断乳後のおっぱいトラブル
授乳中のおっぱいトラブルは聞きますが、断乳後もおっぱいトラブルに悩まされてしまうママたちもいます。
断乳後におっぱいケアは必要?
教えて下さい!
最終的に絞りだすマッサージ
みたいなものって産婦人科などで
してもらいましたか?
元々母乳の出が良過ぎるので
徐々に母乳を減らしミルクに移行したんですが、遂に昨日のお昼移行母乳をあげずに1日経った状態ですが
おっぱいが痛いです…。
カチカチで痛い場合には
少し圧抜きしてますが
熱持ってるな~という感じです。
児童館の先生は
乳腺炎になったら大変だし
病院でマッサージしてもらった方がよいと言ってました
特に多かったのが、断乳・卒乳後におっぱいケアするのは必要なのか、という質問でした。赤ちゃんに与えることができないため痛みや固くなってしまっている、しこりのようなものがある、などの悩みが見受けられました。
断乳・卒乳が乳腺炎の原因になることはある?
断乳によって、母乳が乳腺内にたまることで乳腺炎を発症する可能性があります。乳腺炎には、急性うっ滞性乳腺炎と急性化膿性乳腺炎の2種類があり、断乳によって引き起こされる可能性があるのはうっ滞性乳腺炎です。
うっ滞性乳腺炎は、母乳が乳腺内に詰まることで乳房の痛みや発熱を発症します。出産後間もない時期に発症することが多く、母乳の飲ませ方や赤ちゃんの吸い方により、母乳がうまく出ないことが原因で起こります。
一方、急性化膿性乳腺炎は、乳管や乳頭にできた傷から細菌に感染してしまうことで乳房の腫れや強い痛みを発症します。赤ちゃんに乳首をかまれることや、うっ滞性乳腺炎が原因で起こることがあります。
- 日本大学病院「乳腺炎」(http://www.nihon-u.ac.jp/hospital/search/term/5,2017年8月17日最終閲覧)
- 徳洲会グループ「乳腺外科の病気:乳腺炎」(https://www.tokushukai.or.jp/treatment/breast/nyusenen.php,2018年3月17日最終閲覧)
乳腺炎予防になる断乳後のおっぱいケア
断乳の前に離乳食が始まったり、ママが仕事復帰をしたり、状況の変化で授乳回数が減ることがあるでしょう。そういったタイミングで、乳房トラブルや乳腺炎の可能性が高くなります。
断乳後は赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうことができないので、乳腺炎になりやすい状態にあります。そのため、その時期のおっぱいケアは大切です。
1.間隔をあけて搾乳する
断乳をするとおっぱいの分泌が自然に減っていきますが、ある程度分泌量が減るまではおっぱいのケアをしておかないと乳腺の中に残っている母乳が詰まってしまい、トラブルを起こしやすい状態になります。そのため、断乳開始から1~2週間はおっぱいケアを怠らないようにしましょう。
一番おっぱいが張って痛みが出やすいのは断乳開始から3日間です。熱がこもっていると感じたら、乳房をタオルや氷などで冷やしてください。また、痛みが強い場合には、圧抜き程度に少量を搾乳してあげましょう。
断乳後3日目に一度しっかり搾乳します。3日間全く授乳も搾乳もしなければ、脳は「もうおっぱいを作らなくてよくなったんだ」と判断しますので、母乳の分泌量が急に減ってきます。
そのため、3日間我慢したらしっかり搾乳しても大丈夫です。固い部分をやさしくマッサージしながらある程度母乳が出なくなるまで絞り切りましょう。
その後は、1週間後に再度しっかり搾乳し、次は2週間と間隔をあけながら残っている母乳を出し切っていきます。
2.おっぱいマッサージ
どのような手順で断乳を進めたらよいのか不安な場合は、母乳外来などを利用して適切にケアすることをおすすめします。おっぱいの中に母乳を溜めたままにしておくと、乳腺炎の原因やしこりになる可能性があります。
