妊娠28週目の妊婦の様子
妊娠28週目頃になると、胎児のキック力がさらに強くなります。ひんぱんに蹴られてあばら骨が痛くなることがあるかもしれません。前かがみになったり、横になったりして姿勢を変えると痛みがやわらぎますよ。
- 子宮底長:約25〜28cm
子宮底長は胎児の大きさや羊水の量を確認する目安になります。恥骨結合部(左右の恥骨が合わさった部分)から子宮底(子宮のいちばん上)までの長さのことで、妊婦の体の表面部分を測ります。
週あたりの体重増加目安
- 妊娠前「やせ型」だった人(BMI18.5 未満):0.3kg〜0.5kg
- 妊娠前「ふつう」だった人(BMI18.5以上25.0未満):0.3kg〜0.5kg
- 妊娠前「肥満」だった人(BMI25.0 以上):個別に医師と相談
上記の数値は、妊娠中期から後期にかけての1週間あたりの体重増加量の目安です。全妊娠期間を通しての推奨体重増加量は、やせ型の人で9〜12kg、ふつうの人で7〜12kg、肥満の人は、およそ5kgを目安として個別対応することとなっています。
妊娠8ヶ月の時期は、「ふつう」の人で妊娠前よりプラス5〜7.5kg程度が目安です。神経質になる必要はありませんが、頭の隅に入れておきましょう。
胸やけしたり、げっぷが出やすくなったりします
食後にげっぷや胃の圧迫が酷くて…
数日前には夜中に胃が激痛で
おしっこでもしたら楽になるかと
トイレに行こうとしたら
動くと余計痛過ぎでやばいときも
あり 2日前の健診で胃薬を出して
貰ったんですが良くなりません。
さっきも歯磨きしたら
少し気持ち悪くなり嘔吐してしまいました。
暫く横になったままでいたら少し良くなりました。
ここ一週間くらいげっぷをするとみぞおちの上らへんに上がってきそうな感覚もあり気持ち悪いです🌀
パット付きキャミすら苦しいので外すと少しは楽になります!
子宮底がおへそとみぞおちの間位まで上がってくるため、子宮に胃が圧迫されて胸やけや胃痛、吐き気、げっぷなどの症状が出ることがあります。
食事を少量ずつ数回に分けてとり、油ものは避けましょう。妊娠35週を過ぎると胎児の位置が下がるため、こういった症状は緩和されていきますが、下着をゆるめる、つらいときは主治医に相談して薬を出してもらうなど、少しでも楽になる方法を見つけられるとよいですね。
息切れや動悸の症状が出てきます
その時は何回か深く深呼吸してます(^-^)/
後最近は仰向けで寝ようとすると、かなり苦しくなって寝れないので、左向きで抱き枕にお腹と右脚を乗せて寝てます(^-^)/
子宮が大きくなってて内臓を圧迫してるのと食べ物を食べた時に胃が大きくなるのが原因とゆわれました。
30-32週ぐらいがとくにひどくて今は少しましになりました。
お腹が下がってくると無くなってくるみたいですよ(^^)
大きくなった子宮に肺や心臓が圧迫されるため、動悸や息切れがしたり、息苦しさを感じたりすることがあります。横になるときは左向きになる、抱き枕を使うなど工夫するとよいでしょう。
むくみが続きます
妊娠すると、胎盤を通して胎児に栄養を運ぶために血液量が増加します。この血液量の増加に腎臓の働きが追いつかなくなることや、ホルモンの作用で水分がたまりやすくなることがむくみの原因です。結婚指輪が入らなくなることも珍しくありありません。
寝るときに枕やクッションを使って足を高く上げる、散歩などの適度な運動をする、減塩を心がけることで少し改善されることがあります。ぜひ、試してみてください。
腰痛に悩まされるようになります
6ヶ月目の頃から腰が重いなーっと感じていましたが今はモアイ像を引き連れたような、石臼で擦られているような、生理時のような激しい腰痛を感じ耐えれず泣いてしまう程痛いです。
子宮が大きくなって腰の筋肉に負担がかかるため、腰痛に悩まされることがあります。できるだけ背筋を伸ばしたり、適度な散歩などの運動を行って筋力をつけたりすることで改善されることがあります。骨盤ベルトをすることで楽になったという声もあります。つらいときは医師に相談してみましょう。
肌の黒ずみ・色素沈着を実感するようになります
脱毛サロンに通っていた時、シワは数本ありましたが、黒ずみはそんなに気になりませんでした。シワの改善された方いますか?
