産褥ショーツとは?
入院中の持ち物に必ず書いてある産褥ショーツ。初めて存在を知ったというママも多いのではないでしょうか。
産後は悪露(おろ)といって、子宮に残った血液や細菌が排出されます。産後数日は赤色のものが出ます。産後日数が経つにつれ、色は薄くなり、量も減っていきますが、悪露自体は数週間にわたります。
そのため、産褥パッドを着用する必要があります。産褥ショーツはクロッチ部分が開閉する作りとなっているので、会陰切開後の痛みのせいで思うように動けないママも、帝王切開後の動けないママも、寝たままの体制で産褥パットを取り替えてもらえるので大変便利です。
また、漏れにくい布がショーツの背中部分まで使われている商品もあります。
産褥ショーツのメリット
産褥ショーツのメリットをあげてみます。
①防水加工
出産後ホッと一安心したのも束の間、産後は悪露という出血をします。はじめは量も多く、赤褐色の出血なので汚れが気になるものです。
そのため普通のショーツだとナプキンからはみ出してしまった場合、寝具に漏れてしまうことも。その点産褥ショーツなら防水加工がしてあるので安心してお使いいただけます。
②下着を脱がずに診察可能
産褥ショーツは股の部分がテープやスナップで開閉できるようになっています。なので下着を脱がなくても診察台やベッドに横になったまま、産後の傷や悪露の診察をしてもらうことが可能です。
自然分娩でも会陰切開などしていたら痛みで下着の上げ下ろしも楽ではありません。産後のママのストレスを軽減するためにもとても便利なショーツです。
③ナプキン交換が簡単
悪露の量には個人差がありますが、産後は頻繁にナプキンを替えなくてはなりません。出産してから数時間で自分のことができるまでに回復していれば問題ないのですが、産後の回復具合によっては診察とは別に、動けないママに代わってナプキンの交換に来てくれることもあるかもしれません。
そんなとき、ベッドで替えてもらうのには産褥ショーツが役に立つことでしょう。
産褥ショーツのデメリット
産褥ショーツのデメリットをあげてみます。
①使用期間が短い
産褥ショーツを使用するのは、産後の数日か入院期間中のみ。病院にいるとき限定のものなのです。また、悪露が少ないと産褥ショーツをほとんど使わないこともあります。
②安価ではない
マタニティ用品店などを見る限り、産褥ショーツの値段は1枚1000円くらいが相場です。病院で用意してくれるところもありますが、何枚も準備するとなると、ちょっとした出費になります。出産準備は他にもいろいろあるため、筆者はなるべく自分への予算は抑えたいと考えたこともありました。
- リクルートマーケティングパートナーズ「産褥ショーツ」赤すぐnet(https://goo.gl/8Qf0WA)
- ローズマダム「産後におすすめな産褥ショーツ」ローズマダム(https://goo.gl/A1VgCP)
- エンジェリーベ「産褥ショーツ」エンジェリーベ(https://goo.gl/gbyoit)
- ドクターウィリアム・シアーズ(著)他「シアーズ博士夫妻のマタニティブック」(主婦の友社)
- 岡井祟(編)他「標準産科婦人科科学」(医学書院)
- 山本産婦人科「産後の経過・乳房管理・家族計画・1ヶ月健診について」山本産婦人科(http://www.yc-tsu.jp/dekigoto/sango/sango.html)
産褥ショーツを使うにあたっての疑問あれこれ
産褥ショーツの使用の際に疑問に思うことを挙げてみました。
産褥ショーツの使用期間はどれくらい?
産褥ショーツの使用期間は個人差がありますが数日ほどです。ひとりでトイレに行けるようになると使わなくなるので、産後の回復が早い人もいますし、悪露が多い場合や寝たきりの状態が長くなってしまった場合、さらに長い期間使うことになります。
しかし、回復や状態に関わらず診察のときに楽なので、入院中ずっと使用しても構いませんよ。自分が産後、どのような状況になるかわからないのできちんと持っておいると安心ですね。
産褥ショーツは何枚くらい必要?