母乳育児が順調で搾乳をした事が無いという場合、自分で搾るのに不安があるママもいるかも知れません。出産した産院に母乳外来があればそちらへ行っても良いですし、出産していない病院や助産院でも相談にのってくれます。
乳房のトラブルを防ぐためにも、断乳後1ヶ月間はできるだけおっぱいマッサージを行うようにしましょう。
3.その他
その他断乳後のケアについて、乳房マッサージを専門としている徳島県のTADA助産院のホームページには、以下のような記載があります。
- 乳房が張って痛みを感じたら受診する
- お風呂は湯船に浸からず、シャワーで済ます
- きついブラジャーの着用は避ける
きついブラジャーは乳腺炎の原因になりかねないと言います。また、断乳・卒乳前の1週間は和食中心の食事にすることでおっぱいトラブルを避けることができるようです。
- 鈴木洋・鈴木みゆき(監)「はじめての育児0〜3歳」69(西東社,2006)
- 鈴木洋・鈴木みゆき(監)「やさしくわかる育児のきほん辞典」127(西東社,2015)
- エンジェル助産院・さいとう母乳育児相談所「母乳について」(http://www.angelnet.biz/03_bonyu/03_001.html,2017年8月21日最終閲覧)
- 日本赤十字社「卒乳・断乳ケア」(http://shimoina.jrc.or.jp/clinical_department/228,2017年8月21日最終閲覧)
- TADA助産院「卒乳・断乳について」(https://tada-mp.jimdo.com/断乳-卒乳について/,2017年8月21日最終閲覧)
授乳中のおっぱいケア
断乳後だけでなく、授乳中も乳腺炎になることはあります。授乳中からおっぱいトラブルを避けるためにできる方法をご紹介します。
- 頻繁に授乳する
- 正しい抱き方、吸わせ方で授乳する
乳腺炎や乳房のトラブルを防ぐには、とにかく赤ちゃんにたくさん吸ってもらうことが大切です。数時間に1回など言われることがありますが、あまり気にせず頻繁に飲ませてあげて問題ありません。赤ちゃんが飲み切れずに残った場合には、搾乳するようにしましょう。出るだけ出すのではなく、乳房の張りがおさまる程度で大丈夫です。
また、赤ちゃんの授乳時の抱き方や吸わせ方は乳房トラブルに関わってきます。乳頭に傷がつくと授乳時に痛みを感じて、うまく飲ませてあげることができません。
さらに、同じ方向でばかり授乳していると、乳腺の同じ場所が飲み残されてしまうこともあります。入院中に正しい方法を助産師さんに教えてもらうようにしてくださいね。
正しい抱き方や吸わせ方を記載している育児本や自分自身でのケアが不安な場合は母乳外来などプロの手を利用することもおすすめです。
- こばやしひさこ「10人産んだスーパー助産師のストレスゼロで続けられる!母乳育児の本」102~103(すばる舎,2015年)
- 渡辺とよ子(監)「写真でわかる!はじめての女の子育児0~3歳」121、182(西東社,2013年)
- 国立成育医療研究センター看護部「国立成育医療研究センターのマタニティBOOK」母乳BOOK20~21(ベネッセコーポレーション,2015年)
- Academy of Breastfeeding Medicine「ABM臨床指針第4号 乳腺炎2008年5月改訂版」(http://www.bfmed.org/,2017年8月18日最終閲覧)
断乳前も断乳後も、おっぱいはきちんとケアしましょう
断乳というと赤ちゃんもママも大変!乳腺炎などのトラブルに見舞われては余計に困ってしまいます。
ママと赤ちゃんのためにも母乳育児と楽しくお別れして次のステップに進みたいですよね。
どんなに努力してもなってしまうこともありますが、ケアすることで回避できることもあるので試してみてください。