監修:清水なほみ 先生

妊娠中期の腹痛や下腹部痛の原因、危険な痛みとは?

安定期になりほっと一息…と思ったのもの束の間、妊娠中期にお腹や下腹部に痛みを感じることがあります。妊娠中はどの時期でも絶対に大丈夫という100%の保証はありませんが、妊娠中期は安定期ということもあり、対処が遅くなってしまうこともあるでしょう。妊娠中期腹痛・下腹部痛の原因と、危険な痛みについてご説明します。

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妊娠中期の腹痛・下腹部痛の原因

妊娠中期と言われる妊娠16週~27週は、安定期と重なるため過度に安心してしまう方がいます。そもそも安定期とは、胎盤が完成する妊娠15週前後、胎児への栄養供給が安定し始め、つわりなどの症状が落ち着いてくる時期です。

この時期に、旅行などの計画をたてる方もいるでしょう。しかし、中には妊娠中期はお腹が張りを感じる方もいます。お腹の張りには、問題ない張りとそうでない張りがありますが、心配な時には早めにかかりつけ医に相談しましょう。

生理的なお腹の張り

お腹の張りを伴う腹痛がある場合は受診が必要です。安静にして落ち着くような場合は過度に心配しなくても大丈夫なことがほとんどですが、場合によっては自宅安静が必要になったり張り止めの薬の服用が必要になったりすることもあります。

妊娠中期以降には外出したり、運動をしたり、夫婦生活をするだけでお腹が張ることもありますが、どの程度の張りが「大丈夫」なのかを自分で判断することは難しいでしょう。

そんなときはまず安静にしてお腹の張りが落ち着くかどうか様子を見ましょう。安静にしても張りが落ち着かない場合は、病院に確認の連絡を入れることをおすすめします。

注意したいお腹の張り

  • 出血がある(茶色・黒も含む)
  • 体を休めても痛みが取れない
  • 15分間隔など、規則的に痛みがくる
  • 持続する痛み
  • 激しい痛み

上記のような痛みがある場合は早急に病院を受診するようにしましょう。

出典元:

妊娠中期の腹痛や下腹部痛を引き起こす疾患

腹痛 PIXTA

痛みの感じ方には個人差がありますが、安定期ということもあり、少しの腹痛は問題ないであろうと自己判断をしてしまう方がいます。

しかし、この時期の腹痛には、早産や母子の命が危険にさらされる可能性がある病気によるものもありますので、少しでも気になる症状があれば病院に確認が必要です。

切迫早産

切迫早産とは、妊娠22週以降37週未満に、下腹部痛や性器出血、破水などの症状があらわれ、早産の危険が高い状態のことです。まだお腹の中にいなければいけない時期ですので、生まれてしまうと赤ちゃんへのリスクが高まります。

そのため、切迫早産と診断された場合は胎児をお腹の中にとどめておくための治療が必要です。妊娠週数によって処置は異なりますが、症状がひどい場合は入院による安静と必要な薬剤の点滴が行われます。

常位胎盤早期剥離

常位胎盤早期剥離とは、正常な分娩以前に胎盤が子宮壁からはがれてしまった状態のことを言います。発生頻度は全分娩の約0.5~1.3%で、出血が止まらないなどの重症の場合、母子共に重篤な状態を引き起こすことがあります。

切迫早産と同様の症状がおこることが多いため、さまざまな検査をして原因を特定し、胎児の状況によって適切な処置を行います。

出典元:
  • 井上裕美(監)他「病気がみえる vol.10産科」114、164(メディックメディア,平成27年)
  • 岡井崇(編)他「標準産科婦人科学」348、370(医学書院,2014)

妊娠中期だからと安心せずに、気になる場合は医師に相談しましょう

問診 PIXTA

妊娠初期は少しの体の変化などにも敏感な方が多いのですが、妊娠中期になると安定期ということもあり、少しくらいの腹痛や下腹部痛、出血などに対して大丈夫だと思ってしまう方がいます。

安定期とはいえ、妊娠中に安全な時期はありません。特に妊娠初期よりも中期の腹痛は軽視せずに、しっかり安静をとり、落ち着かない場合は早急に受診しましょう。

受診して、問題がなければ安心ですので、「このくらいのことで...」と思わずにかかりつけ医に連絡してください。

記事の監修

ポートサイド女性総合クリニック〜ビバリータ〜 院長

清水なほみ 先生

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