ。

通話が切れた。
私はスマホを見つめたまま動けなかった。

(なんで……)

ただ、話し合いたかっただけなのに。分かり合えると思っていたのに──
胸の奥が、どっと疲れる。蒼が横から声をかけてきた。

「おかあさん?」

私は慌てて笑顔を作る。

「うん、大丈夫」

でも、心の中では、はっきり思っていた。

(もう……)

香織との関係に、私はすっかり疲れてしまっていた。 ※1

姉の拒絶と、わかり合えない苦しさ

歩み寄るために電話をかけたのに、一方的に言い返され、話が成立しませんでした。妹の言葉は、姉には届かないようです。

実の姉とはいえ、話が通じない相手との関係は、疲れますね。そして結衣も、姉に対する考えが少しずつ変わります。

自分のため、息子のために…

代わりに、私は考えるようになっていた。
香織はどういう人なのか。自分はどうしたいのか。
そして──蒼にとって、何が一番いいのか。

母の言葉も思い出す。

──「子育てってね、視野が狭くなることもあるのよ」

拓也さんの言葉も。

──「蓮のことになると、ムキになっちゃうんだ」

香織なりに、一生懸命なのかもしれない──そう思うこともあった。
でも──それでも、蒼が傷つくのは、嫌だった。

私は自分の子育てを大事にしたい。
蒼に「人に優しくしようね」と教えるなら、私自身も、その姿を見せたい。
そのためには、無理をしないことも必要なのかもしれない。

ある日、ふと気づいた。
私はもう、香織に「分かってほしい」と思っていなかった。
代わりに思うようになっていた。

(私たちは、違うんだ)

子育ての考え方も、大事にしているものも、きっと違う。
だから、無理に同じ方向を向こうとしなくてもいい。
そんなふうに思い始めていた。 ※2

同じ姉妹でも、価値観は違うものです。ムリに押しつけたり、相手に変わってもらおうと説得しても、疲れてしまうだけ。

自分が大切にしている子育ての価値観と息子を守るために、結衣は姉と距離を置くことを決めます。

これでよかった…姉妹の関係性

それから数か月後。香織から突然メッセージが届いた。

《引っ越すことになった》

私は驚いた。

《え?》

すぐに返信する。すると、すぐに返事が来た。

《蓮がさ》
《幼稚園でいじめられてたみたいで》

私は画面を見つめた。
胸の奥が、少しざわつく。

《だから環境変えようと思って》
《他の市に引っ越す》

短い文章だった。
私は少し考えてから、メッセージを打った。

《そうなんだ》
《大変だったね》

そして、少し迷ってから続ける。

《新しい場所では、うまくいくといいね》
《頑張ってね》

送信ボタンを押す。
しばらくして既読がついた。

《うん》

それだけの返信だった。

それから数か月。香織からは、たまに連絡が来る。

「引っ越し大変だった」
「蓮が新しい友達できた」

そんな近況報告。私は普通に返事をする。
でも、会う機会は、ほとんどなくなった。
距離ができた。物理的にも、そして、心の上でも。

時々、思うことがある。
もし、もっと違う形で向き合えていたら。もし、うまく分かり合えていたら。
私たちは、普通の姉妹のように過ごせていたのかもしれない。

少しだけ、寂しい気持ちになる。
でも、リビングで蒼が笑っているのを見て思う。

(これでよかったんだ)

無理に関係を続けて、心をすり減らすより、少し離れた場所で、それぞれの人生を歩く。
その方が、きっと穏やかに生きられる。 ※3

姉一家の引っ越しで、物理的にも距離ができました。しかし、完全に縁を切ったのではなく、短いメッセージのやり取りが示しているように、距離を置くことが姉妹には必要でした。

姉は妹に対して、嫉妬心を抱いていました。一方で、妹は姉とわかり合えないことにストレスを感じていました。ですが、お互いに価値観が違うことを認め合い、距離を置いたことで、お互いの生活や心を守ることができました。家族だからといって、完全にわかり合う必要は、ないのかもしれません。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

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引用元一覧

  • ※1 ママリ「「もう会わなくていいよ」子のしつけをめぐり実姉と絶縁?→闇が深い姉の心情|姉の子育てがおかしい」(https://mamari.jp/78668,2026年5月20日最終閲覧)
  • ※2 ママリ「「息子がいじめられて」引っ越した実姉→離れてから思う【家族間の距離】の必要性|姉の子育てがおかしい」(https://mamari.jp/78669,2026年5月20日最終閲覧)
  • ※3 ママリ「「息子がいじめられて」引っ越した実姉→離れてから思う【家族間の距離】の必要性|姉の子育てがおかしい」(https://mamari.jp/78669,2026年5月20日最終閲覧)

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