1ヶ月健診とは?
1ヶ月健診は、赤ちゃんが生まれてから1ヶ月経過した頃に実施されますが、基本的に出産した産婦人科で行われます。産後1ヶ月の健診は、赤ちゃんだけでなくママも受けますが、病院によっては、赤ちゃんとママの健診が別日に設定される場合もあります。
1ヶ月健診を含む乳幼児健診は、赤ちゃんの成長や発達のチェック、ママの体の回復状況を確認する機会です。育児に対する不安などがあれば、医師や助産師に相談もできますよ。
また出産後に乳児医療証が発行されますが、基本的に1ヶ月検診は赤ちゃんも自費です。ただし、赤ちゃんの健診費用のみ無料にしている病院や、自治体で乳児健診に対して助成制度を設けているところがあります。1ヶ月健診を受診する予定の病院やお住まいの自治体へ、事前に費用について確認することをおすすめします。
1ヶ月健診当日の持ち物
- 母子手帳
- 赤ちゃんとママの健康保険証
- 乳児医療証
- 乳児健診申込用紙
- 病院の診察券
- おむつ
- 赤ちゃんの着替え
- ミルク…など
1ヶ月健診の費用は原則自費ですが、健康保険証、乳児医療証は健診時に治療や薬が処方された場合、助成を受けるために必要となるため忘れず持参しましょう。
また、やむを得ない事情によって1ヶ月健診までに赤ちゃんの健康保険証の発行が間に合わないことも考えられます。その場合は、保険の手続き中であることを証明する「健康保険被資格者証明証」を発行してしてもらいましょう。健診時に病院で提示すると、仮の保険証として使用できます。
さらに、外出時に授乳やおむつ替えが必要となることがあるため、おむつやミルク、赤ちゃんの着替えといったアイテムも用意しておきましょう。
- 天使病院「1ヶ月健診」天使病院(http://www.tenshi.or.jp/shinryouka/sanfujin/sanka/month.html,2019年8月22日最終閲覧)
- 小西こどもクリニック「乳幼児健診」(https://www.konishi-cl.jp/kenshin/index.html,2019年8月22日最終閲覧)
- 土屋恵司(監)「最新版らくらくあんしん育児」P42~43(学研プラス,2017年)
- 赤川クリニック「産後のサポート」(http://www.akagawaclinic.jp/support/#box02,2019年8月22日最終閲覧)
- 堀病院「乳幼児健診」(https://www.hori-h.or.jp/child/examination.html,2019年8月23日最終閲覧)
- ベルンの森クリニック「よく受ける質問」(http://www.bern-cl.jp/sp/qa/qa6.html,2019年8月28日最終閲覧)
- 小西こどもクリニック「乳幼児健診」(https://www.konishi-cl.jp/kenshin/index.html,2019年8月28日最終閲覧)
- 荻田和秀(監)「最新版らくらくあんしん妊娠・出産」P185 (学研プラス,2017年)
- つだ小児科クリニック「1ヶ月健診」(https://www.tsudashonika.com/1month-2/,2019年8月29日最終閲覧)
- 楢原産婦人科「産科の主な診療」(http://narahara-lc.com/narahara_sanka.html,2019年8月29日最終閲覧)
- 愛和病院「赤ちゃんの保険証・乳幼児医療証について」(http://aiwa-hospital.or.jp/pdf/data04.pdf,2019年8月29日最終閲覧)
1ヶ月健診を行う目的は?