これまでやや黒ずみを感じていた乳輪などがさらに黒くなっていきます。色素の沈着は乳首だけでなくわきや陰部、肛門などにも起こります。また、おへその下からまっすぐに「正中線」という線もあらわれます。これは妊娠中に分泌されるエストロゲンというホルモンの影響と考えられています。
これらの変化は妊婦の約9割が経験するもので、特別なことではありません。出産後は目立たなくなります。
おなかが張りやすくなります
これまでより、さらにおなかが張りやすくなります。これは子宮がちぢんだり、ゆるんだりすることをくり返して出産に向けて準備をしているからです。おなかが張ったらすぐに横になって休みましょう。横になってもなかなか張りがおさまらない、1時間に2回以上張る、どんどんひどくなるといった場合は病院で診察を受けてください。
- A.Christine Harris「安心マタニティブック」P139(永岡書店,2005年)
- 厚生労働省「「妊娠期の至適体重増加チャート」について 」(https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a4.pdf,2018年8月31日最終閲覧)
- 母子衛生研究会「妊娠月別 胎児の様子とママのからだ」(https://www.mcfh.or.jp/jouhou/taiji/24_27week.html,2018年8月31日最終閲覧)
- 萩田和秀「らくらくあんしん妊娠・出産 」P114(学研,2017年)
- 医療情報科学研究所「病気がみえる 10 産科」P39、47(メディックメディア,平成19年3月)
- 田辺中央病院 産婦人科「マタニティライフ」(http://sekitetsukai-sanfujinka.jp/life/view/8,2018年8月31日最終閲覧)
- 竹内正人「はじめての妊娠・出産事典」P60、P68(朝日新聞出版,2016年)
- 杉山産婦人科「妊娠中の身体の変化」(https://www.sugiyama.or.jp/childbirth/manual/04,2018年8月31日最終閲覧)
- 東京フェリシアレディースクリニック「妊娠中のツライむくみ!おすすめの解消方法とむくみ対策の調理のコツ!」(http://www.kobacli.com/blog/?p=148,2018年9月3日最終閲覧)
- いのうえウィメンズクリニック「妊婦に腰痛はよくあるのでしょうか?」(http://www.inoue-womens.com/qanda_show.php?line=55,2018年9月3日最終閲覧)
- 佐野産婦人科医院「妊娠中の腰痛、骨盤痛について」(http://www.sanolc.com/blog/2015/03/post-59-430698.html,2018年9月3日最終閲覧)
- 日本赤十字病院 葛飾赤十字産院「妊娠中のスキンケア」(http://katsushika.jrc.or.jp/info/kango1404/index.html,2018年9月3日最終閲覧)
妊娠28週目の胎児の様子
- 胎児の大きさ(FL:大腿骨長):約44〜55mm
- 体重:約850〜1470g
FLとは大腿骨長(だいたいこつちょう)、太ももの骨の長さのことです。この頃から脂肪がついてきて、体重が1,000 gを超えるようになります。
赤ちゃんらしい体つきになります
皮下脂肪がついてきます。脂肪が増えるのにしたがって、皮膚がなめらかに白っぽくなります。この脂肪には体温を一定に保つ作用があり、エネルギーのもとになります。ふっくらとした、赤ちゃんらしい外見になってきました。
多くの内臓の機能がそろいます
この時期になると脳や肺、消化器以外の内臓の機能はほぼ完成します。肺の機能は未発達ですが、胎児は横隔膜を上下させて呼吸の練習を始めています。
五感や触覚が完成します
五感が育ち、音や光・味・においなどに敏感になります。まだものを認識することはできませんが、明るさや暗さをしっかり感じることができ、五感は今後さらに発達していきます。触覚もできあがっています。
この時期、逆子でも大丈夫です
この時期はまだ子宮のスペースにゆとりがあるので、胎児は自由に動くことができます。逆子と診断されても、多くの場合は34週頃までに頭を下に向けるので、焦らずに待ちましょう。
- 医療情報科学研究所「病気がみえる 10 産科」P53(メディックメディア,平成19年3月)
- 日本産科婦人科学会「推定胎児体重と胎児発育曲線 保健指導マニュアル」(http://www.jsog.or.jp/public/shusanki/taiji_taiju_hatsuiku_201203.pdf,2018年9月3日最終閲覧)
- 日産婦誌53巻7号「12.胎児発育・児体重測」(http://www.jsog.or.jp/PDF/53/5307-130.pdf,2018年9月3日最終閲覧)
