出産後は子宮筋腫が子宮の収縮を妨げることがあるため、子宮の回復が遅れてしまう子宮復古不全になる可能性があります。子宮の収縮ができないと産後の出血量が増える弛緩出血(しかんしゅっけつ)が起こり、出血量が多い場合は輸血が必要になることもあります。
産後急激に子宮筋腫が大きくなることはありませんが、妊娠中に子宮に向かって流れていた血液が減少することで筋腫の組織が壊れる「筋腫変性」を起こす可能性があります。筋腫変性によって、子宮内感染や腹痛といった症状が出た場合は抗生剤の投与が必要です。
- 順天堂大学医学部付属静岡病院「2007年秋号より」(http://www.hosp-shizuoka.juntendo.ac.jp/column/stork_club/2007_autumn_01.html,2018年4月4日最終閲覧)
- 産婦人科学会・産婦人科医会「産婦人科ガイドライン産科編2017」P317~319(産婦人科学会,2017年)
- 井上裕美(監)「病気がみえる産科vol.10産科」P185、P370(メディックメディア,2015年)
- 諏訪リプロダクションセンター「不妊治療についてー原因となる疾患」(http://e-smc.jp/reproduction/about/caused-disease/uterine-leiomyoma.php,2018年4月17日最終閲覧)
無理のない妊娠生活を送りましょう
子宮筋腫があることで切迫流産や切迫早産などの合併症を起こしやすくなります。子宮筋腫がある中での妊娠生活は、不安に思うことがあるかもしれませんが、子宮筋腫があっても妊娠継続は可能です。
子宮筋腫を伴う妊娠のリスクは人によって異なるため、不安なことがあった場合は妊婦健診時に医師に相談するようにしましょう。無理なく安心して妊娠生活を送ることができるとよいですね。










