妊娠6ヶ月妊婦の様子
おなかの大きさの目安となる子宮底長は、20週以降から計算の仕方が変わり、妊娠ヶ月×3+3となるため、約21cmになります。子宮底の高さはおへその位置~おへその上に指の太さ1本分くらいまで大きくなります。
ただし、子宮底長はメジャーで計測するため、測り方や体勢によって誤差があり、エコーで分かる胎児の大きさと一致しないこともあるでしょう。
この頃の体重増加目安は、週に0.3kg~0.5kg。妊娠前に痩せていた妊婦さんは0.5kgを目標に、妊娠前に標準~太めだった妊婦さんは0.3kgが目安です。肥満体型だった妊婦さんは、医師や助産師から個別にの指示を受けますので、しっかり守りましょう。
おっぱいの変化
授乳準備のため、妊娠中期に入ると乳腺が発達してきます。おなかのふくらみよりも先に胸が大きくなって妊娠を実感する人も多いです。急激な乳腺の発達は痛みを伴うこともあり、乳頭から分泌物が出ることもあります。
分泌物が出たままだと、乳頭が荒れたりかぶれたりするため、軽く拭き取るなどして清潔に保つようにしましょう。胸が大きくなるにつれ、乳頭や乳輪も大きくなっていきます。
また、この頃から乳頭が黒ずんでくる人がいるでしょう。急激に増える女性ホルモンがメラニン色素を増やす働きを持っており、それによって色素沈着を起こすためです。大抵の場合、産後に女性ホルモンの分泌が減るとメラニン色素の生成が減るため、色は薄くなります。
むくみ
妊娠5ヶ月で胎盤が完成し、胎児へ血液を送れるようになった妊婦さんの体は、子宮へ送りこむ血液の量を増やすために体を循環する血液の量を増やそうとします。体内に水分を多くため込むようになることで、むくみやすくなってしまうのです。
妊娠後期になればどの妊婦さんも経験することですが、デスクワークや立ちっぱなしなど、同じ姿勢を続けることが多い妊婦さんの場合、妊娠中期からむくみに悩まされることがあります。
冷えや血行不良はむくみの原因となるため、適度に体を動かし、血液の循環をよくしましょう。また、むくみが気になるからといって、水分摂取を減らすことはせず、塩分の摂取を控えるようにしましょう。
便秘
分泌が増加したプロゲステロンの働きで、妊婦さんは食べ物の水分が大腸から吸収されやすくなるため、便が固くなりやすくなっています。また、大きくなった子宮が腸の動きを鈍らせ、下半身の血流が悪くなるなどの理由で便秘がちになる人もいるでしょう。
便秘で固くなった便をいきんで出すことによって起こる肛門裂傷(切れ痔)、溜まった便が肛門周囲を圧迫することで肛門部分の血管がうっ血し、こぶのように膨らんで痔核(いぼ痔)になってしまうことも実は多いのです。
水分、繊維質をしっかりとり、快便になるよう心がけましょう。市販の便秘薬の中には、子宮の収縮を促すものもあるため、便秘薬を使う場合は、医師・薬剤師に相談を。
妊娠6ヶ月の胎児の大きさと発育の様子
- FL:太ももの骨の長さ
- BPD:頭の横幅
- AC:おなかの周りの長さ
胎児の体重(EFW値)は、4週間で倍近く増えます。身長が測れない胎児の大きさを表す、各数値も順調に増えていきます。また、この時期(妊娠6ヶ月)から、胎児の全身は胎脂で覆われるようになります。
大きな音に反応して動いているのが胎動から伝わってくることがあるでしょう。この頃から胎児名をつけて話しかけたり、胎教などを始めたりするのがおすすめです。
妊娠6ヶ月にやっておきたいこと
外界の音に反応するようになったおなかの赤ちゃんに向けて、胎教を始めるのに適した時期です。胎教というと何をしたらよいか迷う方がいるかもしれませんが、そういった方におすすめなのが赤ちゃんへの呼びかけ。
パートナーと相談しておなかの赤ちゃんの呼び名を決め、毎日話しかけてあげるのもよいですね。
おっぱいマッサージ
産後に、母乳が出やすく赤ちゃんが飲みやすい乳首になるように、妊娠中からおっぱいマッサージをするという考え方があります。
始めるタイミングとしては、妊娠20週、つまり妊娠6ヶ月に入ったらという説がありますが、おっぱいをマッサージすると、子宮収縮を促すことがあるため、切迫流産(22週未満)・切迫早産(22週以降)などの場合は、控える方が無難。
母体の状態を医師、助産師に確認してから始めるようにしましょう。妊娠中期である6~7ヶ月の間は、乳首の手入れを行い、妊娠後期(妊娠8ヶ月~)から授乳期には、おっぱいのマッサージも行うというのが一般的です。
間違ったやり方、自分の乳首にあっていない方法でマッサージすると乳首を傷めることもあるので、正しい方法を教わってからはじめましょう。
妊娠線のケア
妊娠線は、急激に大きくなったおなかやおっぱいの成長に皮ふの伸びが追いつかず、肉割れを起こすことでできます。皮ふが柔軟でしっかり潤っているとできにくいとされています。
保湿力の高いクリームやローションを使って、おなかのケアをしておきましょう。案外できやすいのが、おっぱいや脇、太ももなど。なんとなく肌にかゆみがある、ピリピリするというときには、念入りに保湿ケアを行いましょう。
里帰り出産の準備
里帰り出産を考えている人は、妊娠6ヶ月頃までには産院の予約をしておく必要があります。予約する場合、その産院によっても異なりますが、予約時に1度健診を受けることになります。予約時に必要なものをあらかじめ産院に確認しておくとスムーズです。
妊娠30週から遅くとも妊娠34週までには健診を里帰り先の産院に移すことが一般的です。そのタイミングで里帰りができるよう、準備をしましょう。また、里帰り先が遠方で、飛行機などを使う場合、ギリギリの移動は心配です。少し余裕を持って、体調が安定しているうちに里帰りできるよう予定を組みましょう。
あっという間に妊娠期間も半分を過ぎました
早いもので、妊娠6ヶ月に入ると、40週ある妊娠期間の半分以上が過ぎたことになります。まだ何も準備ができていないと焦ってしまうかもしれませんが、まだ時間はありますよ。
赤ちゃんを迎える準備で一番大切なのは、あなた自身が心おだやかにリラックスして過ごせる時間を持つこと。友人とお茶をしながらおしゃべりをしたり、パートナーと2人で過ごす時間を楽しんだりする時間を大切にしましょう。
あなたが楽しく過ごしているのはおなかの赤ちゃんにも伝わります。引き続き、栄養や適度な運動に気をつけつつ、妊娠期間を楽しんでいきましょう。
※この記事の情報は2017年11月30日取材現在のものとなります。最新の情報は医療機関へ受診の上、各医師の診断に従ってください。