卒乳はいつ?赤ちゃんがおっぱいを自然にやめる時期
おっぱいのやめ方にさまざまな方法があります。一般的に「断乳」と「卒乳」があり、前者はママや赤ちゃん、家庭の事情など何らかの都合で授乳を続けられずにやめること、後者はママも赤ちゃんもそろそろやめようと納得の上でやめることを言います。
卒乳の場合は、赤ちゃんが自然におっぱいから離れていくので、ママも赤ちゃんも満足した気持ちになりやすいかと思います。ただおっぱいをやめる時期はそれぞれの赤ちゃんやママによって異なり、いつまでにやめるという決まりはありません。
もちろん、何らかの事情で授乳をやめざるを得なくなってもそれは決して悪いことではありませんし、誰かに責められることでも全くありません。
母子手帳の記載も…
最近は1歳を過ぎても無理に母乳をやめさせる必要はないという考えが主流になってきて、平成14年からは、母子手帳からも「断乳」という言葉が消えました。また、WHO(世界保健機関)では2歳までは母乳を与えましょうと言われています。
しかし、仕事に復帰しなければいけないなどのさまざまな理由で「おっぱいをうまくやめられたら...」と思う方も多いのではないでしょうか。WHOが2歳までといっているからといって、必ずそこまで続けないといけないということではありません。
- 独立行政法人 国立病院機構 大阪南医療センター「卒乳の時期っていつ?」(https://osakaminami.hosp.go.jp/section/cnt1_000109.html,2021年2月16日最終閲覧)
自然卒乳ができる赤ちゃんの特徴
卒乳は赤ちゃんが自然とおっぱいを欲しがらなくなるもの。多くの赤ちゃんの自然の卒乳時期は、おっぱいを吸いたいという欲求が消える生後9ヶ月から3歳半の間に起こるといわれています。
これには個人差があり、そのためこうやったら卒乳できる、というような方法はありません。しかし赤ちゃんが次のような様子であれば卒乳が近いかも知れません。
- 1人で歩ける
- 1日3回の離乳食を食べていて、母乳・ミルク以外から栄養が充分摂れている
- ママの言っていることが分かる
- おっぱい以外で水分補給ができる
赤ちゃんがこのような状態で、かつ授乳の回数が徐々に減っているようであれば「おっぱいやめる?」と本人に聞いてみるのも良いかも知れません。おしゃべりができる月齢であれば「うん、いいよ」とあっさりやめてしまう子もいるそうです。
逆に「まだ飲みたい!」と言う子もいます。体の成長に必要な栄養は食事で摂れていても、母乳は「心の栄養」だと言われます。ママが大変でなければ自然卒乳を待ち続けるのもありでしょう。
- ウィリアムシアーズ他「シアーズ博士のベビーブック」 (主婦の友社,2000年)
- 松井潔(監)「育児新百科」 (ベネッセコーポレーション,2018年)
スムーズに卒乳させるコツは?
そんな自然卒乳ですがどのように進めて、どのように子どもに伝えて卒乳へ導けば良いのか、初めてだとわからないですよね。卒乳には個人差があるとはいえ、スムーズな卒乳へ向けてのポイントをお伝えします。
自然卒乳の平均的な時期は?
先ほども解説したとおり赤ちゃんが自分でおっぱいを欲しがらなくなるのが「卒乳」です。当然ですがその「時期」は人それぞれ、個性があります。
育児書の「卒乳したのはいつですか?」という質問のアンケートによれば、回答者の卒乳した時期は割合は以下の通りでした。
・1歳になる前:24%
・1歳0ヶ月~1歳2ヶ月:39%
・1歳3ヶ月~1歳5ヶ月:14%
・1歳6ヶ月~1歳11ヶ月:16%
・2歳0ヶ月~3歳11ヶ月:7% ※1
このアンケートでは多くのお子さんが1歳~1歳半くらいまでに卒乳して親子が多いことがわかります。この卒乳の割合の内訳は、「子供が自然に飲まなくなった」が40%で、「ママが子供に授乳するのをやめた」が52%なので、卒乳と断乳の割合はだいたい半々ということです。
スムーズに卒乳させるためのコツは?
それではどのように「卒乳」してくれるために、お子さんに伝えていけば良いのでしょうか。お子さんを卒乳へ向けていく方法をいくつかお伝えします。
- 事前に子供に説明しておく
- 昼の授乳の時間に外に遊びに行く
- 一定の時間からやめていく
- 母乳の回数を減らしていく
- パパにも協力してもらう
卒乳を考える時期の子どもは、まだ大人の言葉を理解できていないと思えますがママの言葉をとてもよく理解しています。「あと○日でおっぱいバイバイね~」や「この日になったらバイバイね」と事前に伝えてあげましょう。また、まだ昼間授乳がある方は、その飲んでいる時間に公園や楽しいところに行って忘れさせてしまうという方法が有効です。
3と4は時間をかけて卒乳へ仕向けていく方法です。一定の時間からやめるのは、昼間はやめる、もしくは夜の授乳だけやめる、と決めてしまうことです。昼の方が、おやつや遊びなどに気持ちを向けさせることができるので楽かもしれませんね。
4の回数を減らすのは、いきなり断乳するのではなく徐々に減らしていくので、子どもにもママのおっぱいにも優しい方法だと思います。おっぱいのトラブルも少なく済みそうですね。
寝かしつけに授乳をしているという方は、パパがお休みの日などにおっぱいのないパパに寝かしつけてもらうことや、夜飲みたくて泣いたときにパパに抱っこしてもらうなどの方法もあります。寝かしつけはママじゃないと…という家庭もあるかと思いますが、夫婦2人の子どもです。ここはパパにもフル活躍してもらいましょう。
- ウィリアムシアーズ「シアーズ博士のベビーブック」 (主婦の友社,2000年)
- 松井潔(監)「育児新百科」 (ベネッセコーポレーション,2018年)
- 宋美玄他「らくちん授乳BOOK」 (メタモル出版,2018年)
- 安田修一(編)「ラクラク卒乳BOOK」 (主婦の友社,2014年)
私はこんな風に自然卒乳した!体験談
最後に自然卒乳についての体験談をまとめてみました。実際に卒乳したママはどうだったのでしょうか。赤ちゃんの個性の数だけ卒乳への道があります。
どのママも卒乳に関しては、少し寂しいという気持ちがあったようです。
体験談①徐々に減っていき、飲む日もあったり飲まなかったり…
その間にも離乳食が好きな時期、おっぱいが好きな時期ありましたよ(o^^o)
卒乳し始めた時も、おっぱい1日おきで昨日は飲まなかったけど今日は飲むんだ〜笑という日もありました。そんな感じだったのでおっぱい張らなかったのかもしれないです。

