妊娠7ヶ月の妊婦の様子
妊娠7ヶ月になると、どこから見ても妊婦さんらしいおなかのせり出しに。しかし、後ろ姿では妊婦さんと気がついてもらえません。人混みなどでは押されてバランスをくずさないよう気をつけましょう。
妊娠7ヶ月のおなかの大きさや、体重増加の目安
おなかの大きさの目安となる子宮底長は、妊娠ヶ月×3+3となるため、妊娠7ヶ月では約24cmになります。子宮底の高さはおへその上から指の太さ2~3本くらいの位置です。
ただし、子宮底長はメジャーで計測するものなので、測り方や体勢によって誤差がでることもあり、エコーで計測する胎児の大きさと一致しないこともあります。
体重の増加目安は、週に0.3kg~0.5kgです。妊娠前に痩せていた妊婦さんは0.5kgを目標に、妊娠前に標準~太めだった妊婦さんは0.3kgが目安となります。肥満体型だった妊婦さんは、医師や助産師から個別に指示を受けますので、しっかり守りましょう。
体重の増やし過ぎは妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、分娩時の微弱陣痛のリスクを伴います。
頻尿
子宮が大きくなるにつれて膀胱が圧迫されるようになるため、頻尿になります。しかし、「頻繁にトイレに行かなくてよいように」といった理由で水分摂取を控えることはしないでください。
体の循環をつかさどるのは水分です。おなかの赤ちゃんのためにも、きちんと水分を摂取しましょう。
おりものの増加
エストロゲンが増加する中期以降になると、おりものが増加します。妊婦さんにとっては生理的な現象なので、心配はいりません。
足がつる(こむら返り)
大きくなったおなかによる圧迫で下半身が血行不良になることや、胎児の成長に伴うミネラル不足、他にも冷えやむくみなどが原因で、就寝時に足がつる(こむら返り)妊婦さんがいます。
ミネラルを積極的にとることや、下半身を冷やさないようにすることが予防することができます。
おなかの張り
この時期には、おなかが張りやすくなり、痛みを感じる事があります。通常は、歩きすぎや、立ち仕事を長時間していると起こりやすく、しばらく休んでいれば自然と治まることが多いです。
張る頻度が日に4~5回で、5〜10分ほど座ったり横になったりして落ち着けば心配はありません。休んでも張りが治まらない場合や、少量でも出血がある場合、切迫早産の可能性があります。様子をみずに、すぐかかりつけに相談して受診しましょう。
胎児の大きさの目安と発育
- FL:太ももの骨の長さ
- BPD:頭の横幅
- AC:おなかの周りの長さ
胎児の体重(EFW値)は、妊娠27週で約1kgにまで成長します。胎児の大きさを表す、各数値も順調に増えていきます。
この頃になると、網膜が完成し、光を感じるようになります。まぶたもできて、まばたきをするように。また、外耳道が開通するので、音により敏感になってきます。
妊娠7ヶ月の胎動
妊娠7ヶ月は、胎児が活発に動き始める時期です。脳が発達することで、胎児が自分の身体を意識して動かし、子宮内のスペースを自由に動き回れるようになります。
今まで胎動を感じられなかったという人も、この頃になればおなかの中で動く赤ちゃんを感じられることでしょう。夜ママが寝ている時でも、おなかの赤ちゃんは20~30分おきに目覚めて動くため、つらく感じることがあるかもしれません。
周りの妊婦さんの話を聞いて、自分の赤ちゃんの胎動が弱いように感じると、心配になりますよね。しかし、胎動の感じ方には個人差があるので、気にしすぎないようにしましょう。
逆子
逆子(骨盤位)とは、ママから見ると胎児の頭が上にある状態を指します。妊娠7ヶ月の胎児はよく子宮の中で動くため、逆子になっていることがあります。
妊娠中期までは30~50%が逆子ですが、大半は分娩前までに自然に回転して頭位に戻り、分娩時まで逆子の割合は3~5%に減るため、心配しすぎることはありませんよ。
妊娠7ヶ月の妊婦健診
