1. トップ
  2. 赤ちゃん・育児
  3. 新生児・乳児の病気・トラブル
  4. 新生児・乳児の病気の基礎知識
  5. 【医療監修】新生児が熱を出した!医療機関への受診目安と発熱を起こす疾患

監修:齋木啓子

【医療監修】新生児が熱を出した!医療機関への受診目安と発熱を起こす疾患

新生児期に熱が出てしまった場合、赤ちゃんの身体では何が起こっているのでしょうか?生まれてから3ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、ママからもらった抗体の働きによって、病気が原因で発熱することはほとんどありません。しかし、体温調節機能が未熟のため、服の着せすぎなどによって体温が上がってしまう可能性があるのです。焦って病院に駆け込む前に確認したいことと病院の受診目安、新生児の発熱を引き起こす疾患について説明します。

PIXTA

新生児が発熱する原因

生まれたばかりの赤ちゃんは、さまざまな細菌やウイルスとたたかう免疫を自分で作り出すことができません。そのため、生まれる前にお母さんから抗体を受け取っていて、赤ちゃん自身が細菌やウイルスとたたかうようになるまで、その抗体が赤ちゃんを守ってくれるのです。

生まれてからも、母乳に含まれる抗体によって守られますが、生後3~6ヶ月くらいから免疫が減少してくるため、その時期からいろいろな感染症にかかりやすくなっていきます。

発熱は、さまざまなウイルスや細菌とたたかう際に起こる正常な反応で、発熱自体は決して悪いことではありません。しかし、新生児と呼ばれる生後28日未満では、通常あまり発熱することはない時期のため注意が必要です。

新生児は体温調節機能が未熟

新生児 PIXTA

生まれたばかりの赤ちゃんの体が熱いと、ママとしては焦ってしまうかと思います。しかし、焦って病院に駆け込む前にまず確認するべきことがあります。

乳幼児は体温調節機能が未熟で、大人よりも体温の変動が激しいという特徴があります。個人差はありますが、平熱も35.0~37.4度と幅があります。

特に、生まれて間もない新生児は、洋服の着せすぎや部屋の暖めすぎによって、すぐに体温が上がってしまいます。もしも赤ちゃんの身体が熱いと感じたら、服を着せすぎていないか、また室温が高すぎないかどうか確認しましょう。

また、1日の中でも、朝よりも午後の方が、そして母乳やミルクを飲んだあとも体温が高めになりますので、普段から平熱がどれくらいかを確認しておく必要があります。

出典元:
新生児の平熱はどのくらい?体温の測り方とおすすめの体温計3選

関連記事:

新生児の平熱はどのくらい?体温の測り方とおすすめの体温計3選

新生児や乳児の平熱は大人よりも1度高いとよく言われますが、自分のお子さん…

病院の受診目安

おむつ PIXTA

赤ちゃんの服を脱がし、室温を調整しても、まだ熱があるという場合は、病院の受診が必要です。特に、以下のような状態は危険ですので、すみやかに受診すべきです。

  • 機嫌が悪くぐずる
  • 元気がない
  • 母乳やミルクの飲みが悪い
  • 繰り返しおう吐する
  • おしっこの量が少ない
  • 呼吸が苦しそう

新生児のころは、あまり表情が豊かではなく、手足の動きも活発ではないため、元気かどうかの判断が難しいという場合もあるでしょう。そういった場合には、母乳やミルクの飲みが悪いというのも大きな目安となります。

子供が熱を出すことはよくありますが、新生児となれば話は別です。すぐに病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。新生児期では、まだかかりつけの小児科がない場合があると思いますが、そういったときには出産した産院に連絡してみましょう。

子供に適した「かかりつけ医」はどうやって探す?医師が語る十の極意

関連記事:

子供に適した「かかりつけ医」はどうやって探す?医師が語る十の極意

ママたちはどのように子供のかかりつけ医を探し、どのように病院を選んでい…

新生児の発熱を引き起こす疾患

新生児 PIXTA

新生児の高熱を引き起こす病気には下記のようなものがあります。

  • 尿路感染症
  • 肺炎
  • 髄膜炎
  • 敗血症

これらの病気による発熱の場合、早く治療を始めることが重要です。たとえ、これらの病気でなかったとしても、一度先生に診てもらうと安心ですよ。

出典元:
1か月健診の赤ちゃんとママの内容と持ち物は?費用や時間、質問の体験談も

関連記事:

1か月健診の赤ちゃんとママの内容と持ち物は?費用や時間、質問の体験談も

病院で赤ちゃんを出産して退院したら、しばらくは赤ちゃんと家で過ごした後…

まずは落ち着いて、発熱以外の原因を探りましょう

新生児 PIXTA

一人目の子育てであれば、生まれたばかりの新生児を育てるママは初めてのことばかりの時期ですよね。「赤ちゃんの体が熱い」と思うと、慌ててしまう気持ちはよくわかります。

しかし、ご説明した通り、赤ちゃんは体温調節機能がまだまだ未熟のため、病気による発熱ではない可能性もあるのです。

ママが赤ちゃんのちょっとした変化に気付くことは大切ですが、まずは冷静になって、服を着せすぎていないか、部屋の温度は適切かを確認しましょう。

医療機関を受診する場合も、まずは電話で確認するなど冷静に対応することが必要ですよ。

記事の監修

家庭医、在宅医

齋木啓子

2004年島根医科大学卒。独立行政法人国立病院機構姫路医療センターにて初期研修、CFMDにて家庭医療後期研修および在宅フェローシップ、Leadership Training Fellowship-distant(LTF-distant)修了。
12年にふれあいファミリークリニックを開設し、院長として勤務。17年にEU Business SchoolにてMaster of Business Administrationを取得し、LTF-distant運営・指導に当たっている。現在は悠翔会在宅クリニック新橋で院長として勤務。
家庭医療専門医、在宅医療専門医、経営学修士。

おすすめ記事

「新生児」「熱」 についてもっと詳しく知る

話題の記事

出典元一覧

本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

カテゴリー一覧