妊娠27週目の妊婦の様子
妊娠27週目は、妊婦にとってどのような時期なのでしょうか。妊娠27週目の時期の妊婦に起こりやすい体の変化、子宮底長や体重増加の目安についてご紹介します。
- 子宮底長:約21〜26cm
子宮底長は胎児の大きさや羊水の量を確認する目安になります。恥骨結合部(左右の恥骨が合わさった部分)から子宮底(子宮のいちばん上)までの長さのことで、妊婦の体の表面部分を測ります。
週あたりの体重増加目安
- 妊娠前「やせ」だった人(BMI18.5 未満):0.3kg〜0.5kg
- 妊娠前「ふつう」だった人(BMI18.5以上25.0未満):0.3kg〜0.5kg
- 妊娠前「肥満」だった人(BMI25.0 以上):個別に医師と相談
上記の目安を超えて体重が急激に増加することがないよう気をつけましょう。妊娠中〜後期の全妊娠期間を通じての推奨体重増加量は、「やせ」の人で9〜12kg、「ふつう」の人で7〜12kg、妊娠前に「肥満」だった人は、だいたい5kgを目安として、医師と相談して体重管理をします。
胃が圧迫されるようになります
最近胃が圧迫され、ご飯があまり食べられない。
食べたとしても、胃痛、吐き気がすごく…こんな時間に目が覚めてねれない状況が続いています😣
今日は初めて胃をドスッとけられました👣
げっぷのような、ウッとなる感覚もよくあります。
ただの弱音です。みなさん、この時期どう過ごされてますか?
大きくなった子宮に押されて胃が圧迫されるようになり、不快さを感じることがあります。消化のよいものを少量ずつ、何回かに分けて食べましょう。少しでも楽になる方法を見つけられるとよいですね。
手足がむくむようになります
足首がなくなるぐらいで、象みたいな足してました>_<笑
妊娠中はやっぱむくみやすいみたいですね。
私の場合塩分の取りすぎも関係してたので、減塩と足のマッサージを続けるとマシになってきましたよ✨後足を高くして寝るとか^^
長時間立ち続けないように気をつけ、横になったときや座るときに足を高い位置に置く、足のマッサージなどを心がけるとよいでしょう。塩分のとりすぎに気をつけることも大切です。
静脈瘤(じょうみゃくりゅう)ができやすくなります
2人目までにはなかったんですが、今回の妊娠で初めて静脈瘤で悩んでます。右足のふくらはぎと側面に出来、廻りにびっくりされるほどひどいです。熱をもって、鈍い重苦しい痛みも感じる程です。産婦人科の先生は赤ちゃん生んだら大抵治るけどね~と呑気に言われますが、ほんとに治るのか心配です。。
(中略)
弾性ストッキングを履いたり
日常生活で横になるときなど
足を高くしたり、立ちっぱなし
をなくし休憩をしたりと
少しでもいいので静脈瘤ができてる足を
休ませてあげてください!
気にかけてあげてください!
難しいときはストッキングだけでも
履いて負担をかけ無いようにするのが
いいという感じでした!