1ヶ月健診(乳幼児健康診査)は、一般的に出産した医療機関で行われ、母子の健康状態や退院後の経過をチェックするのが主な目的です。
その後も定期的に健診は行われますが、1ヶ月健診は出産して退院してから初めての健診となることもあり、赤ちゃんが順調に育っているかどうか、ママの体は健康かどうかなどを確認してもらう大切な機会なのです。
1ヶ月健診で赤ちゃんに対して行うこと
1ヶ月健診では、赤ちゃんの成長や発育状態を確認します。ここでは、1ヶ月健診で主に赤ちゃんに対して確認する項目について詳しくご説明します。
身体測定
1ヶ月健診ではまず身体測定を行います。生後1ヶ月の平均身長と体重は以下の通りです。
- 身長:50.9~59.6cm(男の子)、50.0~58.4cm(女の子)
- 体重:3,530~5,960g(男の子)、3,390~5,540g(女の子)
生まれてから1ヶ月で赤ちゃんがどのくらい大きくなったのかをチェックします。性別によって成長の度合いは異なることがわかりますね。1ヶ月健診では身長や体重の他、頭囲、胸囲などを測定します。
全身のチェック
赤ちゃんの全身をチェックして異常がないかを調べます。先天的な異常がないかどうかや股関節の開き具合、脱臼していないかどうかもチェックします。
また、視力の確認を行います。まずは目の色や瞳孔を確認し、はっきりとした色のおもちゃなどの目標物を目で追えるか確認します。
原始反射のチェック
1ヶ月健診では、生まれながらに持っていている以下のような原始反射の確認をします。
- 吸てつ反射
- モロー反射
- 把握反射
吸てつ反射は、赤ちゃんの口のそばに指を持っていくと吸いつく反射のことです。生まれてすぐに母乳やミルクを飲めるようになっています。
その他にも体に何か触れたときや大きな音がしたとき、とっさに何かにつかまろうとして両手両足を広げる「モロー反射」や赤ちゃんの手のひらに指で触れるとぎゅっと握り返す「把握反射(はあくはんしゃ)」があります。
原始反射は新生児期のみにみられるもので、成長とともに消失していきます。
ケイツーシロップを飲ませる
赤ちゃんは体内でビタミンKを作ることができないため、ビタミンKが不足しやすくなります。また、母乳もビタミンKの含有量が少ないため、1ヶ月健診で投与する病院があります。また、病院によっては、生後3ヶ月まで週に一度ケイツーシロップを飲ませるよう親に推奨することもあります。
- かるがもクリニック「ビタミンK投与ガイドライン」(https://www.karugamo-cl.jp/index.php?QBlog-20120924-1,2019年8月23日最終閲覧)
- ふかざわ小児科アレルギー科「赤ちゃんにビタミンK2シロップの毎週投与を!」(http://www.f-clinic.jp/2018/01/k2-1.html,2019年8月23日最終閲覧)
- 岡空小児科医院「母乳栄養児ビタミンK2シロップ投与外来」(http://www.top-page.jp/site/page/okasora/NEWS/VK2/,2019年8月23日最終閲覧)
- 土屋恵司(監)「最新版らくらくあんしん育児」P16.38.42.43(学研プラス,2017年)
- 松井潔(監)「最新!育児新百科」P40.43(ベネッセコーポレーション,2017年)
- やはたウィメンズクリニック「母乳外来・2週間外来・1ヵ月健診」(http://www.ywclin.com/gairai/,2019年8月23日最終閲覧)
産後1ヶ月健診でママに対して行うこと
出産後1ヶ月が経過したらママも産後1ヶ月健診を行います。体の状態だけでなく産後育児に対する不安など、精神面でのフォローも行います。健診の内容をみていきましょう。
- 体重測定
- 血圧測定
- 尿検査
- 血液検査
- 悪露の量や状態の確認
- おっぱいチェック(母乳育児の場合)
- 子宮の状態を見るための内診
- 問診、育児相談
出産後の1ヶ月健診では、まず身体測定や血圧測定、血液検査などをチェックします。また、内診では子宮の回復具合や悪露の状態を確認しますが、経過が順調で医師の許可が出れば通常の生活に戻ることが可能です。産後1ヶ月健診が過ぎたら、赤ちゃんと一緒に入浴もできるようになりますよ。
この時期は、健診だけでなく自治体が行っている新生児訪問もあります。住んでいる自治体の保健師や助産師が家庭を訪問し、赤ちゃんの成長や発育、母乳や育児に関する悩みなどの相談を受けてくれます。
健診を受ける際に気を付けるポイント
服装は母子ともに楽に脱ぎ着ができるものを選びましょう。また、待ち時間が長くなることもあるため、ミルク育児の場合は、少し多めにミルクを持参しておくとよいかもしれません。
交通手段としてもできれば家族に運転してもらうか、タクシーなどを利用しましょう。また育児に対しての悩みや不安、日々聞きたくても聞けないことなどメモしておきこの機会に聞けるとよいですね。
- 土屋恵司(監)「最新版らくらくあんしん育児」P43(学研プラス,2017年)
- 荻田和秀(監)「最新版らくらくあんしん妊娠・出産」P185(学研プラス,2017年)
- 共立さわらぎ産婦人科「母児の一カ月健診」(https://sawaragi-hosp.jp/care/page05.php,2019年8月23日最終閲覧)
- 東大阪市「保健師からのメッセージ(生後1か月)」(http://www.city.higashiosaka.lg.jp/kosodate/0000021879.html,2019年8月23日最終閲覧)
1ヶ月健診に関する先輩ママの体験談
実際に1ヶ月健診を体験したママから、かかった時間や費用、健診の内容などについての体験談が寄せられていますのでいくつか紹介します。
1か月健診にかかった時間は?
