夏の室内の臭い、原因はカビかも…
梅雨から夏にかけて悩ましい湿気問題。家事をすることの多いママたちは、洗濯物の生乾きや、浴室にプツプツと現れる黒いカビなど、湿気によるお悩みが増えますよね。そんなジメジメの季節に、「家の中がなんだか臭う」って経験はありませんか?
外から帰ってきて玄関を開けた瞬間や、数ヶ月振りにエアコンをつけた時、浴室や洗面所からモワンと漂ってくるその臭い、原因はカビかもしれません。
カビは見た目や臭いだけでも嫌な存在ですが、室内のカビを放置しそれを吸い込むことは体にも悪影響だと言われています。皮膚トラブルや呼吸器系の病、アレルギーなどを引き起こしかねません。小さい赤ちゃんや子供を持つママたちにとっては、何とも放っておけない存在ですね。
- 住宅総合研究財団「住宅におけるカビアレルギーとその予防に関する研究(梗概) 」(http://www.jusoken.or.jp/pdf_paper/1990/8922-0.pdf,2017年7月20日最終閲覧)
- オフィス ねこの手「カビ臭いエアコン、使い続けるとどうなる?」(http://office-nekonote.biz/14356789366430/978,2017年7月20日最終閲覧)
カビが繁殖する3つの条件
ジメジメとした季節にその存在を意識することの多いカビ。では、カビはそもそもどんな環境に生息するのでしょうか?
カビが生える条件は、「湿度」「温度」「栄養」の3つにあると言えそうです。この3つの条件が整った時、カビは繁殖を強めていきますが、高温多湿の日本の気候でこれらの要素を取り除くことは難しいことも。
1.湿度
カビの種類によっても異なりますが、カビが活発に増殖する湿度は65〜70%以上。梅雨時期は特に高湿度な状態が続きます。湿度は60%以下に保つのがカビの発生を防ぐポイント。
2.温度
20℃~30℃くらいがカビの好む条件ですが、5℃~50℃の範囲であれば繁殖ができます。例えば冷蔵庫内などの低温下でも、スピードが遅いだけでカビの繁殖には十分な温度。しかも食べ物などの栄養源が豊富で、カビの好む条件と言えます。
3.栄養
前述の冷蔵庫が良い例であるように、食品類が一番の栄養源。しかし、カビは他にも繊維や木材・ホコリなど何でも栄養源にしてしまいます。特に炭水化物やタンパク質・脂肪分などをカビは好み、食物の豊富なキッチンまわりはカビにとっては栄養の宝庫。また、風呂まわりに残りがちな体のあか・脂肪分やせっけんカスなどもカビの繁殖の原因となる栄養分です。
このように「温度」「湿度」「栄養」それぞれにカビの好む条件を詳しくみてみると、人間も心地よく感じる環境であったりもします。これらを完全に除去するのは難しいことですが、カビが生えないようにうまくコントロールしていきたいものです。
- エステー「梅雨のお悩み一挙解決」(http://www.st-c.co.jp/plus/season/2015_05/,2017年7月20日最終閲覧)
- タケ・ホープ「カビの取り方・予防法」(http://www.takehope.co.jp/tp-kabitori.htm,2017年7月20日最終閲覧)
- 住宅総合研究財団「住宅におけるカビアレルギーとその予防に関する研究(梗概)」(http://www.jusoken.or.jp/pdf_paper/1990/8922-0.pdf,2017年7月20日最終閲覧)
- 産經新聞「冷蔵庫のカビ繁殖に注意!」(http://www.sankei.com/life/news/150918/lif1509180006-n1.html,2017年7月20日最終閲覧)
- ADS計画研究所「カビ発生のメカニズム」(http://www.ads-network.co.jp/dannetu-keturo/keturo-07.htm,2017年7月20日最終閲覧)
家の中で注意すべき場所と対処法
カビの好む「湿気」・「温度」・「栄養」。家の中を見渡すと、この条件に当てはまる場所がたくさん…至るところにカビが潜んでいていそうで怖くなってきますよね。
では、特に家の中でカビに注意すべき場所とその対策やお掃除方法について、場所別に詳しくチェックしていきましょう!