- A.Christine Harris「安心マタニティブック」P135-136(永岡書店,2005年)
- 竹内正人「はじめての妊娠・出産事典」P61(朝日新聞出版,2016年)
妊娠28週目で気をつけたい、切迫早産の兆候
妊娠28週目で切迫早産(早産になりかけている状態)の兆候があった場合、どのようにすればよいのでしょうか。以下のような自覚症状があったら、迷わずすぐ病院へ行ってください。
- 下腹部の痛み(しばらく安静にしても治らない、痛みが強まる)
- おなかの張り(しばらく安静にしても治まらない)
- 性器から出血した
- 破水した
切迫早産と診断されたら、症状や状況によって自宅安静か入院かを医師が判断します。仮に早産になったとしても95%の胎児が助かりますが、合併症の心配があるためNICU(新生児集中治療室)で経過を慎重に管理していくことになります。胎児が1日でも長く子宮内にいられるよう、医師の指示に従って安静にしましょう。
- 日本産科婦人科学会「早産・切迫早産」(http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/souzan.html,2018年9月3日最終閲覧)
- 総合周産期母子医療センター「よくあるご質問のお答え」(http://www.uraboshi.jp/answer.html,2018年9月3日最終閲覧)
- 桐生厚生総合病院「新生児センターご案内」(https://www.kosei-hospital.kiryu.gunma.jp/10_shinryoubu_syoukai/shinryoubu_syoukai/syouni_nicu.pdf,2018年9月3日最終閲覧)
- 萩田和秀「らくらくあんしん妊娠・出産 」P100-101(学研,2017年)
妊娠28週目のおすすめの過ごし方と注意点
そろそろ出産の準備を始めましょう。おなかが大きくなってきましたが、臨月よりもまだ比較的動きやすい時期です。入院中に使うものや、退院して育児が始まったときに必要になるものをリストアップし、準備できるものからしていくとよいですね。
急に入院が必要になったとき用に、そろそろ入院時に必要なものは一つのバッグに入れておくと安心です。また、家族に荷物の置き場所を共有しておきましょう。
そのほか、28週目の妊婦へおすすめの過ごし方と注意すべき点についてご紹介します。
適度な運動を取り入れましょう
体が重くなってくるため、ストレッチやマタニティヨガで体をほぐしましょう。適度な散歩もおすすめです。適度な運動は体力や筋力をつけるだけでなく気分転換にもなります。頑張りすぎて体調を崩さないよう、無理のない範囲で行いましょう。
たんぱく質や鉄分を意識してとりましょう
体重が増えすぎると妊娠高血圧症候群のリスクが高まるので、食べすぎに気をつけ、うす味にしましょう。妊娠後期はたんぱく質や鉄分など必要な栄養素が増えます。気にしすぎる必要はありませんが、少し意識してみてください。
母親教室や両親学級に参加しましょう
母親教室や両親学級は地域によって開催時期や開催回数が違いますが、妊娠後期の妊婦を対象に開催されるところが多いようです。出産予定時期によって開催日を分けている自治体もあります。産院でも開催しているところがあるので、問い合わせてみましょう。
出産時や出産後の赤ちゃんのお世話を中心に学ぶことが多く、同じ出産時期を迎える妊婦と知り合う機会でもあります。ぜひ、参加してみてください。
- 萩田和秀「らくらくあんしん妊娠・出産 」P102(学研,2017年)
- 竹内正人「はじめての妊娠・出産事典」P61、P140(朝日新聞出版,2016年)
- 所沢市「母親学級について」(http://www.city.tokorozawa.saitama.jp/iitokoro/event/main/kenkou/hahaoyagakkyu.html,2018年9月3日最終閲覧)
- 豊島区「はじめてパパとママになるかたにパパママ準備教室」(https://www.city.toshima.lg.jp/220/kosodate/ninshin/001355.html,2018年9月3日最終閲覧)
妊娠28週目は出産準備を始める時期
ママの子宮は出産に向けて収縮の練習を始めており、胎児は呼吸の練習をして、体が出産に向けて準備を整え始める時期です。入院や出産、産後に必要なものをリストアップしてそろえておく、緊急のときの連絡先を整理する、里帰り出産する場合はいつ移動するかなど、具体的にイメージしておきましょう。
今のうちに入院に必要なものをバッグに入れて準備しておくと安心ですよ。いざというときに必要なものや情報を家族と共有しておくことも大切です。