こちらの赤ちゃんは離乳食の完了とともに授乳回数が減ってきたようです。飲む日もあったり飲まない日もあったりという感じで本当に自然に卒乳できたのですね。
このように自然と回数が減っていく場合はその後のおっぱいトラブルも少なそうですね。
体験談②それはある日突然やってきた!
こちらの赤ちゃんも、やはり離乳食が進んで昼間は授乳しなくなっていたのですね。しかし寝かしつけはおっぱいだろう、と思って赤ちゃんを見たら…一人で寝ている。ママにとっては驚き半分、寂しさ半分かもしれませんね。
また体験談ではこの日は1歳半で突然にやってきたとあります。歩けるようになって昼間たくさん遊ばせると夜はぐっすり寝てくれるとも言いますので、ちょうどそのタイミングだったのかも知れません。
体験談③だんだん時間をかけて…
起きた時は、湯冷しや抱っこでしのぎました。
夜中をやめると、一晩まとめて寝るようになり、そのあとに昼間をやめました。
最後に、寝起きの授乳をやめましたが、これがなかなか曲者で、お腹が空いて早朝に起きるように😱
その時は、フォローアップをマグで与えてまた寝かせました笑

この方は断乳したといより、「だんだん卒乳できるように仕向けていった」という感じですね。おなかがすいてしまったときはマグの中にフォローアップミルクを入れるというのもとても良い案です。
いきなり明日から絶対あげない!となってしまうとママも子どももつらいので、このように自然卒乳していけるのが理想的ですね。
体験談④混合の場合は、哺乳瓶をマグに変える方法も

混合の場合は哺乳瓶からマグに変えることでミルクをやめるきっかけになる場合もあるようです。哺乳瓶と違ってマグだとそんなにゴクゴクと飲めないのかもしれませんね。
ママも赤ちゃんも笑顔で自然卒乳!時期は一緒に決めましょう
多くのママが体験談で語っているように、赤ちゃんが母乳やミルク以外の楽しみを見つけたとき、自然と離れていくようです。
もちろんママや赤ちゃんが母乳を続けることが大変であれば、卒乳ではなく断乳するというのも良いでしょう。その場合もできるだけ赤ちゃんが納得するように事前に言い聞かせていくのが良いと思います。
まだ言葉も分からない赤ちゃん…と思っても、ママの気持ちや状況の理解はできるものだと思います。ママも赤ちゃんも笑顔で卒乳できる日のために、おっぱいについてお話してみるのも良いですね。