今妊娠中ということで、
もし産院でストッキングを
貰えるようでしたら貰って
今からでも対策してみて下さい
大きくなった子宮に静脈が圧迫されることや、ホルモンの影響で血流が滞りやすいことが原因で、静脈がふくらんでもりあがり、静脈瘤ができやすくなります。妊婦の約10%が経験するといわれており、決して珍しいことではありません。
同じ姿勢を長時間続けないようにする、シャワーで済ませずに半身浴をする、夜寝るときに足を高くするなどを心がけましょう。血液の滞りを防いで循環をよくするための弾性ストッキングを使うのもひとつの手です。
おりものの状態に気をつけましょう
この時期になるとおりものが多くなります。妊娠中は免疫力が低下するので、カンジダ膣炎などにかかりやすくなります。茶色いおりものや水っぽいおりもの、かゆみがある場合は受診してください。カンジダ膣炎は出産時までに治っていないと赤ちゃんに産道感染することがあります。早めに治療しましょう。
カンジダはカビの一種なので、予防のためにむれないようにぴったりした服を避け、清潔にしてください。
- 厚生労働省「「妊娠期の至適体重増加チャート」について 」(https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a4.pdf,2018年8月15日最終閲覧)
- 母子衛生研究会「妊娠月別 胎児の様子とママのからだ」(https://www.mcfh.or.jp/jouhou/taiji/24_27week.html,2018年8月15日最終閲覧)
- 医療情報科学研究所「病気がみえる 10 産科」P39、47(メディックメディア,平成19年3月)
- 大館市立総合病院「≪妊婦さんの静脈瘤≫」(http://www.odate-hp.odate.akita.jp/out/obs/2.html,2018年8月21日最終閲覧)
- 小阪産病院「よくある相談」(https://www.kosaka.or.jp/contact/qa.html,2018年8月21日最終閲覧)
- まつなが産婦人科「カンジダ膣炎」(http://mybee.or.jp/56,2018年8月21日最終閲覧)
妊娠27週目の胎児の様子
妊娠27週目の胎児の大きさや体重、成長の様子についてご紹介します。
- 胎児の大きさ(FL:大腿骨長):約42〜53mm
- 体重:約740〜1,300g
FLとは大腿骨長(だいたいこつちょう)、太ももの骨の長さを指します。体重は、1ヶ月前と比べて約1.5倍になりました。
目が完成に近づきます
27週目になるとまぶたが開き、まつ毛が生えてきます。網膜が完成して明るさや暗さを感じ取ることができ、目は完成形に近づきます。
味覚が発達します
胎児の味覚は嗅覚や視覚、聴覚より少し遅れて発達します。この頃から発達してきて完成するのは8ヶ月頃になります。甘みや苦みを感じわけるといわれており、生まれた後は母乳とミルクの味の違いがわかります。
手をギュッと握る反射が出始めます
脳が発達するため、手のひらを刺激するとギュッと指をまげて握る把握反射(はあくはんしゃ)が出始めます。この反射は、生まれた後2〜4ヶ月頃まで続きます。
逆子でも気にしなくて大丈夫です
健診時に逆子と指摘されることがあるかもしれませんが、まだ子宮のスペースに余裕があり、もとに戻る可能性は十分にあります。焦る必要はありません。
- 日本産科婦人科学会「推定胎児体重と胎児発育曲線 保健指導マニュアル」(http://www.jsog.or.jp/public/shusanki/taiji_taiju_hatsuiku_201203.pdf,2018年8月14日最終閲覧)
- 医療情報科学研究所 「病気がみえる」P26、P53、426(メディックメディア,平成19年3月)
- 日産婦誌53巻7号「12.胎児発育・児体重測」(http://www.jsog.or.jp/PDF/53/5307-130.pdf,2018年8月14日最終閲覧)
- 萩田和秀「らくらくあんしん妊娠・出産 」P102-103、107(学研,2017年)
- 竹内正人「はじめての妊娠・出産事典」P56、64(朝日新聞出版,2016年)
- 田辺中央病院産婦人科「妊娠7ヶ月」(http://sekitetsukai-sanfujinka.jp/life/view/7,2018年8月22日最終閲覧)
- 広尾レディース「妊娠5ヶ月」(http://www.hiroo-ladies.com/sanka/maternity/maternity05.html,2018年8月22日最終閲覧)
- 国立成育医療研究センター「骨盤位外来」(https://www.ncchd.go.jp/hospital/pregnancy/senmon/kotsubani.html,2018年8月22日最終閲覧)
