妊娠中のおりものについて知りたい
おりものとは、子宮の出口や腟から分泌される粘液のことです。腟などが乾燥しないように潤滑油としての役割と、膣から体内へバイ菌が侵入するのを防ぐ役割を果たしています。
おりものの状態は、さまざまなことから影響を受けやすいものです。体調の変化や感染症などのトラブルサインが、おりものからわかることがあります。
妊娠中はおりものが増えるの?
妊娠中は女性ホルモンの作用はより一層強まります。よって、妊娠中におりものが増えることもあります。それは、ホルモンの分泌が理由に挙げられます。
おりものが増えても多少の増加なら正常と考えて大丈夫です。基本的には通気性をなるべく考えて、清潔に保つだけで良いのですが、もしも痒みや痛みがでてきた場合には検査が必要です。
妊娠中は、膣内が「カンジダ」というカビの一種が増殖しやすい環境になるため、膣炎を起こしやすくなっています。
妊娠中のおりものへの対処法
おりものが多い時は、通気性のよい下着にする、下着やおりものシートをこまめにかえるなどの工夫をしてください。なるべく清潔にして、気持ちよく過ごせるよう心掛けてくださいね。
おりものの量が多いと気持ち悪くて膣の中まで洗う人がいますが、洗いすぎるとバイ菌を防いでくれる常在菌まで洗い流してしまって、むしろ炎症を起こしやすくなることがあります。
石鹸で洗う人が多いのですが、石鹸で洗いすぎると逆にひどくなることもあります。おりものがでている時はシャワーのお湯でさっと洗い流す程度でかまいません。
- 小林製薬「おりものはカラダのサイン」サラサーティ(http://www.kobayashi.co.jp/brand/sarasaty/orimono/)
- ポートサイド女性総合クリニックビバリータ「おりものの異常」ポートサイド女性総合クリニックビバリータ(http://www.vivalita.com/02/10/)
- 山王クリニック「妊娠中の気になる症状」山王クリニック(http://sannoh.or.jp/obstetrician/symptom/index.php)
- 小林製薬「腟カンジダについて」フェミニーナ(http://www.kobayashi.co.jp/brand/feminina/candida/about.html)
- ユニチャーム「生理時のトラブル」ソフィ(http://www.sofy.jp/library/14-1.html)
おりものの検査の内容
時期や検査内容は異なりますが、ほとんどの病院で、妊婦健診時におりもの検査やクラミジアの検査を行います。調べる時に痛みはありませんし、大切な検査なので、リラックスして受けましょう。
それ以外にいつもと違うおりものの色やにおい、症状などがあったら、健診日を待たずに早めに受診することが大切です。
- ユニチャームほか「妊娠中のクラミジア検査」プレママタウン(https://www.premama.jp/tokushu/check/015/index.html)
- 医療生協さいたま生活協同組合「産婦人科 妊婦健診」埼玉協同病院(http://kyoudou-hp.com/sinryo/shinryoka/sanfujinka_kenshin/)
妊娠中の気になるおりものの症状
妊娠中はおりものが増加傾向にあります。それはホルモンのバランスや、膣を細菌感染から守る意味があるのですが、それ以外に異常がみられた場合には早めに対処をする必要があります。
正常な状態のおりもの
それでは正常なおりものはどういう状態なのか調べてみました。
- 透明か白色
- 水っぽい
正常な状態の腟内は酸性で保たれているので少しすっぱいような臭いがすることもあります。状態には個人差があるので量が多いからといって気にする方も多いのですが、色が白か透明ならば気にしなくても大丈夫です。
また、上記のような状態ではなくても、妊娠中期以降に下着がびっしょりになってしまうほどの量が出た場合は破水している可能性も。すみやかに受診しましょう。
要注意な状態のおりもの
一方、注意すべきなのは以下のようなおりものが出たときです。
- 黄色や緑色の場合
- 出血がまじったピンクや茶褐色の場合
- 魚が腐ったようなにおいを感じる場合
- 細かい泡状の場合
- 白くポロポロしたチーズのような場合
上記の場合は感染症の可能性が考えられます。また、おりものの状態そのものには変化が見られなくても、外陰部に強いかゆみやかぶれを感じた場合も注意したほうがいいでしょう。
- 小林製薬「おりものはカラダのサイン」サラサーティ(http://www.kobayashi.co.jp/brand/sarasaty/orimono/)
- 辻レディースクリニック「女性の病気」辻レディースクリニック(http://tsuji-clinic.info/original8.html)
おりもので感染症がわかったときの治療法
感染症の治療に使われる薬には、腟に入れて使う腟錠、抗生物質などの飲み薬の2種類があります。
かゆみがある場合は、塗り薬が処方されることもあります。どれも、お腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼさない薬が処方されますので、心配せずに使ってください。
たかが感染症と安易に考えず、赤ちゃんのためにも、きちんと薬を服用し、しっかり完治することが大切です。またクラミジア感染症やカンジダ腟炎などはママだけでなく、パパも一緒に治療を受けることが必要なものもあります。
- パークサイド広尾レディスクリニック「おりものが気になる」パークサイド広尾レディスクリニック(http://www.ladies-clinic.or.jp/sickness/symptom/symptom01.html)
- 辻レディースクリニック「女性の病気」辻レディースクリニック(http://tsuji-clinic.info/original8.html)
おかしいな?と思ったら早めに受診しましょう
おりものの症状は周りに話しにくい内容でもあり、これが正常なのか異常なのか判断できないこともありますよね。少しでもおかしい、いつもと違うと思ったらすぐ受診してお医者さんに相談してください。異常があっても正しく薬を使用することで完治するものですので、安心してください。
おりものは自分では気づかない体調の変化や感染症などのトラブルサインを教えてくれる大切な役割を果たしてくれています。そのサインを見逃さないようにしてくださいね。