話題の経済ニュース「マイナス金利」ってなんだろう?
1月29日、"日銀がマイナス金利を導入へ"ということが大きなニュースになりました。
「え!私の銀行預金の金利がマイナスになっちゃうの?」と不安になった人もいるのでは?何を隠そう、筆者がその1人です。
でも、調べてみるとそういうことではなさそうです。
じゃあ、マイナス金利ってどういうこと?実際、私たちの生活にどういう影響があるんだろう?次々と浮かぶ疑問…。誰か教えて!
ということで、マイナス金利について気になるあれこれを調べてみました。
そもそも「金利」とは?
「金利」とは、お金を貸し借りする時に発生するレンタル料のようなものです。
例えば、レンタルCD屋さんでCDを借りる時、お金を払いますよね?お金を借りる時も同じように、借りる側が貸す側にお金を払います。
私たちが銀行に預金をすると、利子がつきます。これは私たちがレンタルCD屋さんの立場で、銀行にお金を貸しているという状況なのです。借りる側の銀行が利子、つまり金利を払ってくれているのです。
日銀(日本銀行)は、私たちが普段使っている民間銀行が口座を持って預金をする銀行で、そこには金利が発生しています。
今回、日銀がその金利をマイナスにすると発表したのです。
これまでと「マイナス金利」はどう違う?
これまでは民間銀行が日銀に預金をして、民間銀行は金利を受け取っていました。ところが、今後は預金の一部についての金利がマイナスになるので、民間銀行はさらに金利分(今回は0.1%)を支払うことになります。
え?お金を預けて、その上に金利分も払うの?
なんだか民間銀行は損じゃないかと思いますよね。そうなんです。民間銀行にとっては、あまりメリットがないんです。
でも、日銀は金利をたくさんもらって儲けようとしているわけではないんですよ。
マイナス金利の狙いは?
民間銀行は金利を払って日銀に預金をするよりも、企業などに融資をした方がいいのでは、ということになります。
今まで日銀に預ければ金利がもらえていたので預けていた一部のお金を、市場に出して経済を活性化させようということが今回のマイナス金利の狙いなのです。
何もしなくても0.1%の金利を払うことになるくらいなら、どんなに低金利でも貸した方がお得ですよね。
例えばそこで融資を受けたある工場の設備が整って新製品が生まれて、それを私たち消費者が買う、という風にお金が動くようになった方が景気が良くなるわけです。
なぜ今マイナス金利にしたの?
日本の株価は年明けから下落し、円高も続いてきました。今まで市場に出回るお金の量を増やそうとした「量的緩和」という政策にもそろそろ限界を感じていました。
そして、現政権では景気が良くなったという目安になる物価上昇率の目標を掲げていて、その到達時期を2016年前半から後半に修正しています。
目標を達成するのが難しく、さらに時間がないということで、ここらへんで新しい一手が必要だったのです。
マイナス金利で私たちの生活にどんな影響が?
ここまでの話で、なんとなく「マイナス金利」について理解できたでしょうか。
では、その日銀と民間銀行の金利の話は、私たちの生活にどんな影響があるのでしょうか?
「こうなるかもしれない」という可能性の話ですが、現時点で考えられるメリットとデメリットをまとめてみました。
メリット:住宅や車のローンの金利が下がる?
民間銀行は、これまで日銀に預けていて受け取っていた金利分の利益を他から出さないといけなくなります。そうなると、「どんなに低い金利でも借りてほしい!」ということで、住宅や車のローンの金利が下がるかもしれません。
住宅も車も、結婚や出産などのタイミングで考える大きな買い物。金利は低ければ低い方がいいですよね。
デメリット:銀行預金の金利が下がる?
これまで金利で受け取っていた分の利益がなくなるので、当然民間銀行内のお金がなくなります。ということで、私たちが預けているお金に対する金利も低くなるかもしれませんね。
これまでも銀行預金の金利ってすごく低かったので、さらに低くなったところであまり変わらないかもしれませんが。
経済ニュースに注目して、家計を守ろう!
日銀のマイナス金利が2月16日から導入されると発表され、株価は上がって円は下がりました。
今後、円安で輸出が活発になって企業が儲かって賃金が上がるかもしれないし、円安が進みすぎて輸入食材の値段が上がって家計に影響があるかもしれません。
マイナス金利は日本で初めて導入された政策なので、実際には今後どうなるか予想がつきにくいのです。ポジティブにとらえて、「これをきっかけに、株でも始めてみようかな。」と思った人もいるのでは?
マイナス金利で一番の効果は、「マイナス金利しますよー!」と言ったことによって、市場のお金を動き回らせることかもしれないですね。
日銀は今までも新しい政策を次々と発表してきました。これから私たちの家計に直接関わる政策がでてくるかもしれないので、経済ニュースに耳を傾けておきましょう。