胸の張りの原因
女性の体はエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という二つの種類の女性ホルモンによってコントロールされています。
排卵が起こることによって、二つのホルモンの分泌量が一定周期で変化し基礎体温も変動していきます。胸の張りは、ストレスが溜まっているときや睡眠不足のときなど、ホルモンバランスの乱れが生じやすい状況で起こる症状です。
また、生理前や妊娠、乳腺の病気などさまざまな原因で起こると考えられます。
- 池田ゆう子クリニック「胸の張りはホルモンバランスの乱れ? 考えられる5つの原因とは」(http://www.ikeda-yuko.com/body-make-column/column136.html,2018年6月20日最終閲覧)
- 井上裕美(監)「病気がみえるvol.9婦人科・乳腺外科」P10(メディックメディア,2015年)
生理前症状によるもの
生理前は、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が増えるため乳房の乳腺組織が活性化します。血管の膨張などによって内側から圧迫され、乳房に張りや痛みを感じるようになります。
しかし、生理が始まればプロゲステロン(黄体ホルモン)は減少していくため、胸の張りは治まっていきます。
- 花レディスクリニック「生理でお悩みの方へ」(http://www.hanaladies-cl.com/pms/,2018年6月20日最終閲覧)
- サンヒルレディースクリニック「PMS(月経前症候群)」(http://www.sunhill-lc.net/gynecology/pms/,2018年6月20日最終閲覧)
妊娠によるもの
妊娠初期症状として胸の張りが起こることがあります。妊娠すると、乳腺や脂肪組織の増殖により胸の張りを感じるとともに胸が大きくなっていきます。生理が予定よりもかなり遅れていて、さらに胸の張りを感じる場合は妊娠の可能性も考えられるでしょう。
- 岡井崇(編)「標準産科婦人科学」P320(医学書院,2014年)
- ともこレディースクリニック「妊娠初期症状について その2」(http://tomoko-lc.com/blog/2018/06/09/妊娠初期の症状について その2/,2018年6月20日最終閲覧)
- オーククリニックフォーミズ「妊娠兆候」(http://www.oak-clinic.com/before/menu-05-01-2.html,2018年6月20日最終閲覧)
病気によるもの
胸の張りは乳腺疾患が原因となっている場合があります。しこりが複数個ある、乳頭から分泌物が出ているというような場合は病院で検査を受けるとよいでしょう。
乳腺症
乳腺症は胸にしこりや乳頭からの分泌物が出る30代~閉経前の女性に起こりやすい病気です。胸の張りや痛みといった症状が生理前に症状が出て、生理後に軽くなるようであれば、乳腺症の可能性があります。
基本的には経過観察ですが、乳がんとの見分けがつきにくいことがあるため、張りや痛みなどの症状がある場合は早めの受診が大切です。
- 見和中央クリニック「乳腺・甲状腺外科」(http://miwa-cc.jp/mammarythyroid.html,2018年6月20日最終閲覧)
- りょうクリニック 乳腺外科「乳がんについて」(http://www.ryo-clinic.com/breast_cancer.html,2018年6月20日最終閲覧)
- 中澤プレスセンタークリニック「乳腺症について」(http://www.nakazawa-pcc.net/mastopathy.php,2018年6月20日最終閲覧)
- 有本乳腺外科クリニック本町「症状と疾患」(http://arimotocl.com/info/medical_course/mastopathy/,2018年6月20日最終閲覧)
乳腺炎
乳腺炎は出産後の授乳期の女性に起こりやすい症状です。授乳したあとでも胸の張りや痛みを感じることがあり、母乳がうまく出ずに乳腺が詰まったり、授乳時に傷ついた乳頭から細菌感染したりすることで炎症が起こります。
搾乳をする、授乳間隔を短くするなどの対策をして母乳を溜めすぎないようにすることが大切です。症状が悪化すると発熱を伴った乳房の激しい痛みが起こることもあるため、早めにかかりつけの病院に相談するようにしましょう。
- 荻田和秀(監)他「最新版らくらくあんしん妊娠・出産」P167(学研プラス,2017年)
- りょうクリニック 乳腺外科「乳がんについて」(http://www.ryo-clinic.com/breast_cancer.html,2018年6月20日最終閲覧)
- 中澤プレスセンタークリニック「乳腺症について」(http://www.nakazawa-pcc.net/mastopathy.php,2018年6月20日最終閲覧)
- 有本乳腺外科クリニック本町「症状と疾患」(http://arimotocl.com/info/medical_course/mastopathy/,2018年6月20日最終閲覧)
乳がん
乳がんは女性の12人に1人はかかるといわれており、進行すると胸の張りや痛み、しこりといった症状が現れます。ごく早期に発見し治療ができれば完治も可能な病気です。
特に30代後半から60代前半くらいまでがかかりやすく、定期的に検診を受けることが大切です。乳がん検診は、最寄りの自治体でも定期的に行うように案内されています。少ない自己負担額で検査を受けられるため、定期的に検査を受けて早期発見に努めましょう。
- 井上裕美(監)「病気がみえるvol.9婦人科・乳腺外科」P276-277(メディックメディア,2015年)
- 品川区「乳がん検診」(http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kenkou/kenkou-byouki/kenkou-byouki-kenshin/hpg000013365.html,2018年6月20日最終閲覧)
- 国立がん研究センター「これから受ける検査のこと 乳がん検診」(https://www.ncc.go.jp/jp/cis/divisions/sup/project/070/brest_info_h29_02.pdf,2018年6月20日最終閲覧)
- 日本医師会「知っておきたいがん検診」(https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/how/have/,2018年6月20日最終閲覧)
- こうクリニック「診療案内」(http://www.kou-cl.com/annai.html,2018年6月20日最終閲覧)
- 有本乳腺外科クリニック本町「症状と疾患」(http://arimotocl.com/info/medical_course/mastopathy/,2018年6月20日最終閲覧)
胸の張りについての体験談
胸の張りにはさまざまな原因がありますが、特に生理前や妊娠による胸の張りを経験したことがある方は多くいるのではないでしょうか。
妊娠した時と生理の時の張り方が違った
こんな感じです、ちなみに乳首痛はなく痒いです。参考程度に🎵
個人差があるかもしれませんが、生理前の胸の張りと妊娠による胸の張りは違いがあるようです。張りや痛みの強さがいつもと違う場合は妊娠の可能性もあるかもしれませんね。
胸の張りで妊娠に気づいた
何となく妊娠しているかもしれないという感覚があって本当に妊娠していたというのは不思議な体験ですね。もしかしたら胸の張りがいつもと違っていたのかもしれませんね。
胸の張りにはさまざまな原因があります
胸の張りは、生理前や妊娠初期、婦人科系疾患などさまざまな原因が考えられます。生理前に起こる張りは、通常生理が始まると徐々に治まりますが、妊娠による胸の張りは生理予定日を過ぎてもしばらくは続くことがあります。妊娠を希望している場合は、妊娠検査薬を試してみるとよいでしょう。
また、胸の張りには乳腺症や乳がんといった乳腺の病気が潜んでいる可能性もあるため、定期的に検診を受けるようにするとよいですね。