新生児が発熱する原因
生まれたばかりの赤ちゃんは、さまざまな細菌やウイルスとたたかう免疫を自分で作り出すことができません。そのため、生まれる前にお母さんから抗体を受け取っていて、赤ちゃん自身が細菌やウイルスとたたかうようになるまで、その抗体が赤ちゃんを守ってくれるのです。
生まれてからも、母乳に含まれる抗体によって守られますが、生後3~6ヶ月くらいから免疫が減少してくるため、その時期からいろいろな感染症にかかりやすくなっていきます。
発熱は、さまざまなウイルスや細菌とたたかう際に起こる正常な反応で、発熱自体は決して悪いことではありません。しかし、新生児と呼ばれる生後28日未満では、通常あまり発熱することはない時期のため注意が必要です。
新生児は体温調節機能が未熟
生まれたばかりの赤ちゃんの体が熱いと、ママとしては焦ってしまうかと思います。しかし、焦って病院に駆け込む前にまず確認するべきことがあります。
乳幼児は体温調節機能が未熟で、大人よりも体温の変動が激しいという特徴があります。個人差はありますが、平熱も35.0~37.4度と幅があります。
特に、生まれて間もない新生児は、洋服の着せすぎや部屋の暖めすぎによって、すぐに体温が上がってしまいます。もしも赤ちゃんの身体が熱いと感じたら、服を着せすぎていないか、また室温が高すぎないかどうか確認しましょう。
また、1日の中でも、朝よりも午後の方が、そして母乳やミルクを飲んだあとも体温が高めになりますので、普段から平熱がどれくらいかを確認しておく必要があります。
- 電子政府のe-Gov「母子保健法」(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40HO141.html,2017年8月3日最終閲覧)
- 生馬医院「こんな時どうしたらいいの?」(http://www.ikomaiin.com/akachan/doushitaraiino.html,2017年8月3日最終閲覧)
- 岩田病院「新生児Q&A」(http://iwata-hospital.com/iw-54-shinseijiQA.html,2017年8月3日最終閲覧)
- まつだあかちゃんこどもクリニック「こどもの症状とその対応/発熱」(http://www.matsuda-bcc.com/mama/n_show.php?tid=14036227226e8ddf62a469323d7e4b0ad1f873e8e4,2017年8月3日最終閲覧)
- 秋山こどもクリニック「はじめての発熱」(https://www.akcl.jp/colum/co50cat4.html,2017年8月3日最終閲覧)
- いしいこどもクリニック「赤ちゃんの発熱と対処法」(http://www.ishii-kodomo-clinic.net/sick/post_13.html,2017年8月3日最終閲覧)
病院の受診目安
赤ちゃんの服を脱がし、室温を調整しても、まだ熱があるという場合は、病院の受診が必要です。特に、以下のような状態は危険ですので、すみやかに受診すべきです。
- 機嫌が悪くぐずる
- 元気がない
- 母乳やミルクの飲みが悪い
- 繰り返しおう吐する
- おしっこの量が少ない
- 呼吸が苦しそう
新生児のころは、あまり表情が豊かではなく、手足の動きも活発ではないため、元気かどうかの判断が難しいという場合もあるでしょう。そういった場合には、母乳やミルクの飲みが悪いというのも大きな目安となります。
子供が熱を出すことはよくありますが、新生児となれば話は別です。すぐに病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。新生児期では、まだかかりつけの小児科がない場合があると思いますが、そういったときには出産した産院に連絡してみましょう。
新生児の発熱を引き起こす疾患
新生児の高熱を引き起こす病気には下記のようなものがあります。
- 尿路感染症
- 肺炎
- 髄膜炎
- 敗血症
これらの病気による発熱の場合、早く治療を始めることが重要です。たとえ、これらの病気でなかったとしても、一度先生に診てもらうと安心ですよ。
- こまだアレルギークリニック「Ⅰ.発熱」(http://www.komada.jp/kyukyu1.html,2017年8月3日最終閲覧)
- たかのクリニック「熱が出た」(http://www.takano-c.net/pc/homecare/homecare.php?no=1,2017年8月3日最終閲覧)
- 藤原小児科クリニック「子どもの発熱 ~病気のとき~」(http://www.fujiwarashounika.com/topic001.shtml,2017年8月3日最終閲覧)
まずは落ち着いて、発熱以外の原因を探りましょう
一人目の子育てであれば、生まれたばかりの新生児を育てるママは初めてのことばかりの時期ですよね。「赤ちゃんの体が熱い」と思うと、慌ててしまう気持ちはよくわかります。
しかし、ご説明した通り、赤ちゃんは体温調節機能がまだまだ未熟のため、病気による発熱ではない可能性もあるのです。
ママが赤ちゃんのちょっとした変化に気付くことは大切ですが、まずは冷静になって、服を着せすぎていないか、部屋の温度は適切かを確認しましょう。
医療機関を受診する場合も、まずは電話で確認するなど冷静に対応することが必要ですよ。