妊娠8ヶ月の妊婦の様子
どんどんおなかが大きくなる時期のため、「気がついたら妊娠線ができている!」ということが起こる時期です。
大きくなった子宮に圧迫され、呼吸が苦しくなったり、常に胃がもたれるような感覚になったりすることも。これは、「後期つわり」と呼ばれる症状です。一度に量が食べられなくなるため、小分けにして食事の回数や間食を増やすとよいでしょう。
妊娠8ヶ月のおなかの大きさ
おなかの大きさの目安となる子宮底長は、「妊娠ヶ月×3+3」となるため、妊娠8ヶ月では約27cmです。子宮底の高さは、おへそとみぞおちの間くらいになります。
子宮底長は、測り方や体勢によって誤差がでることがあるので、胎児超音波検査で赤ちゃんの成長が確認できていれば、そんなに神経質にならなくても大丈夫ですよ。
体重増加の目安
妊娠前に細めだった妊婦さんは、妊娠前よりも約6kg、妊娠前に標準~ふくよかだった妊婦さんは約3.6kg増えている状態が目安です。ここから、妊娠8ヶ月の4週の間に増やす体重は、細めだった妊婦さんで約2kg、標準~ふくよかだった妊婦さんは、約1.2kgが目安になります。
妊娠前から「肥満」を指摘されていた妊婦さんは、医師や助産師の指導をしっかり守って体重を増やさないように留意して過ごしましょう。また、妊娠後半は、いままで体重が増えなかった人も、油断するとあっという間に体重が増加してしまいます。
過ぎた体重増加は妊娠高血圧症候群をまねく恐れもあります。日頃から体重計にのって、チェックを忘れずに。
おなかが張りやすくなる
分娩の準備として子宮の収縮が始まるため、おなかの張りが多くなってきます。横になって安静にすればおさまってくるようであれば心配ありませんが、張りが続く、定期的に張る、といった場合は受診しましょう。
むくみがひどくなる
おなかの重みが増して、体にかかる負担が増加します。今まで感じなかった人も、手や足にむくみを感じるようになるかもしれません。
ひと晩たっても前日のむくみが残っているような場合、「なんだかいつもとは違うな」と感じたときは健診を待たずに早めに受診しましょう。
便秘や痔に悩まされる
便秘を我慢していると、切れ痔やいぼ痔になってしまうことがあります。水分が減って固くなった便をいきんで出すことや、出ないで溜まった便が肛門周囲を圧迫して、肛門部分の血管がうっ血することが原因です。
「大量出血!」と慌てて産院に駆け込んだら、実は痔だったという妊婦さんも多いそう。しっかりと水分をとり、便意を感じたら逃さぬようトイレに行きましょう。
腰や背中に痛みがでる
大きくなったおなかを支えるため、腰や背中に痛みがでる妊婦さんが多いです。ただし、自己判断で湿布などを使うのは危険です。湿布の中には妊婦禁忌(胎児や妊娠経過に影響が出る恐れがあるため使用禁止)の成分が入っているものがあるのです。
また、湿布薬であっても同時に大量使用すると血液中の薬物濃度が上がる可能性があります。消炎鎮痛剤の成分によっては、妊娠末期の使用によって動脈管早期閉鎖を起こす危険性が。使いたい場合には、医師や薬剤師に相談しましょう。
妊娠8ヶ月の胎児の成長
妊娠8ヶ月の胎児は、身長が約35cm~40cm、体重は約1kg~1.5kgに成長しています。体には皮下脂肪がついて、体の表面のシワがなくなってきます。丸みを帯びた赤ちゃんらしい体つきになって、よりかわいらしくなってきました。
この時期には、脳と体の機能が新生児と同等にまで成長します。ただし、まだ肺の機能は成熟していないため、胎外では自発呼吸はできません。
音の刺激による心拍数の増加もこのころから見られます。音も強弱、低音等、いろいろと聞き分けています。ママの声とパパの声も聞き分けているかもしれませんよ。
妊娠8ヶ月の妊婦健診
妊婦健診は2週間ごとに受診します。早産リスクを見るため、エコーで頸管長を調べたり、羊水量の異常がないかを調べたりします。羊水は、多すぎると胎位異常を起こし、前期破水や切迫早産の原因になります。
妊娠7ヶ月の最後の健診で血液検査を受けていない場合には、血液検査を行います。一般的な、赤血球数・白血球数・血小板数・ヘモグロビン数・ヘマトクリット値などの検査の他に、経口ブドウ糖負荷試験を受けます。健診の待ち時間に飴などを食べていると、正しい数値が測れないため注意しましょう。
健診で逆子と言われたら?
妊娠8ヶ月では、まだ子宮内で赤ちゃんが動けるスペースがあるため、逆子になっていることがよくあります。この時期の逆子は、分娩時まで逆子であると断定はできません。成長するにしたがって、だんだんといる位置が定まり、姿勢も定まっていき、頭位になることが多いのです。
妊娠8ヶ月にやっておきたいこと
出産予定日まで、あと3ヶ月となりました。3ヶ月と聞くと長く感じるかもしれませんが、37週以降はいつ分娩がはじまってもおかしくありません。そう考えると、あと10週間で赤ちゃんと一緒の生活が始まります。少しずつ、赤ちゃんを迎える準備をしましょう。
入院の準備
急な切迫早産などで安静になったり、入院したりすることもあります。入院するときに持って行くものを、まずはリストアップしておきましょう。
健診にも持って行く必須アイテム、入院生活に必要なもの、陣痛のときにあったらいいもの、出産後に必要なもの、個人的に必要なもの(コンタクトの人は替えのメガネなど)自分なりに考えて準備を。
バースプラン
産院によっては、指定の様式などを準備してくれている場合もありますが、ない場合にも自分で便箋などに書きだして、健診のタイミングなどで相談してみましょう。
産院の考え方や、実際のお産の経過で叶わない場合もありますが、バースプランを作ってみることで、出産について自分なりのイメージを持てるため、不安が少し楽になるかもしれません。
ただし、母子の安全を優先してやむを得ず、医師介入のお産や帝王切開になることもあります。その場合の心構えもしておきましょう。
立会い出産についての確認
パートナーや家族に分娩に立ち会ってもらうか否か、考えていますか?立ち会う場合、産院によっては事前に講習を受ける必要があったり、立ち会える人数や性別、年齢に制限があったり、持ち込めるものに制限があるという場合があるため、事前に確認をしておきましょう。
また、「絶対にこの人は分娩室へ入れないで欲しい」といった希望がある場合も、お願いできるのか確認をしておきましょう。
里帰りの時期
里帰り出産をする場合、妊娠30週~遅くとも34週頃には移動するようにします。仕事をしている場合、ギリギリまで働いていると、産休に入ってすぐに里帰りとなってしまうかもしれません。
里帰り後の生活の準備などのことも考えて、何日か余裕を持っておけるとよいですね。
赤ちゃんのためのグッズをそろえましょう
妊娠末期になると、おなかも日増しに大きくなっていき、妊娠生活も終わりが見えてきます。赤ちゃんとの生活の準備も8ヶ月からは本腰をいれて。今まで使ったことのないものを集めるのには、それなりにパワーが必要です。
先輩ママなどから情報を仕入れ、一気に全部そろえようと思わず、少しずつそろえていきましょう。9ヶ月にはあらかた準備できているとよいですね。
仕事をしている人は、産休の申請についての確認をし、急に休むことになっても大丈夫なように準備をすすめておきましょう。
※この記事の情報は2017年12月15日取材現在のものとなります。最新の情報は医療機関へ受診の上、各医師の診断に従ってください。