子供の腸内環境を整えて、丈夫な身体に!
子供が丈夫な身体になる上で、腸内の環境を整えてあげることがとても大切です。腸内環境を整えることで、免疫力が高まり、元気で病気になりにくい強い身体に成長していくことに繋がっていきます。
乳児期の腸内は、90%以上が善玉菌の代表であるビフィズス菌でできているといわれ、赤ちゃんのうんちが臭くなく、黄色で酸っぱいにおいがするのは、善玉菌が優位な状態になっているからです。そして、離乳食が始まると、赤ちゃんのうんちが少しずつ大人のにおいに近づいていきます。それは、大人と同じように食べ物によって様々な菌が腸内に入ってくるからです。中には、アンモニアなどの悪玉菌も増え、うんちの形状や臭い、色などが変化していきます。
つまり、離乳食を始めることで、赤ちゃんのうんちが変化するのは、自然なことですが、食べられるものが増えることによって悪玉菌が増えて、うんちが黒っぽくなったり、便秘になったりすることもあります。悪玉菌が増えて、うんちの状態が崩れることなく、丈夫な身体に成長してくためにも、腸内環境を整えることが大切なのです。
どうやって腸内環境を整えればいいの?
腸内には、善玉菌と悪玉菌、そして腸内環境によってどちらにでも変化する日和見菌が存在します。善玉菌が増えると腸内の環境が整い、免疫力も高まります。つまり、善玉菌を増やすことができる食生活が大切なのです。
善玉菌を増やすためには、次のような食べ物を積極的にとりましょう。
- 発酵食品:乳酸菌をはじめとする善玉菌が多く含まれる。
- オリゴ糖、食物繊維を含む食品:大腸まで届き、善玉菌のエサになる。
- 納豆:納豆菌には悪玉菌を殺す働きがある。
パッとイメージすることは難しいかもしれませんが、どれも身近な食品ばかりです。それぞれに例をご紹介していきます。
発酵食品
- ぬか漬け
- 水キムチ
- 納豆
- 削り節(「かれぶし」と記載されたもの)
- ヨーグルト
- 豆乳ヨーグルト
- チーズ
- 乳酸菌飲料
オリゴ糖を多く含む食材
- 大豆
- 玉ねぎ
- ごぼう
- はちみつ
食物繊維の多い食材
- 海藻類
- 豆類
- 大麦
- オートミール
- きのこ類
- 果物類
以上のような食べ物を積極的に摂取することで、善玉菌が増えたり、活発になったりします。毎日の食事に何かしら入れてみるようにしましょう。
また、オリゴ糖を多く含むはちみつには、「ボツリヌス菌」というものが含まれており、「乳児ボツリヌス症」という病気を引き起こすリスクがあるため、1歳児未満の子供には与えないように注意が必要です。
腸内環境を整え、便秘を解消するレシピをご紹介!
腸内環境を整えることで、子供の免疫力が高まります。手づかみ期の離乳食から幼児食までを対象としたレシピをご紹介します。離乳食の時期から子供の腸内環境を整えて、丈夫な身体に育つようにママがサポートしてあげましょう。
また、腸内環境を整える発酵食品や食物繊維を多く含む食品は、免疫力を高めるだけでなく、便秘解消にも効果があります。子供のお腹にはりがあったり、うんちが出ていない日が続いたりしている場合は、ぜひレシピを参考にしてみてください。
さつまいもとブロッコリーのサラダ(離乳食:手づかみ期)
ヨーグルトを使ったサラダのレシピです。発酵食品といえば、多くの方がヨーグルトを連想すると思います。赤ちゃんは食事の中で、色々な食べ物や味を体験することが大切なので、ヨーグルトは、そのまま食べても良いですし、調理して食べても良い便利な食材です。
また、ゆでて和えるだけのシンプルなレシピなので、作りやすいレシピでもあります。
材料(3〜4食分)
- さつまいも:50g
- ブロッコリー:15g
- ヨーグルト:大さじ1
- 塩:少々
作り方
- さつまいもとブロッコリーはやわらかくなるまでゆで、1cm角に切る。
- ボウルに1、ヨーグルトと塩を入れてよく和える。
みそ汁寒天(離乳食:手づかみ期)
みそは、大豆を原料に発酵させて作られる発酵食品です。また、だし汁に発酵食品の削り節や、食物繊維を多く含むこんぶなどを使用すると、より腸内環境を整える栄養をとることができます。
そして、大人用に作ったみそ汁を有効活用することができるメニューなので、忙しいママにとって時短に繋がる嬉しいレシピでもあります。
材料(2食分)
