世の中の「妊婦様」叩きブームの到来
さてさて。
皆さんにとっての「妊婦さん」のイメージとはどのようなものでしょう?
ちらっとスマホを覗いたそこのあなた。子育て中にちょこっと時間の空いたママ。お仕事帰りでクタクタのパパ。お友達と待ち合わせをしている学生さん。
すみません、少しだけ私にお時間を!妊婦さんのイメージ、想像してみて下さい。
いかがですか?どんな妊婦さんの姿が頭に浮かび、またどんな思いが心をよぎりましたか?
今回のテーマは、まさにその「妊婦さん」に対する「世間の反応」について。
ちょっと恐い「妊婦様」叩きの話
先ほどから何度も使っている「妊婦様」という言葉。
皆さんは、今この言葉がネット上で飛び交っているのをご存知でしょうか?ここでいう「妊婦様」とは、自分勝手で周りの迷惑も考えず、自分が一番偉い!という態度を取る妊婦さんの事を言うそう。
そんな妊婦様に対する不満が、ネット上で爆発しているわけですが…。なんだかもう、考えただけで恐いですね。しかし、この妊婦様問題は、時に妊婦さんに対する嫌がらせや、さらには暴行などの事件にも繋がる、とても重大な社会問題なのです。
様々な妊婦様叩きのTweetの中で、最も多かったのは、電車の優先席について意見でした。
- 優先席の前で、いかにも譲ってとアピールしてくる
- 席を譲ったのにお礼も言わない
- お年寄りが来ても知らん顔。当たり前という態度で座り続ける
- 「妊婦なんですけど」と怪訝そうに言ってくる
- 旦那さんが奥さんを妊婦様と崇め、周りに罵声を浴びせる
などです。皆さんにもご経験があるかもしれませんね!
これを見る限り、妊婦さんへのイメージが悪い方に変わってしまうという世間の気持ちも、なんとなく理解出来る気がします。
とは言うものの、このような一部の妊婦様のせいで、常識のある妊婦さんへの嫌がらせや暴行事件が起きるという事は、とても残念で悲しい事です。
妊婦様叩きブームに妊婦になった私が感じたこと
今や社会問題化している、「妊婦様叩き」。
実は、そのブームの最中、私はまさに妊婦でした。電車で優先席の前に立つだけで妊婦様と思われるのではないか。体調が悪い時に優先的にシフトを変更してもらえる…。これって妊婦様?
妊娠中、色んな感情が渦巻く中で、自分がいかに妊婦様と思われないか…。いつしかそんな事を考えながら、誰よりも周りに気を遣って妊婦生活を送っていました。
しかし、実際に私が妊娠中だった約10ヶ月間、世間は私にとっても優しくしてくれました。こんな恐いブームの真っ只中でも…。いや、ブームだからこそ、埋もれている!
