私のお産は突然決まった
普通に分娩するだろうと思って疑わなかったお産。帝王切開で出産するということは突然決まりました。
帝王切開は事前に手術日が決まっている場合もありますが、私の場合は緊急帝王切開で、理由は2つ。
- 既にたくさんの破水をしてしまっている
- 赤ちゃんが逆子になっていた
予定日から2日経った夜中、トイレに目覚めるとまさかの破水。病院についてエコーをすると今まですべて順調だったのに、逆子になってると判明。
ここからあれよあれよというまに、「1時間後に手術開始しましょう」と緊急帝王切開が決まりました。
海外の病院の「痛みレベル表」
帝王切開が決まり、あと1時間程で娘に会えるんだなと少しワクワクしている中、ナースに何度も聞かれるのが、「今の陣痛の痛みのレベルは1から10だとどれくらい?」
そもそも初めての陣痛で、今どのレベルかが分からず、「ちなみに10はどんな痛み?」と聞くとナースは表を出してきて……
ナース:「レベル10は交通事故でトラックに跳ねられたくらい」
私:「……(私主人の顔を見る)」
私はその痛みがどういうものか想像できず、どう考えても、今の痛みはトラックで跳ねられるより遥かに軽い痛みだと思い「レベル1」と答えました。
この痛みのレベルは、手術開始まで何度も聞いてくるのですが、そこそこ痛くなっていく陣痛でしたが私の場合、麻酔が入るまでは高くてもレベル5でした。
まだ余裕があった私は、主人と「レベル10なんていう人いるのかね」なんて笑っていたのですがその笑いが術後、後悔することに……。
手術後、麻酔が切れたら痛みのオンパレード
無事に娘が誕生し、数時間後には麻酔も切れ、じわじわと「これはやばいな」と痛みが出てきました。同時に、母子同室で赤ちゃんの世話も始まります。今までに味わったことのない強烈な痛みを感じながら授乳していると笑顔でナースが登場。
それで出ました、この質問。
ナース:「今の痛みはレベル1から10だとどれくらい?」
私:「(迷わず)10!テン!テン!」
そうなんです、味わったことのないこの痛みは、迷わず人生最悪な痛み。ごめんなさい、さっきレベル10の痛みを馬鹿にして。
妊活、妊娠中からどんなに具合が悪くても薬の飲用は避けてきた私でさえも、このときばかりは、痛み止めを飲みました。
この痛みはもちろんどんどん和らいでいくのですが、私の場合は約1ヶ月続きました。
痛みと初めての育児で大変な産後
1ヶ月、痛みと初めての育児を貫き、今となっては良い思い出ですが、その時は先が見えなくただただ辛かった。でもそんな時、主人や家族の支えってほんと神様が舞い降りてきたようにうれしいんですよね。
何がどんな風に助かったか?これからママが帝王切開するパパ。もしくはもう術後で苦しんでいるママの隣にいるパパ、そしてその家族の方に読んでほしいです。
是非これを参考にして、ママを助けてあげてください!そしてママも決して1人で我慢せずにしっかりと周りの人達を頼りましょうね。私の感じた、帝王切開をしたママにしてほしいことをまとめました。
1.授乳の時はママのところに赤ちゃん運んであげて
これほんと一番助かったことです。どんな時、お腹が一番痛いかって、「赤ちゃんをベッドから持ち上げる時」なんですね。
赤ちゃんがおっぱいを欲しがって泣いている……ママは傷の痛みから、座っているところから立ち上がり赤ちゃんのところへ向かって抱き上げるって、すべての動きに腹筋を使うのですごく痛みを伴うんです。
なので、赤ちゃんが泣いたら、パパや家族が赤ちゃんを抱っこしてママのところへ連れていき、ママが楽に授乳できるサポートをしてあげてほしいです。
2.赤ちゃんが寝ている時はママも休ませてあげて
傷口がまだ痛む時は、慣れない育児と、激しい痛みで、先が見えない程落ち込んでしまうもの。
そんな時、少しでもママの体と心が休めるように、赤ちゃんが寝てるときは、ママにもゆっくり休める環境を作ってあげてほしい。例えば、
- 食事の用意を手伝う(パパがお料理を得意じゃなければ、買ってきたっていいんです)
- 洗濯をしてあげる(新生児は吐き戻しも多いので洗濯が多い)
- 部屋の掃除(部屋がキレイだと心が落ち着きます)
是非ママの希望を聞いてあげて良い環境を整えてあげてくださいね。
3.ママのかわりにオムツを替えてあげて
最初の1週間だけでもいいです。ママの代わりに赤ちゃんのオムツをできるだけ替えてあげてほしいです。
新生児の赤ちゃんはオムツ替えが多く、お肌もデリケートなので、ママはなるべく早くオムツを替えてあげたいと思っています。
しかし床でオムツを替えるとしても、専用の台やベッドで替えるとしても、その度にママのお腹に力が入り、かなりの苦痛です。
なのでパパや家族には、オムツ替えを進んでやってほしいです。
4.忙しいママに飲み物をあげてほしい
帝王切開後はとにかくお腹が痛いので、便意があっても上手に踏ん張れません。それにママは赤ちゃんのお世話で忙しく、意外と水分補給を忘れがちに。
些細なことかもしれませんが、お通じがきちんとあるだけで余計な心配が一つ減ります。リラックスタイムを設ける意味でも、ぜひママに飲み物を用意してあげてください。
5.ママに感謝の気持ちを
帝王切開をしたというだけで、心のどこかで「ちゃんとしたお産ができなかった」と思い悩んでいるママが多いです。赤ちゃんに会えた「ありがとう」の気持ちをママに伝えてほしい。
命をかけて帝王切開に挑んだママに「頑張ったね」とほめてあげてほしい。ママと赤ちゃんが無事に今生きていることは何にも代えられない幸せなことです。
毎日、頑張っているママに、毎日感謝の気持ちを。これは一番大切にして欲しいと思います。
ママは妊娠から出産、もちろん産後もずっと頑張っています
私は初めての妊娠・出産を海外で経験しました。帝王切開後、たった3日間で退院。娘を連れて家へ帰ってきた時の不安は今でも忘れられません。
激しい痛みと、忙しい育児で、身も心もボロボロでした。でも、赤ちゃんはどんどん大きくなって、ママもどんどん体力が必要になります。
1歳になった娘を見て、帝王切開の傷が一番痛かった、最初の1ヶ月が一番手のかからなかった時期だと思います。なので頼れる人がいるなら、とことん頼って体の回復を最優先にしてほしいです。
この記事を読んでくださったママ本当に毎日お疲れさまです。そしてこの記事を読んでくださったパパやご家族の皆さん、どうかママを大切に労わってあげてくださいね。
清水先生からの補足
この事例は海外のケースのため退院も早く、術後の疼痛管理(痛みの管理)も十分ではなかったのかもしれませんが、日本ではよほど超緊急な帝王切開である場合を除いて、通常は術後の痛み止めとして使える「硬膜外麻酔」という麻酔を行います。そのため、術後2~3日間の最も痛みが出やすい時期は、背中から入っている管から痛み止めを自分のペースで追加でき、術後も痛みのコントロールがしやすくなります。
また、お腹の傷がしっかりつくまで、1週間から10日間は入院しているので、その間に体力を回復させるとよいでしょう。とは言え、退院後の大変さは上記の体験談と同じです。夫でも、自分の母親でも、行政の産後訪問でもよいので、とにかく人の手を借りて自分は休める環境を整えましょう。