- みそ汁(大人用の残り物など):大さじ4
- だし汁(またはこんぶ水かお湯):100ml
- 粉寒天:小さじ1/2
作り方
- 大人用に作ったみそ汁から子供が食べられる具材を取り分け、食べやすい大きさに切る。
- 小鍋に粉寒天とだし汁を入れ、煮溶かす。沸騰したら、30秒ほどそのまま沸騰させておく。
- 2にみそ汁をかき混ぜながら加える。
- 型に流し込み、1の具材を入れ、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やしてかためる(途中、完全にかたまる前にもう一度混ぜると具材が均一になる)。
- かたまったら、手づかみしやすい大きさに切り分けて、器に盛る。
- マルコメ「味噌のこと」(http://www.marukome.co.jp/knowledge/miso/,2017年5月15日最終閲覧)
- くらこん「昆布の栄養 」(https://www.kurakon.jp/ency_kombu/11.html,2017年5月15日最終閲覧)
ダブル豆腐のごまみそスープ(幼児食)
二種類の豆腐をたっぷりと使ったレシピです。豆腐はオリゴ糖を多く含む大豆が原料で、腸内環境を整える食品の一つ。また、豆腐以外の具材に人参やごぼうなどの根菜や、しめじや椎茸などのきのこ類とも相性が良い料理です。ごぼうはオリゴ糖を多く含み、きのこ類は食物繊維を多く含んでいるのでおすすめです。
また、二種類の豆腐が入っているので、子供と一緒にクイズ形式で豆腐の食べ比べをしてみると、食べることが楽しくなりそうですね。
材料(作りやすい分量:4〜5杯分)
- 木綿豆腐:100g
- 高野豆腐:1個
- 大根:80g
- 青菜:30g
- だし汁:600ml
- みそ、白練りごま:各大さじ1.5
- 白すりごま、ごま油:お好みの量
作り方
- 木綿豆腐は軽く水切りをし、食べやすい大きさに切る。高野豆腐は沸騰しただし汁、またはお湯(分量外)で7〜8分もどし、食べやすい大きさに切る。大根はいちょう切りにする。青菜は1cm幅に切る。
- 鍋にだし汁と大根を入れ、やわらかくなるまで煮る.やわらかくなったら木綿豆腐と高野豆腐、青菜を加え、さらに1〜2分煮る。
- 一旦火を止め、みそと白練りごまを加えて溶かす。
- 最後に、白すりごまとごま油をお好みの量で加える。
納豆とトマトのライスボウル(幼児食)
納豆と野菜を使って手軽に作れるライスボウルです。納豆には、悪玉菌を殺す働きがある納豆菌が含まれ、腸内環境を整えるために役立つ食材です。また、使われている野菜を、あまりものなどでアレンジしても美味しく仕上がるレシピです。キャベツやレタスが入ると、サラダっぽく仕上がります。自由に冷蔵庫の中身のものでアレンジすることができるので、嬉しいですね。
材料(2〜3食分)
- ご飯:300g
- 納豆:80g
- トマト:1個
- きゅうり(またはピーマン、オクラ、アボカドなど):お好みの量
- ☆醤油:大さじ1
- ☆酢:大さじ1/2
- ☆ごま油:大さじ1
- マヨネーズ:お好みで
作り方
- トマトときゅうりをサイコロ状に切る。
- ボウルに1とほぐした納豆を加え、サッと混ぜ、☆の調味料で和える。
- ご飯を盛りつけて2をのせ、お好みでマヨネーズをかける。
病気のかかりづらい強い身体に育てよう!
ママは、子供の身体が丈夫になり、元気でいて欲しいと願うものですよね。免疫力を高めて、丈夫な身体に育つためには、腸内環境を整えることが大切です。オリゴ糖や食物繊維を含む食品、発酵食品は、腸内環境を整える働きをしてくれます。今回ご紹介したレシピのように、腸内環境を整える食品を活用しながら美味しく作れる料理を作っていきたいですね。
なお、山口真弓さんの書籍「子供のからだとこころが育つ!6歳までの食事のホント」には、子供の味覚の発達をサポートするうま味についてや食品添加物、白砂糖などが子供の体に与える影響についてもコンパクトにまとまっています。また、管理栄養士という資格を持ちながらも、毎日の子供の食事には頭を悩ませたという山口さんのこだわりとレシピは、ママの心強い味方となってくれそうです。
子供の食事の基本を学びたいママも、離乳食・幼児食レシピが気になるママも、食品選びに悩むママも、一度手にとってみてください。