出産の前には妊婦として何度も検診を受けたことと思いますが、必要なこととわかっていても、待ち時間が長いと疲れてしまいますよね。
1ヶ月健診の場合は赤ちゃんを連れていることもあり、あまり時間はかけたくないものですが、ママと赤ちゃんの両方を検査するため、どうしても2~3時間くらいはかかってしまうことを覚悟しておいたほうがよさそうです。
1ヶ月健診で赤ちゃんはどのように連れて行った?
付き添いありの方は素手でおくるみの方が多かったですが、終わるまで2〜3時間かかって赤ちゃんもグズったりするので私は抱っこ紐持っていってて良かったなと思いました。
ベビーカーはちょっと邪魔になるかも?という感じですかね🤔
一応、私のみの検診の時は前の方が赤ちゃんをベビーカーで連れてこられていて、診察室にそのまま残されていました(笑)
私の検診の時に同じ空間にほかの人の赤ちゃんがいる感じです🤣
1ヶ月健診では赤ちゃんも連れて病院に行くので、ママの負担になりにくく、周りにもなるべく迷惑にならないような方法で連れていきたいですね。
ベビーカーは赤ちゃんを連れての移動に便利ですが、あまりスペースがないと邪魔になってしまうので、抱っこ紐で連れて行くのがよさそう。心配な場合は、パパや家族の人に付き添ってもらうと安心です。
1か月健診の費用は?
1か月健診の費用は一般的に保険適用されないので自費での支払いとなります。料金の目安としては、6,000円~10,000円程度が相場のようですが、病院によっても異なりますし、産後検診が費用に含まれている場合もあるので、事前に確認しておくと安心です。
また、自治体によっては助成金が出ることもあるので、まずはチェックしてみてくださいね。
1か月健診でどんなことを聞かれた?
産後検診も診察して何か気になる事ありますか?ぐらいで終わりです🙃!
なので気になる事や聞きたい事があれば忘れないように母子手帳の1ヶ月の記録にメモしておく程度で大丈夫だと思います🙆!
1か月健診ではママの状態も確認されますが、それは体の健康だけでなく、育児に疲れていないかどうか、ストレスを感じていないか、相談できる人はいるかなど精神的な面でのチェックでもあります。
聞かれたことに答えるだけではなく、この機会に育児で悩んでいることや不安なことなどを相談してみるとよいのではないでしょうか。
1ヶ月健診で赤ちゃんの成長とママの体調を見てもらいましょう
1ヶ月健診は、赤ちゃんが健康できちんと成長しているかどうか、病気など隠れていないかどうかを確認するだけではありません。ママの健康状態や育児の悩みなどを相談することで、病院側が育児の情報を提供または共有し、ママの悩みや不安を取り除くことを目的としています。
出産・退院後にあまり外出する機会のなかった方は、初めて赤ちゃんを連れて出かけることに不安を覚えるかもしれませんが、今回紹介した1ヶ月健診に必要な持ち物や費用、内容などを把握しておけば少しは安心できるのではないでしょうか。
そして、育児について疑問に思っていることや気になっていることなどありましたら、1ヶ月健診の機会に相談して不安を解消してくださいね。
生後1か月の赤ちゃん育児についてもっと知りたい方は、以下からごらんになれます。