お風呂:塩素系カビ取り剤と日頃のお手入れで
「家の中のカビ」と聞いて、真っ先にお風呂場を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?エステーが主婦360人に行ったアンケートでも、「カビが気になる場所」のトップはお風呂。お風呂は密閉されているうえに高温多湿のため、家の中で最もカビが発生しやすい場所です。タイルの目地やゴムパッキンなどにも気づいたらカビが発生していることも多いですよね。
湿気が増すこの時期、まずはお風呂も24時間換気が基本。そして、お風呂の頑固なカビには、塩素系のカビ取り剤が有効です。「次亜塩素酸ナトリウム」という漂白剤などに使われる成分が強力カビを殺し、目地などもきれいにしてくれます。ただしこの強力な成分は皮膚や目に触れると危険なので、手袋や眼鏡を着用したり、換気をしながら使用したりするなどの注意が必要です。カビ取り剤の注意書きをしっかり読んでから使いましょう。大人はもちろん小さいお子さんが触れたりすることのないよう、配慮して使用してくださいね。
でも、実際毎日カビ取り剤を使って掃除するのは大変ですよね。いったんカビ取り剤で洗浄した後は、日頃のお手入れでカビを見つけたら薬局などで売っている消毒用エタノールをスプレーし、再びカビが発生しにくくしておくのがよいでしょう。
また、せっけんカスや洗剤のすすぎ残りはカビの栄養源となるので、普段の入浴や掃除の際にはそれらをしっかりと洗い流しておきましょう。その際、乱暴に水を掛けてしまうとカビ胞子や栄養源を飛ばしてしまうので、丁寧に行ってくださいね。
その他、浴室の水分を拭き取っておく、浴槽のフタは立てて水を切るなど、水分をなるべく除去する工夫も有効です。
キッチン:水回りだけでなく冷蔵庫も要注意!
家の中の大きな水回り、お風呂に続くのはキッチン。そして前述の通り、カビの栄養源となる食物が置いてある場所でもありますね。キッチンの中には、カビが発生に注意する場所がいくつかあります。
冷蔵庫
カビというとどうしても水回りばかり注意してしまいますが、キッチンのカビ取りのキモは実は「冷蔵庫」。低温でカビの繁殖はゆるやかですが、冷蔵庫はカビの栄養源となる食物の宝庫です。
まずは冷蔵庫内で腐ったりカビの生えたりしている食品がないかチェックしてみて。食品の整理が済んだら、庫内の清掃をしましょう。キッチンハイターなど塩素系漂白剤を使用し、トレーなどはつけ置き洗いしたり、他は雑巾に染み込ませたりして拭き掃除をしましょう。この際汚れを拭いた雑巾はこまめに洗い、カビ胞子の拡散を予防することが大事。
また、普段冷蔵庫を使う際は水ぬれや結露した食品は十分に水気を拭きとってから収納することを心がけ、さらには定期的にアルコールをスプレーし拭き掃除を行いましょう。
シンク
キッチンの水回りといえばシンクですね。三角コーナーや排水溝などには湿度・栄養がたっぷり。そんなシンクのカビ取りには、塩素系漂白剤のほか、重層とお酢も便利。
ぬめりが気になる部分に重曹を2分の1カップ入れ、その直後にお酢を流し入れると、ぶくぶくと泡立ちます。しばらくたった後で今度は熱湯を流し入れます。
カビのひどい時にはスプレー式のカビ取り剤を使用するとより効果的でしょう。シンク内や流しの排水口周りなどはスプレー式のカビ取り剤を直接スプレーし数十分放置し、その後クリームクレンザーで磨くとカビも取れ、ピカピカに。
排水溝下の収納
シンク下の収納も見逃せません。湿気がたまりやすい場所かつ、収納している調味料などの液ダレやカスなどがカビの栄養源に。
カビの除去はやはり塩素系漂白剤を染み込ませた布での拭き掃除。その後水拭きとから拭きをして、さらにエタノールを布に染み込ませて拭けば再発防止にもなります。十分に乾燥させてから、液ダレなどを拭き取った調味料などを収納してくださいね。
エアコン:フィルター掃除と乾燥がカギ!
梅雨時期や夏の除湿にエアコンを使う方は多いですが、そのエアコンもまたカビの住みやすい環境。エアコン内部に水が溜まり、さらにフィルターについたホコリなどを栄養源に繁殖してしまいます。「久しぶりにエアコンをつけたら、カビ臭かった」という経験がある方も多いのでは?