「本当は妊婦を妊婦様でなく、妊婦さんと呼んでくれる人の方が実は多いという事」。
今日は、妊婦様叩きブームにびくびくしていた私の前にあらわれた、7人の神様についてお話したいと思います。
私が子供に教えたい7人の神様。
あの時の「ありがとう」が今でもここにある事。
この記事をとおして、どうかあの人に伝わりますように…。
母子手帳を見てノンカフェインを進めてくれた店員さん
妊娠初期。
もらいたての母子手帳を見ていた私に、店員さんが、「おめでとうございます。ノンカフェインの紅茶もありますよ!」と声を掛けて下さいました。
自然に声を掛けて頂き、本当に感謝しています!あの時の紅茶、とっても美味しかったです。
満員電車の中で押し潰されないように守ってくれたサラリーマン
あれは、確か妊娠7ヶ月頃かな。
満員電車の中、必死の形相で手すりを握り、押し寄せてくる人の波から私を守ってくれたサラリーマンの方がいました。
私が先に電車を降りたのですが、「ありがとうございました!」の言葉に、イヤフォンをつけながら小さな声で「いえ」とだけ答えてくれました。
重い荷物を持ってくれた素敵なご夫婦
私の当時の職場は、不妊治療を専門とする病院でした。
だいぶお腹が大きくなってきた頃、カルテがびっしりと入った箱を持ってエレベーターに乗りました。その時、「え!大丈夫ですか?持ちます!持ちます!」という声。
診察に来られていたご夫婦の旦那様でした。さらに「大変ですね!元気な赤ちゃんが生まれるといいですね!」と笑顔でおっしゃる奥様。
なんて素敵なご夫婦なんだろう。このご夫婦のところにくる赤ちゃんは幸せだろうな♡本当にありがとうございました。
「今の時代の常識」を理解してくれたご年配の方
二人目を妊娠中、上の子とベビーカー、大量の荷物を持って電車に乗った時、年配ご夫婦に掛けられた言葉があります。
「今の時代の人って本当、大変ね~!凄いと思うわ!」
とっても嬉しい一言でした。
今から何十年か先、私もお二人の様になれたらいいな。ありがとうございました。
雨の日に傘を貸してくれた男子高校生
突然の大雨。濡れると風邪をひいちゃうし、どうしよう…。と思っていた時の事です。
トントン!「すみません、ちょっといいですか?」振り返ると「近いんで大丈夫です。」と傘を差し出す男子高校生。
高校生にとっては、妊婦さんに傘を差し出すなんて、凄く勇気のいる事だと思います。ありがとうございました。
大事な仕事を任せてくれた職場の上司
逆に、妊婦だからといって特別扱いをされない事が嬉しかった事もあります。それは「仕事」。
体調の悪い時などは、もちろん助けてもらったのですが、重要なポジションを任せてくれ、いつもと変わらず頼ってくれた事が、働く妊婦として一番嬉しかった事です。
仕事の場で求められた事は、自信にも繋がりましたし、女性としての生き方をより考えるきかっけともなりました。
一番の理解者である主人
2人目を妊娠中の事。少しだけ疲れてしまった時期がありました。そんな時、テーブルの上に主人かからのメモが。
「気合いを入れろ!お前は世界一の妻だ!」
主人らしい一言で、私の中に一気にパワーがみなぎりました。それぞれの立場で相手を尊重し、いつもありがとう。とお互いを労う事の大切さを実感しました。本当にありがとう。
妊婦はみんなが妊婦様ではない!
長くなってしまいましたが、今日は私が妊娠中に出会った7人の神様についてお話しました。
結局何が伝えたいか…。それは、妊婦様について色々言われるけれど、「妊婦みんなが妊婦様ではない!」という事。
そして、思いやってくれる誰かに、素直に「ありがとう」という気持ちを持っていれば、必ずいいことが返ってきます。
妊婦様叩きに埋もれる優しい声
実は、妊婦様叩きよりも、妊婦さんに対する思いやりの気持ちや、一緒にこの問題について考えよう!というプラスの声の方が多いんです。
とても素敵な事ですね!このような声こそ、世の中が一番注目すべきものです。
そして、多くの妊婦さん、また妊婦様と呼ばれる人たちの心にも、強く響く事を祈っています。
それぞれの立場で相手に感謝を
皆さんにとっての「妊婦さん」のイメージとはどのようなものでしょう?
ちらっとスマホを覗いたそこのあなた。子育て中にちょこっと時間の空いたママ。お仕事帰りでクタクタのパパ。お友達と待ち合わせをしている学生さん。
今思い浮かべた事が正解です!きっと世の中はそんなにすてたものではないはず!
そう信じて、スマホを閉じて下さい。お子さんの寝顔を見に行って下さい。お疲れ様です、気をつけて家族の元へ帰って下さい。お友達と素敵な思い出を作って下さい。
それぞれの立場で相手を思いやり、行動しましょう。それぞれの立場で判断し、我慢しましょう。それぞれの立場で考え、一緒に考えましょう。
私が出会った7人の神様たち。本当に、本当に感謝しています。ありがとうございました。