- 中国中央病院 産婦人科病棟 「2018年4月号 VOL.240」(http://www.kouritu-cch.jp/wordpress/wp-content/themes/kouritu-cch-pc/pdf/umugayasushi201804.pdf,2018年8月31日最終閲覧)
妊娠27週目では切迫早産に注意
おなかの張りや痛みが続き、安静にしても治らないときは受診します。性器から出血したり、破水したりした場合は少量であっても様子をみず、すぐに病院へ行ってください。
切迫早産の治療は安静が基本
切迫早産の場合、状況によって自宅安静か入院するかを医師が判断します。自宅安静の場合も基本的に仕事は休みます。医師の診断書があれば休職することができます。
自宅で絶対安静といわれた場合は、トイレや食事以外は横になって過ごします。安静といわれた場合も、自分の身の回りの世話以外は横になり、無理をしないようにしましょう。
- 総合周産期母子医療センター「よくあるご質問のお答え」(http://www.uraboshi.jp/answer.html,2018年8月22日最終閲覧)
- 桐生厚生総合病院「新生児センターご案内」(https://www.kosei-hospital.kiryu.gunma.jp/10_shinryoubu_syoukai/shinryoubu_syoukai/syouni_nicu.pdf,2018年8月22日最終閲覧)
- 竹内正人「はじめての妊娠・出産事典」P142(朝日新聞出版,2016年)
- 萩田和秀「らくらくあんしん妊娠・出産 」P102(学研,2017年)
妊娠27週目の過ごし方と注意点
妊娠27週目の妊婦さんにおすすめの過ごし方と注意すべき点についてご紹介します。この時期は、おなかがせり出してくるため、バランスを崩しやすくなります。転んだり、階段や段差でつまずいたりしないよう、今まで以上に足元に注意しましょう。
車の運転は控えましょう
妊娠中は集中力が低下するため、できるだけ避けましょう。ちょっとしたはずみでハンドルにおなかをぶつけてしまうこともあります。やむをえず運転するときは正しい方法でシートベルトを着用してください。
適度な運動をしましょう
体力の向上やストレスの発散につながるため、無理のない範囲で体を動かしましょう。ただし、炎天下での運動や動きの激しいもの、あおむけになるものなどは避けます。主治医に相談した上で、ウォーキング、マタニティヨガなど、気持ちよく続けられるものを見つけられるとよいですね。
妊娠線の予防を始めましょう
おなかが急に大きくなると、妊娠線が現れることがあります。急に体重を増やさないように気をつけ、オイルやクリームでケアしましょう。
長時間の立ち仕事は避けましょう
長時間の立ち仕事はむくみや立ちくらみの原因になります。途中でこまめに座る、ストレッチをするなど体を休め、できるだけ無理をしないようにしましょう。
母性健康管理指導事項連絡カードを活用しましょう
「母性健康管理指導事項連絡カード」とは、医師の指導内容を事業主に伝えるためのカードです。事業主はカードの記載内容に応じて適切な措置をとる義務があります。
満員電車を避けて時差通勤をする、おなかが張ったときは横になって休むなど、医師からの指導内容を職場に伝えるために活用してください。用紙はインターネットからダウンロードできます。
- 萩田和秀「らくらくあんしん妊娠・出産 」P102、104(学研,2017年)
- 竹内正人「はじめての妊娠・出産事典」P56(朝日新聞出版,2016年)
- 厚生労働省「母性健康管理指導事項連絡カードの活用方法について」(https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/josei/hourei/20000401-25-1.htm,2018年8月22日最終閲覧)
- 佐野産婦人科医院「妊娠中の運動について」(http://www.sanolc.com/blog/2018/05/post-160-600040.html,2018年8月22日最終閲覧)
- 杉山産婦人科「妊娠中の注意事項」(https://www.sugiyama.or.jp/childbirth/manual/06,2018年8月22日最終閲覧)
- 佐賀県医療センター 好生館「妊娠中のこと」( http://www.koseikan.jp/medical_care/center_medical_care/perinatal_medical_center/obstetrical_department/pregnant.html#article2,2018年8月22日最終閲覧)
パートナーとの時間を大切に過ごしましょう
赤ちゃんが生まれると、パートナーとふたりきりの時間を持つことが少なくなります。今のうちに、ゆっくり食事をする、たくさん話をするなど、意識して夫婦の時間を作りましょう。
家の周りを2人でゆっくり散歩するのもよいですよ。それまで気づかなかった公園や児童館など、出産後に役立つ発見があるかもしれません。