産褥ショーツの必要枚数は個人差がありますが、病院から持ってくるように指示される枚数は2枚くらいが多いようです。
最初から多くの枚数は必要無さそうですね。病院側で用意してくれているところもあるようなので、事前に確認してみてください。
産褥ショーツのサイズは?
産褥ショーツのサイズはMとLの2展開が一般的です。妊娠中は体系も変わるからと考え、通常よりワンサイズ大きめを選ぼうと思ってしまいそうになりますが、そんなことはありません。妊娠前に着用していたサイズを目安に選べば大丈夫ですよ。
産褥ショーツは産後のママの体型を考慮してゆとりをもって作ってありますが、あまりにも体重が増加した場合は、ワンサイズ大きめを選ぶ必要があることも。あくまでも目安なのでサイズを測ってから購入しましょう。
- 板橋中央総合病院産婦人科「入院案内」板橋中央総合病院産婦人科(https://goo.gl/UdatyT)
- 植野産婦人科医院「入院のご案内」植野産婦人科医院(https://goo.gl/39rkIu)
- リクルートマーケティングパートナーズ「産褥ショーツ」赤すぐnet(https://goo.gl/8Qf0WA)
- ニッセン「産褥ショーツとは」ニッセン(http://www.nissen.co.jp/cate002/event/CD16MI103/)
実際に産褥ショーツを使用した体験談
では実際本当に産褥ショーツは必要なのでしょうか?
実際に産褥ショーツを使用したママたちの声を紹介します。
体験談①余分に準備しておいても大丈夫
産後は『内臓でも出てんの?!』ってくらいの血の塊と大量の血が出ます。
なので私はお産用パッドを付けていても下着を汚してしまったので、準備していた産褥ショーツ2枚では足りませんでした…。
今考えれば4枚くらい準備しててもよかったと思っています(^^;)
産褥ショーツは産後の診察時にかなり重宝しますよ。
入院中に何度もある診察の度に下着を脱いだり穿いたりするのは、出産直後の体には想像以上に重労働ですからね。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
出血量には個人差がありますが、ぎりぎりの枚数よりもプラス1~2枚あっても良いようです。母親や夫など入院中にショーツを買い足したり洗濯してくれたりする人がいる場合、事前に余分に買っておかなくても大丈夫なこともあるので検討してみましょう。
体験談②産後の診察の時に楽!
自然分娩でしたが出産時、切開しましたので傷が痛み、立ち上がることも勇気がいったほどでしたので
脱がなくてもよい産褥ショーツはとても助かりました。
また、悪露の具合を診察するときも、腰を持ち上げずに診察ができたので楽でした。 出典: oshiete.goo.ne.jp
産後はママの体のあちこちに痛みが残っています。回診などの時に寝たまま診察してもらえるので産褥ショーツがあって良かったと思うママは多いようです。お医者さんや看護師さんも産褥ショーツに慣れているので手早く対応してくれますよ。
普通のショーツのように脱いだり穿いたりすることでの煩わしさや周りを汚す心配もなくなりますね。
体験談③帝王切開のママには必要!
私は帝王切開でしたので、産褥ショーツは絶対に必要でした。
2日間は寝たきりで、自分でパットすら替えられませんでした。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
帝王切開の場合は自然分娩よりも少し安静期間が長いこともあり、その間の悪露の処理などは看護師さんがします。そのため帝王切開ママに産褥ショーツは必須です。
最近では、帝王切開用の産褥ショーツで左右もマジックテープになっていて傷の処置がしやすいものや、自然分娩や帝王切開の両方に使えるものもあります。
用意しておきたい産褥ショーツ
ここで紹介した以外でも先輩ママからは産褥ショーツは必要だったという声が多く聞いたことがある方もいることでしょう。
自然分娩で会陰切開もなく、悪露も少なければ生理用ショーツで代用もできますが、何が起こるかわからないのが出産です。陣痛が長引いたり、自然分娩の予定が帝王切開になったりすることもあります。そうなると産褥ショーツは必須になります。使用期間や値段など損得だけを考えず、もしものために備えておいていいものだと思います。
商品によってはマジックテープ部分がゴワゴワした、あるいは内ももにあたって痛かったということもあるので、購入する際は口コミなどを参考にしてくださいね。