妊娠7ヶ月は、健診を受ける間隔が2週おきになります。産院によって、早いところでは20週以降から2週間おきになるところもあります。体重測定、血圧測定、尿検査を行い、腹囲や子宮底長をメジャーで計測します。
これらの項目に加え、浮腫(ふしゅ)が出ていないかどうか、胎児の向き(胎位)などをみる他、血液検査も行います。
- 赤血球数
- 白血球数
- 血小板数
- ヘモグロビン数
- ヘマトクリット値
これらの、血液中の固体成分に関する検査の他に、妊娠7ヶ月で受ける血液検査には、経口ブドウ糖負荷試験があります。これは妊娠糖尿病になっていないかを調べるための検査です。
前置胎盤と診断された場合
前置胎盤は、胎盤の一部または大部分が子宮下部に付着し、子宮口をふさいでいる状態を指します。発生の頻度は0.5%~1.0%で、自然分娩ではなく帝王切開での分娩となります。
妊娠初期に胎盤が低めと言われていても、多くは妊娠週数にあわせて胎盤の位置も変わっていくことがほとんどです。しかし、この時期にまだ胎盤が低い場合は、その後の妊娠管理も慎重になり、病院によっては管理入院なども行われます。
妊娠糖尿病と診断された場合
妊娠糖尿病は、妊娠した女性特有の病気で、血糖値の上昇に対して一定の範囲内に血糖値を戻す能力が低下する耐糖能低下を起こすことを指します。母子ともに合併症が発生する可能性があるため、厳格な血糖管理が必要になります。
胎児には巨大児や発育不全、母体には羊水過多や早産リスクなどがあります。
妊娠7ヶ月にやっておきたいこと
妊娠後期になると、さらにおなかが大きくなり、活動の制限が増えていきます。先々を見据えて、準備をしておきましょう。
鉄分やカルシウムを積極的に摂取する
この時期は、胎児の発育のために鉄分やカルシウムなどを積極的にとりたい時期。それに加えて、便秘対策として食物繊維も意識して摂取したいところ。
これらの栄養素がとれるおすすめ食材は小松菜です。クセがない葉物野菜なので、和食でも洋食でもどんなメニューにも取り入れやすいのが特徴です。もちろん生でも食べられます。
指輪は外しておく
身体がむくみやすくなり、特に体の末端である手や足に症状がでやすいため、指輪が抜けなくなることがあります。抜けなくなったまま放置して、さらにむくみがひどくなると指先の血流が悪くなります。
また、分娩の際に緊急帝王切開になると指輪をはずす必要がありますが、どうしても抜けない場合は指輪を切断することもあります。身体にむくみを感じるようになったら、指輪はしばらくお休みしましょう。
楽に過ごせる姿勢をマスターする
おなかが張った時などに、体を休めるためのポーズをマスターしておきましょう。体を横にできる時には、体の左側を下にした「シムス体位」を取るのがおすすめです。
横になるスペースがない場合は、体を締め付けるベルトや下着を緩め、クッションや背もたれに体を預け、背骨を真っ直ぐに伸ばすようにしてゆったりと過ごします。前かがみになる姿勢はよくありません。
おなかが大きくなってきて、仰向けで寝ると寝苦しくなったときも、「シムス体位」で眠るようにするのがおすすめです。仰向け寝が寝苦しく感じる場合、「仰臥位(ぎょうがい)低血圧症候群」となっている場合があります。
これは大きくなった子宮が下大静脈を圧迫して血流が悪くなり、心拍出量が低下、血圧が低下する状態です。顔面蒼白、めまい、吐き気・嘔吐、冷や汗、呼吸困難などが認められ、重症化すると意識レベルの低下、けいれんなどのショック症状を起こすため、気をつけなくてはいけません。
気になる症状があれば、健診時に医師に相談しましょう。
いよいよ妊娠後期に入ります
妊娠7ヶ月の4週が終わると、いよいよ妊娠後期になります。産後の生活を考えて、今のうちにパートナーに協力してもらって赤ちゃんを迎える準備を進めておきましょう。
また、役所などで妊娠中や産後、育児に関して支給されるお金やその手続き、産後仕事に復帰予定の人は、保育園の情報なども集めておきたいもの。早めにスケジュールを立てておきましょう。
※この記事の情報は2017年11月30日取材現在のものとなります。最新の情報は医療機関へ受診の上、各医師の診断に従ってください。