エアコンの厄介なところはカビが繁殖しやすいというだけでなく、発生したカビを部屋中にまき散らす可能性が高いこと。カビによるアレルギーや疾病を引き起こしかねません。
エアコンのカビ対策には、ホコリなどの汚れを取ることと、乾燥させることが有効です。エアコンシーズン前はフィルターやエアコン内部を洗浄し、フィルター清掃もこまめに行いましょう。乾燥させるには、使用後に送風を行うか最近ではエアコンに内部清浄・内部乾燥などの機能がついているものもあるので活用するとよいでしょう。
エアコンに関しては、数年単位で専門のクリーニング業者に清掃を頼むのもひとつの方法です。
玄関・靴箱:汚れた靴、ぬれた靴を放置しない!
玄関を開けた瞬間に「カビ臭い…」。開けたドアを、思わず閉めてしまった経験がある方もいるのでは?雨の日が続くと玄関が臭ったりすることもありますよね。その臭いの発生源は主に靴。ぬれた靴はカビや雑菌の温床になり、嫌な臭いが発生しやすくなります。汗を吸った靴も同様です。
ぬれたり素足で履いたりした靴はそのまま放置せず、陰干しなどで湿気を除去しましょう。新聞紙や除湿剤を利用するのもよいでしょう。
また、靴箱の中がカビ臭いこともありますよね。湿気や汚れのついた靴をそのまま入れて、閉め切っていることが原因です。靴をしまう前にきれいにしておく他、定期的に扉をあけるなどして通気性のよい状態にしておくとよいでしょう。
- タケ・ホープ「カビが発生しやすい場所と対策」(http://www.takehope.co.jp/tp-kabitori.htm,2017年7月20日最終閲覧)
- サニクリーン「キッチンと押し入れの簡単カビ対策」(http://www.sanikleen.co.jp/hs/soujiblog/0519/,2017年7月20日最終閲覧)
- お掃除本舗「キッチンシンク下にもカビ!?」(http://www.osoujihonpo.com/dictionary/kitchen/kitchen-013.html,2017年7月20日最終閲覧)
- お掃除&コーティングの専門店KIS「梅雨(湿気)対策・カビ対策」(http://www.kis.gr.jp/page/jyozu-mold.html,2017年7月20日最終閲覧)
- お掃除本舗「恐怖!エアコン内部にカビが!?」(http://www.osoujihonpo.com/guide/aircon/120910-01.html,2017年7月20日最終閲覧)
見落とさないで!冬場もカビ対策
カビというと、これまで語ってきたようにジメジメとした梅雨や夏場にかけての悩みと思いがち。でも、最近では住宅の気密性が高くなり湿気がこもりやすくなったこと、加湿器の使用、冬場の換気不足等により冬期にもカビが屋内で増殖しているようです。特に結露が原因と思われる冬期のカビ汚染は著しく増加。
冬のカビ対策のポイントは、「換気の工夫」と「結露・水分の除去」。ときおり換気をして外の乾いた空気を入れることで、湿度・温度をコントロールしましょう。結露はこまめに拭き取ったり、結露防止アイテムを使用したりするなどの工夫を。特に北側の部屋や壁、窓ガラスなど表面温度が低いところは結露ができやすいので注意!
- NIKKEI STYLE「冬も発生しやすい部屋のカビ 撃退のポイント」(https://style.nikkei.com/article/DGXDZO67183370R20C14A2W05001?channel=DF130120166128&style=1,2017年7月20日最終閲覧)
- 住宅総合研究財団「住宅におけるカビアレルギーとその予防に関する研究(梗概) 」(http://www.jusoken.or.jp/pdf_paper/1990/8922-0.pdf,2017年7月20日最終閲覧)
- alsok「冬のお悩みナンバーワン!ビショビショ“結露”の対処法」(http://www.alsok.co.jp/person/lifesupport/family/13.html,2017年7月20日最終閲覧)
家のカビ対策で、すっきり快適に!
家の中でカビが発生する場所と、その対策についてご紹介してきました。こうしてカビの生息環境や条件をみてみると、時期を問わず家のいたるところにカビが潜んでいる気がしてきてなんとも恐ろしいですね…。
忙しいママは、どこから手をつけていいか分からない!って方も多いですよね。そんな方は、今回ご紹介したカビが多く発生しやすい場所から、少しずつお手入れしていってみてはいかがでしょうか。普段家族がよく過ごす場所からチェックしてみてもいいですね。
カビの予防とお掃除で、快適な空間づくりを是非してみてくださいね♪