白砂糖は、子供の体にどんな影響を与えるの?
白砂糖のとりすぎは、虫歯や肥満だけでなく、子供の体に様々な症状としてあらわれます。中には、子供の精神面にも影響を与えるケースもあるようなので注意したいですね。
白砂糖は、体内ですぐに分解・吸収され、血糖値を急上昇させます。そして、その血糖値を下げようとホルモンが浪費され、今度は血糖値が下がり「低血糖」の状態になります。「低血糖」になると、倦怠感や不安、思考力が落ちるなどの症状を引き起こし、更に血糖値が下がった低血糖の状態になると、今度は血糖値を上げるホルモンが分泌されます。このホルモンには攻撃性があり、無意識のうちにイライラしたり、怒りっぽくなったりしてしまうようです。
つまり、白砂糖の過剰摂取は、子供を怒りっぽくさせてしまう可能性があるのです。
白砂糖が「栄養素」に与える影響と摂取量の目安
山口さんによると、白砂糖のとりすぎは、子供の精神面だけでなく、成長に必要な栄養素にも影響を与えるようです。まず、とりすぎた糖分を代謝するために、体内の「ビタミンB群(特にビタミンB1)」や「カルシウム」が浪費されるのですが、ビタミンB群は「脳のビタミン」とも呼ばれ、脳のはたらきには欠かすことのできないものなのです。また、カルシウムの浪費は、骨からのカルシウムを消費し、丈夫な骨をつくる妨げになります。
極端なことを言えば、白砂糖は子供の発育には欠かせない「栄養素」を奪ってしまうものなのです。
摂取量の目安
このようなことから、白砂糖は1日摂取する量と頻度をしっかりと調整することが大切です。白砂糖は、1日10g程度(大さじ1)程度が目安の摂取量となっています。
砂糖の含有量が多いジュース類は、500mlのペットボトルで50g以上にもなるので、注意が必要です。
体によい砂糖とは?
白砂糖の原料はサトウキビなのですが、精製されることで、サトウキビ内のビタミンやミネラルが取り除かれます。
また、砂糖の中には、「三温糖」と呼ばれるカラメル色のついた砂糖があります。三温糖は一見、白砂糖と違って健康に悪いように見えませんが、加熱によって色がついただけで、白砂糖の成分と同じようなものです。そのため、ビタミンやミネラルはほとんど含まれておりません。
白砂糖と同じく、三温糖は摂取量に注意が必要な砂糖になります。
ミネラルやビタミンを含んだ体によい砂糖はコレ!
料理に使う場合は、精製されすぎていない「きび砂糖」や「粗糖」などを選ぶとよいでしょう。
他にも、純度100%のはちみつやメープルシロップは、ビタミンやミネラルがより多く含まれていて、白砂糖よりも血糖値の上昇がゆるやかです。自然な甘みが子供の体にも優しいので、おやつ作りにおすすめです。
一方で、はちみつはボツリヌス菌による中毒を起こして死に至るケースもあるので、とても注意が必要な食材です。食べさせるのは、1歳を過ぎてからにしましょう。
白砂糖を使わずに作れる幼児食の簡単おやつレシピ
一般的におやつというと、嗜好品をイメージすると思いますが、幼児期の子供に食べさせるおやつは、あくまで「食事の一部」と考えると良いです。けれど、ママにとっておやつまで本格的に作るとなると、とても大変ですよね。簡単に作れる上に、白砂糖を使わないレシピをご紹介していきます。
バナナ春巻き
砂糖を使わず、バナナとあんこの甘みが美味しいおやつです。バナナの代わりに、中身をいちごやみかんなどにアレンジしてみるのも良いかもしれません。揚げずにトースターで焼けば、よりヘルシーで簡単に出来上がります。
材料(2食分)
- バナナ:1本
- あんこ:適量
- 春巻きの皮:2枚
- 油:適量
作り方
- 春巻きの皮は、対角線で半分の三角形に切る。
- バナナは細長く切る。細かく切ってもOK。
- 春巻きの皮の切った辺(三角形の底辺となる1番長い辺)から5mmほど上の中央に、分量を4等分したバナナとあんこをのせる。このとき、切った辺の左右1/3幅程度にのせるようにする。
- 左右の皮を内側に折って、手前から三角形の頂点までくるくると巻いて、水をつけてくっつける。
- フライパンで多めの油を熱し、こんがりと焼き色がつくまで揚げ焼きにする。
メイプルバターパイ
メープルシロップを使ったおやつで、餃子の皮がパイ生地になるレシピです。材料も少なく家にあるもので簡単に作ることができるので、おすすめです。作る量も簡単に調整できるので、小食の子供にも作りやすくなっています。
また、簡単に作ることができるので、子供と一緒に作ってみても良いかもしれません。
材料(2食分)
- 餃子の皮:10枚
- バター:10g
- メープルシロップ:大さじ1/2
作り方
- やわらかく溶かしたバターとメープルシロップを混ぜる。
- 1を餃子の皮の全面に塗り、はしからくるくると巻いてトースターで4〜5分焼く。
豆腐アイス
材料を混ぜ合わせて冷凍するだけで出来上がるレシピです。材料も特別なものは必要なく、余った豆腐を活用することができます。冷凍する際に、30分おきに取り出してもみもみすると、よりなめらかに仕上がります。
はちみつを使っているレシピなので、1歳児未満の子供には与えないようにしましょう。
材料(2〜3食分)
- 絹ごし豆腐:150g
- 牛乳:50ml
- はちみつ:大さじ3
作り方
- 材料すベてを冷凍保存用袋に入れ、手でもんで混ぜ合わせる。
- 冷凍庫に入れ、急速冷凍で1時間半ほどおく。
麩ラスク
離乳食でも使える小町麩を使ったレシピです。長期保存することのできる材料で作れるので、冷蔵庫に何もないときや何を作るか困ったときに、おすすめです。タッパー以外に容器などを使用しないため、洗い物の手間も特にかからず素早く作ることができるので、忙しいママには嬉しいおやつですね。
材料(2食分)
- 小町麩:20個
- 粉チーズ:小さじ1〜2
- 水:小さじ1
- オリーブオイル:小さじ2
作り方
- タッパーに粉チーズと水、オリーブオイルを入れて、よく混ぜる。
- 小町麩を入れ、シャカシャカふって混ぜ合わせる。
- トースターで1〜2分焼く。
白砂糖以外の糖分で子供のおやつも安心!
過剰に砂糖が含まれた食品は、身の回りにたくさん溢れています。だからこそ、ママが作る料理は白砂糖ではなくきび砂糖やその他紹介した糖分にしてみるなど、子供の健康を気にしたものにしてあげたいですよね。とはいえ、ママの一日は非常に忙しいものです。今回ご紹介したレシピはどれも簡単に作れるものばかりです。ぜひ、参考にして作ってみてくださいね。
なお、山口真弓さんの書籍「子供のからだとこころが育つ!6歳までの食事のホント」には、白砂糖のことだけでなく食品添加物、化学調味料、油などが子供の体に与える影響についてもコンパクトにまとまっています。また、管理栄養士という資格を持ちながらも、毎日の子供の食事には頭を悩ませたという山口さんのこだわりとレシピは、ママの心強い味方となってくれそうです。
子供の食事の基本を学びたいママも、離乳食・幼児食レシピが気になるママも、食品選びに悩むママも、一度手にとってみてください。